髪の汚れ対策も忘れずに

外出先でも外にさらされている髪の毛ですが、髪の汚れ対策は二の次になりやすいかもしれません。髪はそもそも汚れがつきやすい場所であるため、一日の終わりには汚れを落としましょう。また、あらかじめ汚れを付きにくくする対策をとることも大切です。

髪は汚れがつきやすい場所

人の頭には毛髪が平均して10万本あり、頭全体を覆う髪1本1本の隙間には汚れが入りこんでいることがあります※1 。また、髪の毛は1本の表面積も大きく、20cmの長さの場合、頭髪全体の表面積は畳約3畳分にもなります。この大きな表面積のため、髪の毛に汚れがつきやすいのです。さらに髪の毛の表面には、頭皮の毛穴から分泌された皮脂がじわじわと広がります。洗髪後、時間が経って皮脂が広がった髪の毛の表面は、花粉やホコリなどの汚れが、つきやすい状態になることもわかっています※2

※1 髪に付着した汚れ

髪に汚れが付着した写真。 立体的に重なった髪の毛1本1本の隙間に、小さな汚れが入り込んでいる様子が観察されている。 観察した毛髪は、40代女性が通勤して出社したときに観測したもの。

【観察対象】
セミロング、40代女性。スタイリング剤不使用。
通勤後の出社時に観測。

※2 皮脂成分の付着による
汚れのつきやすさ

皮脂成分の付着による汚れのつきやすさを評価した結果のグラフ。 髪の毛に皮脂成分が付いた場合と、付いていない場合における、スギ花粉アレルゲンの毛髪への付着量を比較。皮脂成分がついていない場合は、ついている場合に比べて付着量が3分の1程度の結果。

【実験条件】
皮脂あり:シャンプー、コンディショナー処理し乾燥後、1日で分泌する皮脂量相当のオレイン酸(髪に移行しやすい代表的な皮脂組成分として使用)を噴霧。
皮脂あり、皮脂なしの各ウィッグを屋上に7時間放置後、回収したホコリ中のスギアレルゲン量をELISA測定。
Mann-Whitney U test, MEAN±SD

また、髪にウイルスが付着した場合には、衣類についた場合と同じように、ウイルスが感染力を一定時間保つ可能性があることがわかりました。髪はそもそも汚れやすく、洗髪から時間が経った後は様々な汚れがつく可能性も高いことから、衛生的な状態を保つためには髪の汚れを落とすことが大切です。

髪の汚れを落としましょう

外出時などに髪についた汚れは、そのまま帰宅時に家に持ち込まれると考えられます。帰宅後は、ソファーやベッドなどに寝転ぶ前に、髪の汚れを落とすようにしましょう。髪の毛についた汚れは、シャンプーを使って洗髪することで落とすことができます。

洗髪による
「髪と地肌上の花粉」の除去

洗髪による、毛髪と地肌の上についている花粉の除去量を示すグラフ。シャンプーやコンディショナーを使用して洗髪した後は、洗髪前に比べて99%以上の花粉を除去できたという結果。

【実験条件】
セミロングヘアの人毛ウイッグに、2000000個のスギ花粉を均一に振りかけ後、片側をシャンプー・コンディショナーで洗髪。その後、洗髪していない側と洗髪した側からそれぞれ、家庭用掃除機で吸引し花粉を捕集。捕集したサンプルをPBSで抽出し、遠心分離にて回収後、抗原タンパク質Cry j 1を定量。花粉重量 20ng/個、Cry j 1量 6pg/個として算出した。

洗髪による
「髪の上のウイルス」の除去

シャンプーを用いた場合と、用いずに37℃の水のみで洗髪した際の、毛髪上のウイルス除去を示すグラフ。37℃の水のみで洗髪した場合は約36%の除去率、シャンプーを用いて洗髪した場合は99%の除去率という結果。

【実験条件】
長さ5cmの人毛トレスに、エンベロープ型ウイルス(1種類)を滴下したのち、約2時間放置後、使用時濃度へ希釈したシャンプーまたは水(それぞれ37℃に加温)にて、洗髪に相当する撹拌力で1分間洗浄。洗浄液中のウイルスRNA量(コピー数)を検出・測定し、塗布したウイルス量との差分から毛髪上に残留したウイルス量を算出した。

髪に汚れをつきにくくするには

まとめ髪にしたり帽子をかぶるなども大変効果的です。ホコリや花粉など、いわゆるダスト汚れ。花王では、髪にこのような汚れをつきにくくする技術を開発しました。汚れがつきやすくなってしまう原因のひとつを、毛髪上に広がる皮脂や、使用するヘアケア製品に含まれる油剤と考え、これを制御しています※3 。この技術を用いたシャンプーやコンディショナーで洗髪すると、時間が経ったあとも、髪にダスト汚れがつきにくい状態にできることを確認しています※4

※4 頭髪にダストをつきにくくする効果

※4 ダストシールド技術を用いることにより、頭髪にダストをつきにくくする効果を示すグラフ。ダストシールド技術を未使用のシャンプーとコンディショナー、またはダストシールド技術を使用したシャンプーとコンディショナーで、それぞれ処理した頭髪での実験結果を示す。ダストの付着を表す毛髪の白さスコアは、ダストシールド技術を未使用の場合は3程度、ダストシールド技術使用の場合は2程度。

【実験条件】
ダストシールド技術を未使用の、または使用したシャンプー、コンディショナーを頭部の左右半分ずつ6日間連続使用した被験者から毛髪を採取。採取した黒髪に、ダストを想定したテスト用の白い微粒子を噴霧し、どの程度付着したかを色味の変化で研究員6名が評価。

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