パーパスである「豊かな共生世界の実現」に取り組みながら、長期持続的に企業価値を向上していくためには、ますます多様化、複雑化するリスクに迅速かつ適切に対応する必要があります。
花王は、経営目標の達成や事業活動に悪影響を与える可能性を「リスク」、この「リスク」が顕在化することを「危機」と定義し、「リスクおよび危機管理に関する基本方針」に示された対応の優先順位(1. 人命尊重、2. 環境保護、 3. 操業維持、4. 資産保持)に基づいて、事業全般に渡り生じ得るさまざまなリスクと危機を適切に管理しています。
リスクと危機の管理は、リスク・危機管理委員会で、管理体制と活動方針を定めています。部門および関係会社は、この活動方針に基づいてリスクを把握、評価し、対応策を策定、実行することでリスクを管理しています。なお、海外関係会社は事業部門を通じて管理しています。
また、危機発生時には、緊急事態のレベルに応じた対策組織を立ち上げ、迅速かつ適切に対応することで被害、損害の最小化を図ります。経営会議ではこれらの取り組みを定期的および適時確認し、取締役会が承認しています。
花王は、持続的な利益ある成長と、事業活動を通じた社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与えるリスクとして、特に重要な14の主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議で選定し、主管部門が対応方針を策定して進捗管理を行なっています。そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定めて、年1回、社内リスク調査の分析、外部環境の分析、経営幹部へのヒアリングを基に、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(責任者:執行役員)を選定しています。各リスクオーナーは対策チームを立ち上げて検討を進め、年4回開催されるリスク・危機管理委員会で進捗管理を行なっています。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行の長期化、感染力の高い変異ウイルスにより、社員の健康被害や操業の一時停止などが発生するリスク
SNSなどを通じて、当社への批判的な評価や誤った情報が拡散され、ブランド価値や社会的信用が低下するリスク
サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失などにより個人情報が漏洩するリスク
大地震や気候変動に伴う大型台風、洪水などの自然災害による、社員や設備などの資産への被害および製品供給に支障をきたすリスク
重大品質問題の発生で社会的信用が失墜するリスク