リスク・危機管理

リスクと危機の管理体制

花王は、経営目標の達成や事業活動に悪影響を与える可能性のことを「リスク」、それが顕在化することを「危機」と定義し、リスク・危機管理委員会が管理体制と活動方針を定めています。各部門及び関係会社は、この活動方針に基づいてリスクを把握、評価し、対応策を策定、実行しています。なお、海外の関係会社は事業部門を通じて管理しています。
危機発生時には、緊急事態レベルに応じた対策組織を立ち上げ、迅速かつ適切に対応することで被害、損害の最小化を図ります。これらの取り組みを経営会議で確認し、取締役会の承認を得ています。内部統制委員会はリスクと危機の管理状況をモニタリングし、その有効性を確認しています。

危機発生時の対応

花王では、発生事象の花王におよぼす影響の重大さから、危機対策チームの責任者が緊急事態レベルを評価し(事故・災害、感染症などの事象発生時にはレベル1から3で評価)、レベルに応じた組織を設置して発生事象に対応します。

コーポレートリスクの明確化と対応の強化

花王は、リスク・危機管理委員会、経営会議において、持続的な利益ある発展と社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与える特に重要な15の項目を「主要リスク」として選定しています。その中でも経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定めて、社内リスク調査の結果分析、外部環境の分析、経営幹部へのヒアリングをもとに、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(責任者:執行役員)を年に1度選定しています。各リスクオーナーは対策チームを立ち上げて対応の検討を進め、年4回開催するリスク・危機管理委員会で進捗を管理しています。

コーポレートリスクの内容と主な取り組み

地政学リスク対応

リスク内容

  • 人的被害が発生するリスク
  • 操業の一時停止や国・地域間の対立に伴い、消費者の購買行動変化が発生するリスク

主な対策

  • リスクシナリオの作成、対応体制の整備、政治的・社会的状況のモニタリングによる対応の強化
  • 社員の安全確保、サプライチェーンネットワークの確保、レピュテーション対応を中心に対策を検討

パンデミック対応

リスク内容

  • 新型コロナウイルスの変異株や新たなウイルス等の発生により、社員の健康被害や操業の一時停止などが発生するリスク

主な対策

  • 新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、次のパンデミックに備えたガイドライン、行動計画の見直し

大地震・自然災害・BCP対応

リスク内容

  • 大地震や気候変動に伴う大型台風、洪水などの自然災害による、社員や設備などの資産への被害及び製品供給に支障をきたすリスク

主な対策

  • 大型台風、洪水等の自然災害に対する各拠点の対策の強化
  • 社員とその家族を守るための防災教育の継続的強化
  • 長期操業停止を想定したBCP策定や、海外拠点のBCP強化

重大品質問題対応

リスク内容

  • 重大品質問題の発生で社会的信用が失墜するリスク

主な対策

  • 品質問題による重篤な被害が発生した場合の全社対応を強化
  • 発生防止に向けた社内啓発の強化

サイバー攻撃・個人情報保護対応

リスク内容

  • サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失などにより機密情報や個人情報が漏洩するリスク
  • サプライチェーン等の事業活動が一時的に中断するリスク

主な対策

  • セキュリティ対策の強化とインシデント発生時の対応手順の明確化
  • 機密情報・個人情報・情報セキュリティの保護活動の強化

レピュテーションリスク対応

リスク内容

  • SNSなどを通じて、当社への批判的な評価等が拡散され、ブランド価値や社会的信用が低下するリスク

主な対策

  • 事象発生時の緊急対応体制の強化
  • SNSなどのモニタリング体制の強化
  • 広告・SNS活用時の事前チェック体制の整備と継続的なリスクマネジメントの社内教育を強化
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