手洗いとともに頻繁におこなわれるようになった手指の消毒。実は、押さえておくべきポイントがあるのです。そのポイントを押さえて手指の消毒をした場合、それを知らなかった場合に比べて、消毒した後に平均して100倍も菌を減少させられることが分かりました。
研究所で行った一般の方を対象にした実態調査(花王2022年実施。20-50代男女34名における、消毒剤の使用実態調査)で、9割もの方が「消毒が充分にできていない」ことが分かりました。そのうちの約6割の方は、自分で充分に消毒できていると思っていたにも関わらず、できていなかったのです。「自分流ではなく、適切な方法を知って行う」ことが、手指の消毒には大変重要であると、明らかになりました。
消毒液を使用して、手全体の菌数が1/100に減った人の割合
【実験条件】
普段通り使用してもらうよう依頼。手の指先、指の間、手のひら、手の甲の部位ごとに、消毒後に減少した菌数を測定。
消毒が充分にできていない人の「消毒の仕方」には、大きくわけて2つの傾向がみられました。
✓ 消毒液の使用量が不十分である…65%
使用量が充分でないため、消毒液が手指全体にいきわたっていないことが分かりました。
✓ こすり合わせの時間が短すぎる…85%
一部分に消毒液をすり込むだけで、サッと終わらせてしまっていました。手にとった消毒液をしっかりと揮発するまで、まんべんなく手にすり込む時間も大切なのです。
実際に「使用量」と「こすり合わせ時間」によって、消毒の結果がどれほど変わるのかを確認しています。適切な使い方で消毒を行っている人は、明らかに菌の減少率が高いことが分かります。
「使用量」×「こすり合わせ時間」との関係
【実験条件】
20-50代男女、N=34の被験者において、普段の使い方で消毒剤を使用してもらった。菌数は、消毒前の菌数から消毒後の菌数を差し引いて求めた。消毒液使用量は、実験時使用製品の推奨使用量(約1ml)より多いケースを「適切」とし、それより少ないケースを「少ない」と記載。こすり合わせ時間は、米国CDCのガイドラインに記載されている15秒以上のケースを「適切」とし、それより短いケースを「短い」とする。
実態調査の中で、下記の①②の両方を被験者の方に実践していただいた結果、「自分流」の時は消毒が充分にできていなかった方も、菌数を1/100まで減らすことができました。どちらも、消毒の効果を得るには必要不可欠です。
①手にしっかり適量を取り、揮発するまで15秒以上こすり合わせる!
製品の推奨使用量の確認をしましょう。さらに、手にすり込む時間も大切です。15秒経つ前に消毒剤が乾いてしまったら付け足すことが必要です* 。
②塗り残しがないようにまんべんなく塗広げることを意識!
特に指先は、色々なところを触れたりつかむ箇所にもかかわらず、塗り広げられていない人が大半です。消毒液を手に取ったらまず指先を浸す、消毒液を直接指先に吹きかけるなど、塗残しがないように塗り広げる手順を身に着けましょう。
塗り広げる手順
【動画】花王 ビオレ 手指用消毒液の使い方
(YouTube花王公式動画)
不特定多数の人が触れるものをさわったら、その手で次のものを触る前に手を消毒する「タッチ&リセット」を習慣にしましょう。そうすれば、自分の身の回りを清潔に保つことができます。もしも手が目に見えて汚れている場合には、まずはハンドソープで洗ったり、シートでふき取るなどして汚れを落としましょう。手の汚れに消毒成分が消費されてしまうなど、消毒効果を低下させる可能性があります。