体内にウイルスを入れないためには、人ごみを避けるなど、ウイルスを含む飛沫を直接浴びないことに加えて、ウイルスがついている可能性のある手で、目・鼻・口などを触らないことが重要です。
ウイルスがついた場所を手で触らないことは対策のひとつですが、不特定多数の人が触るもの(電車の手すり、エレベーターのボタン、タッチパネルなど)に手を触れずに生活することはなかなかできません。また、ウイルスが付着した場所で、ウイルスはその力をすぐには失わないので、注意が必要です※。知らない間にウイルスが手に付着してしまっていることも否定できません。
実は、「人は無意識のうちに1時間に平均20回以上顔を触る」という報告があります。オーストラリアの研究グループによると、医学生26名を対象に大学講義中に1時間に平均22.6回手で顔を触ることがわかりました1)。また、早稲田大学の研究グループによると、大学内の模擬電車を使った観察研究により、電車内では、1時間に平均25.6回手で顔を触ること、また女性よりも男性の方が顔を触る回数が多いといった報告もされています2)。
あなたはどのようなタイミングで顔を触っていますか。「仕事中など、考えるときに顔を触るくせがある」「授業中に頬杖をつくことが多い」「電車の中で携帯を見ながら、もう片方の手であごを触る」など、人それぞれ無意識に顔を触る時や場面があるのではないでしょうか。体内にウイルスを入れないためには、普段から意識的に顔を触らないようにすることが大切です。
それに加えて、無意識に手で顔を触りがちなシチュエーションの前後に、手洗いや消毒液で「手」を清潔に保つことも重要です。「食事の前」「帰宅した時」「デスクワーク/学校での授業の前後」など、ふと顔を触ってしまう手を清潔に保つことができるように、手をきれいにリセットするタイミングをあらためて考えてみてください。