監査役会の取り組み

現場との対話を起点に経営基盤の健全性を確保する

花王は日本の会社法に基づき、監査役会設置会社を選択しています。
監査役は株主総会において選任され、取締役を兼務しない独立した立場から、重要会議への出席や各部門やグループ会社への往査・ヒアリングを通じて、取締役および執行役員の職務執行状況を監査しています。
監査役会は、花王の健全で持続的な成長と、ステークホルダーからの信頼に応えるガバナンスの確立に向けて監査活動を行っています。

監査方針

花王は中期経営計画「K27」の達成に向けて、「稼ぐ力の改革」を一層推し進め、「よきモノづくり」と社員活力の最大化により、「グローバル・シャープトップ」カンパニーをめざしています。監査役会は経営が認識する危機感とグローバル成長を加速させる必要性を共有した上で、「K27」の実行状況並びに経営環境リスクへの対応状況を確認することにより、ステークホルダーからの要請と社会からの期待を意識した監査活動を行うことを方針としました。

監査活動で特に重視していること

積極的な意見表明

監査役は、取締役会や経営会議などの重要会議における意思決定プロセスや決議に対し積極的に意見を表明するとともに、取締役や執行役員とは重点監査項目に関する活発な意見交換を行っています。

現場との対話

監査役は、各部門およびグループ会社への往査・ヒアリングによる対話を通じて、経営戦略の浸透状況や主体的な取り組み、現場の課題や経営への要望などを理解することを大切にしています。往査・ヒアリング終了後、現場が自部門の取り組みに活かせるよう、監査役コメントを「指導事項・要請事項・アドバイス・優れた取り組み」に分けて共有しています。なお、往査・ヒアリングの約7割には、社外監査役も1名以上参加しています。

モルトンブラウン社 UK工場の往査・ヒアリング

監査役会の構成・活動体制

監査役会は、監査役5名(常勤監査役2名、社外監査役3名)で構成されています。社内の豊富な執行経験と多様な知見を持つ常勤監査役と、指導的な経験や高い専門性と見識を有する社外監査役が、監査に関する情報を適宜共有し、多様な視点から審議を行っています。また、監査役会の直下に監査役室を設置し、監査役の職務の補助とともに、室員が子会社の監査役を兼務する体制をとっています。

監査役につきましては、こちらをご覧ください。

監査役会の審議状況

  • 開催回数:10回
  • 監査役出席率:全員100%
  • 開催時間:平均2時間15分
  • 監査役会の主な議題
    • 決議事項:18件
      監査方針・分担・重点監査項目、年間計画、監査報告書、監査役会規則、内部統制関連、会計監査人関連(報酬同意・再任審議等)、監査役の選任等
    • 検討事項:16件
      監査所見、監査役候補者選任方針の改定、監査役会規則の改定、代表取締役・社外取締役との意見交換会の重点テーマ、監査活動半期報告、海外往査・ヒアリングの実効性向上、監査役会の実効性評価プロセス確認等

監査役会とは別に、監査役のスキル、グループガバナンスや、経営戦略の進捗状況などについて、フリーディスカッション形式で議論を深めています。

重点監査項目・活動実績及び実効性評価

重点
監査
項目
監査方法及び取り組み 活動実績及び実効性評価
取締役・執行役員の職務の執行状況 取締役会に出席し審議・決議状況を確認、必要な場合は意見を述べる 各監査役は100%出席し、積極的に意見を述べた
経営会議等重要会議に出席し意思決定プロセスを確認、
必要に応じて説明を求め適時意見を述べる
常勤監査役は、経営会議、ESGコミッティ、内部統制委員会にすべて出席し、意思決定プロセスを確認、検討すべき事項について意見を述べた
花王及び花王グループ重要子会社の取締役と、重点監査項目について積極的に意見交換する 花王:代表取締役(3回)、社外取締役(2回)、役付執行役員(4回)
重要子会社:代表取締役(2回)
  • 代表取締役とは、「K27」実行状況や、エリア戦略の課題認識を中心に意見交換を行った
  • 社外取締役とは、往査・ヒアリングで抽出した現場課題やグループガバナンスについて意見交換会を行い、その内容を代表取締役に提言した
各事業場・各部門・国内外の子会社・関連会社への往査・ヒアリング
(内部統制等の重点監査項目も確認)
101回実施
  • 多数の「ROIC活用の好事例」や「社員エンゲージメント調査を用いた職場改善アクション」を確認した
  • 監査役のコメントが現場活動のPDCAサイクルに寄与していることを確認した
選任審査委員会、報酬諮問委員会 担当の社外監査役が出席した(6回)
グループガバナンスの実効性
  • 花王グループ監査役体制の体系化
  • グループ一体運営の下、各社の特性に応じた監査活動の実効性向上
  • 監査役室員が子会社監査役を兼務する体制を継続している
  • グループ監査役意見交換会(3回)では、監査活動による発見事項や課題認識の共有、監査スキル向上研修を実施した
  • 会計監査人と監査役及び関連部門との意見交換会
  • 会計監査人の監査に関して、取締役会で報告
意見交換会(9回)、取締役会での報告(3回)
  • 監査計画、会計監査結果、監査上の主要な検討事項、非保証業務管理、監査品質などを確認した
  • 海外子会社の監査人と主な監査課題について意見交換した
三様監査(監査役/会計監査人/経営監査室)の連携強化 三様監査会議(3回)で、各監査組織の計画や重点課題を共有することで連携を強化し、監査活動の実効性向上を図った
内部統制の整備並びに運用状況
  • 内部統制第二ラインの主管部門へのヒアリング
  • 内部統制委員会及び傘下の委員会によるリスク管理と評価の実効性
  • 第一ラインによる自主点検の状況を、第二ラインがモニタリングしていることを確認した(四半期又は半期ごと)
  • 三線構造によるグローバルでの「品質ガバナンス体制」と、関連する「品質保証規程」が整備されたことを確認した
経営監査室との連携 定例会議(4回)に加え、経営監査室室長に監査役会への陪席を要請し、発見事項やリスク認識を共有した
コンプライアンス事案の原因分析と対策評価 コンプライアンス案件の事後対応は概ね適切であるが、第二ラインに原因究明と対策をさらに徹底するよう助言した
情報開示 主要会議への出席、関連部門への往査・ヒアリング時に開示状況を確認 IR・SR・PR活動が連携し、戦略的に情報開示されていることを確認した

2025年度の主な取り組み

  • 「K27」については、「グローバル・シャープトップ」の構築をめざす各事業の取り組みが着実に進捗していることを確認しました。特に成長ドライバー領域の化粧品事業では、往査・ヒアリングや重要会議を通じ、成長戦略の現場への浸透度や構造改革の実効性を検証しました。「稼ぐ力の改革」については、ROICは事業部門に加え機能部門にも定着しており、多数の活用事例を確認しました。好事例については取締役会で共有しました。
  • 監査対象子会社(90社)の過去15年間の三様監査による監査実績を精査し、今後における重点監査領域を把握して経営監査室と共有しました。海外子会社のガバナンスは、事業のさらなるグローバル拡大に向けた重要テーマとして継続的に注視していきます。

※監査役 / 会計監査人 / 経営監査室

監査役会の実効性評価

監査役会は、重点監査項目を中心に監査を実施し、その活動について多角的かつ客観的な視点から実効性を評価します。各監査役による自己評価に加え、取締役やその他関係者の意見を参考に、良かった点や今後への期待を抽出して監査役会で幅広く議論しました。その結果、監査役会は全体として「有効に機能している」という評価に至りました。実効性評価で認識した重要テーマは次年度の監査活動の方針や重点監査項目、活動計画に反映し、監査活動の実効性向上をめざします。

監査役会実効性評価の概要は、以下のリンクをご覧ください。

取締役会・執行役員の意見を一部紹介します

  • 社外監査役の独立した視点や専門性に基づく論理的な意見と、常勤監査役の現場知見や過去の経緯に基づく具体的な指摘が参考になる。
  • 往査・ヒアリングを通じて「現場」の実態が共有され、参考になる。あらゆる事業は「現場」に真実がある。共有の機会をもっと増やしてもよいと思う。
  • 監査役ヒアリングは、真の課題抽出、対策立案に有効に機能している。また、肯定的コメントも得られ、メンバーのモチベーション向上につながるよい機会となっている

監査活動を通じて見えてきた企業風土と強み

社外監査役
内藤 順也

取締役会は、「グローバル・シャープトップ」に向けた多様な経験や専門性を備えたメンバーで構成され、監査役も自由闊達に発言し議論することができる風通しの良い運営となっています。私自身も、渉外法務・コンプライアンスの専門性を活かしつつ、グローバルな水準で良いものは良いと評価するとともに、時には執行側の耳の痛いことも述べるという姿勢を大切にしています。
監査役会も活発な取り組みを行っています。現場への往査・ヒアリングを重ね、リスクや課題を見つけて改善を促すとともに、自ら実効性評価を行い、透明性の高いガバナンスの実現に努めています。
現場との対話を通じて私が最も強く感じたのは、社員一人ひとりが自社製品とモノづくりに強い誇りを持っていること、そして製品の品質こそが花王の最大の強みであるということです。
「The Kao Way」が表すとおり、正道を歩み、目の前の課題から逃げることなく立ち向かっていくことこそが、花王グループの中長期的な成長・企業価値向上に資するものと信じています。

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