監査役は、株主の負託を受けた独立した立場で、取締役の職務の執行を監査することにより、当社及び当社グループが健全で持続的な成長を遂げ、ステークホルダーからの信頼に応えるガバナンスを確立することをめざしています。2022年度の活動を具体的に説明することにより、監査の透明性を図り、ステークホルダーの皆さまとの対話の実効性を高めてまいります。
2022年度は、中期経営計画「K25」の2年目にあたり、経営戦略の実行状況並びに経営環境リスクへの対応状況に関して、経営が認識する改革の必要性と危機感を共有して監査すると共に、当社グループのガバナンスに関して、社会並びにステークホルダーから、より高度な実効性と積極的な情報開示が求められていることを認識して監査役活動を行うことを方針としました。
監査役は、取締役の職務に関する監査に関して、重要会議に出席し、決議における意思決定のプロセスの確認を重視し、活発な意見交換を行っています。
監査役が各部門及び子会社・関連会社に直接往査及びヒアリングを実施し、現場との対話を重視することにより、経営戦略の浸透度合いや主体的な取組みの確認、現場の課題抽出を行い、役員とも適宜共有することを大切にしています。
往査・ヒアリング開始時に前回の監査結果を再確認し、終了時には、監査役のコメントを指導・要請・アドバイス・優れた取り組みに分けてその場で共有し、各部門の取組みに活かしていくというPDCAによる実効性向上をめざしています。往査・ヒアリングの約7割には、社外監査役も1名以上参加しています。
和歌山工場への往査・ヒアリング状況
当監査役会は、監査役5名(常勤監査役2名、社外監査役3名)で構成され、社内の豊富な執行経験と多様な知見を持つ常勤監査役と、それぞれの専門性(公認会計士、弁護士)且つ他社の役員経験から豊富な知見を有する社外監査役が、監査に関連する情報を適時共有し、さまざまな視点から審議を行っています。
また、2022年1月に、監査役会の直下に「監査役室」(室員5名)を新設し、監査役の職務の補助と共に、室員が子会社の監査役を兼務する体制を開始しました。
監査役につきましては、こちらをご覧ください。
開催回数:9回
監査役出席率:全員100%
開催時間:平均2時間14分
決議事項:17件 監査方針・分担・重点監査項目、年間計画、監査報告書、内部統制関連、会計監査人関連(報酬同意・再任審議・非保証業務など)、監査役の選任・報酬関連、実効性評価など
検討事項:38件 監査所見、当社グループのガバナンス(実効性並びに監査役体制、今後のガバナンスの方向性)、内部統制に関する注視案件、会計監査人の非保証業務、代表取締役・社外取締役との意見交換など
監査役会の実効性評価:毎年1回実施しており、重点監査項目を中心に評価項目を決定し、各監査役が評価した後、監査役会で議論した結果、全体として2022年度は、「有効に機能している」という評価に至りました。
今後、より多様性をめざした監査役会のスキルマトリクスの議論を深めていきたいと考えております。
重点監査項目 | 監査方法及び取り組み | 活動実績及び実効性評価 | 監査分担 | |
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常勤 | 社外 | |||
取締役の職務の執行状況 | 取締役会に出席して審議・決議状況を確認、必要な場合は意見を述べる | 各監査役が100%出席。積極的に意見を述べた。 | 〇 | 〇 |
経営会議等重要会議に出席して意思決定プロセスを確認、 | 必要に応じて説明を求め適時意見を述べる100%出席。意思決定プロセスを確認、 | 検討すべき事項について意見を述べた。〇 | - | |
役員と監査役との意見交換 | 花王代表取締役(5回) 社外取締役(2回) 役付執行役員(6回) 重要子会社の代表取締役(3回) 経営課題や今後のガバナンス等に関して、 率直な意見交換により、認識の共有が進んだ。 |
〇 | 〇 | |
各事業場・各部門・国内外の子会社・関連会社への往査及びヒアリング (往査・ヒアリング時に、内部統制等の重点監査項目も確認) |
計114回 | 〇 | 〇 | |
選任審査委員会、報酬諮問委員会 | 計11回 | - | 〇 | |
グループガバナンスの実効性 | 〇 | 随時 | ||
意見交換:計21回、取締役会での報告:2回 | 〇 | 〇 | ||
内部統制の整備並びに運用状況 | 各事業場・各部門・国内外の子会社・関連会社への往査及びヒアリング | 各部門での自己点検や外部監査結果、内部統制システムの運用状況を確認。 | 〇 | 随時 |
四半期又は半期ごとに実施 自主点検やモニタリングが定着し、課題に対する改善を確認した。 内部通報内容及び対応状況の適時報告を受け、意見を述べた。 |
〇 | 随時 | ||
内部監査部門である経営監査室との情報交換 | 計4回 | 〇 | 随時 | |
内部統制システムの構築と運用状況のチェックリストによる評価 | 概ね有効。 | 〇 | - | |
情報開示 | 情報開示に関する社外からの要請状況を調査し、 | 当社の開示状況や外部評価結果を確認〇 | - |
経営監査室は、社長執行役員の直轄組織として、独立的・客観的立場で、花王およびグループ会社の経営活動全般について、法令遵守、財務報告の適正性、業務の有効性・効率性の視点から内部監査を行ない、内部統制の有効性について合理的な保証を与えるとともに、改善提案を通して内部統制の充実を図っています。また、経営会議および取締役会に定期的に内部監査活動結果を報告しています。
子会社管理に関しては、子会社が花王に対し事前承認を求める、または報告すべき事項をグループ会社管理規程(ポリシーマニュアル)に定めています。当該規程に基づき、経営監査室による内部監査での指摘事項と対応策およびその結果について、子会社の役員会で共有することになっております。経営監査室は、定期的および必要の都度、監査役と内部監査活動状況に関して情報交換・意見交換を行なっています。また、財務報告に係る内部統制の整備・評価や内部監査の活動状況について、会計監査人と適宜情報共有を行ない、相互連携に努めております。