一日に何度も洗う手指。なんとなく洗ってしまっていませんか?洗ったつもりでいても、実は効果的にできていないこともあります。特に子どもの場合、親の目が届かないところで一人洗いをする時にも、きちんと手を清潔にできるように、効果的な手洗いの習慣を身につけておくことが重要です。手を洗う時、そして洗い終わった後に気をつけるポイントをご紹介します。
子どもが集団で生活をする様々な場所で菌やウイルスが検出されることが報告されています。例えば、アメリカの論文では託児所の幼児用テーブルや床、おむつ替えの場所、おもちゃ、さらには、保育士や子どもの手から、ウイルスや糞便由来の細菌が検出された報告があります1,2)。また、小学校では、水飲み場や蛇口、コンピューターのマウス、キーボード、生徒の机などからウイルスや菌が検出されたり3)、家庭内では冷蔵庫、キッチンの蛇口、ドアノブや電話の受話器などからウイルスが検出された例があります2)。さらに、家族一人の手にウイルスを付けると、その後に他の家族の手や、家庭内の多くの物からウイルスが検出されたという報告もあります4)。
小さなお子さんは、きちんと洗っているつもりでも洗い残しがあったり、ハンドソープを使わずに手洗いをしてしまうなど、手洗いが効果的にできていないこともあります。
特に指先、親指、手の甲は洗い残しが多いので5,6)、注意して洗うことが重要です。手洗い時間を長くしたり、ハンドソープを使って手を洗うと、手に残るウイルスの数が少ないことも報告されています7)。お子さんも楽しみながら手洗いができる“あわあわ手あらいのうた”は、30秒で効果的に汚れを落とすことができる6つのポーズをするように設計されており、手のすみずみまで洗うことができます※1,2。洗い残しがない方法を身につけましょう。
手洗いミスの発生部位
出典 : 辻 明良(日本環境感染学会監修)病院感染防止マニュアル(2001)
引用 : 厚生労働省「高齢者介護施設における感染対策マニュアル(H25版)」
(出典より一部改変)
もう一つ大切なポイントがあります。手洗いをした後、手を濡れたままにしていませんか?手で物の表面に触れるとき、手が濡れた状態だと乾いた状態よりも、菌やウイルスが手につく割合が多いという報告があります8,9)。手を拭いたつもりでも拭く時間が短いと、手に残る水分量が多くなってしまいます10)。菌やウイルスが手につくのを防ぐため、手を洗ったあとに、しっかりと乾かすようにしましょう。
手をすみずみまで洗う、そしてしっかりと乾かす。この2つを習慣づけて、清潔な手を保ちましょう。
※1 あわあわ手あらいのうた
【参考】花王 あわあわ手あらいのうた CM(YouTube花王公式動画)
※2 6つのポーズ