気持ちよく歯みがき

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歯みがきは、口の中を清潔に保つために大切である一方、歯みがきをするときに飛ぶ飛沫が気になる場面もありそうです。歯みがきでどのくらい飛沫が飛んでいるか、動画でご覧ください。歯みがきのやり方によって、ずいぶんと飛沫の飛び散り方が異なることが分かります。

歯みがき時の飛沫の様子を特殊なカメラで撮影しました。「飛沫の飛び散りが多い歯みがき」と「飛沫の飛び散りが少ない歯みがき」の様子を見てみましょう(動画)。

動画 歯みがき時の飛沫の様子

【実験条件】
同一歯ブラシ(ラウンド加工、毛の硬さ ふつう)を使用し、みがき方やブラッシング時間は指定せずに自由にブラッシングを行った。飛沫の撮影は、新日本空調株式会社 可視化専用クリーンルームにて行い、LED多機能光源(パラレルアイD)および微粒子可視化用超高感度カメラ「アイスコープ」を用いた。
※動画は2倍速再生

歯みがきは、個人差が大きいものの、やり方によってこれほど飛沫の飛ぶ様子が変わることに、驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。どこまで飛沫が飛び散っているかを観測すると、顔が向いている方向を中心に、たくさんの飛沫が50cmくらいまで飛んでいることが分かります。中には約180cm付近まで到達している人もいました(図1)。

図1 飛沫が多く飛びやすいエリア

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【実験条件】
同一歯ブラシ(ラウンド加工、毛の硬さ ふつう)を使用し、歯みがき剤を使用せずブラッシングを行った。飛沫の撮影は、可視化専用クリーンルームにて行い、微粒子可視化用光源「パラレルアイH」および微粒子可視化用超高感度カメラ「アイスコープ」を用いて、床から高さ6.5cmに発生させたレーザーシートに落下してきた飛沫を150×200cmの画角で動画を撮影した。飛沫の計測/解析は、撮影した動画を画像解析ソフトで静止画を作成し、飛沫量(面積率)と飛沫距離を画像解析フリーソフトFijiを用いて算出した。

もし、ご自宅で洗面台から移動してテレビを見ながら歯みがきをしたり、職場で知人の方を向いておしゃべりしながら歯みがきしていた場合、どこまで飛沫で汚してしまうことになるのか想像してみましょう。やはり、洗面台でしっかり前方を向いて歯みがきに専念する方がよさそうです。

飛沫の飛ぶ様子は、歯みがきのやり方によってずいぶんと異なります。飛沫が「飛び散る歯みがき」と「あまり飛び散らない歯みがき」を検証した結果について、解説いたします。

Point.1 歯ブラシの動かし方

飛沫の飛ぶ量は、歯みがきをする時の強さや速さにはほとんど関係なく、歯ブラシを動かす「幅」によって明確な差が出ることが、検証データからも明らかになりました(図2)。一般的にいわれている通り、歯を1本ずつみがくように歯ブラシを小さく動かすことで、飛沫の飛ぶ量が大幅に少なくなることが分かります。歯を1本ずつみがくように歯ブラシを小さく動かすことは、みがき残しを減らすためにもおすすめです。

図2 歯ブラシの動かす幅による飛沫量の違い
(モデル評価)

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【実験条件】
ステンレス製の半円柱で作成した疑似歯モデルの上に疑似唾液(赤色水)を垂らし、歯ブラシ(ラウンド加工毛、毛先の硬さ ふつう)を固定した治具を用いてブラッシングした。ブラッシング条件は、ストロークスピード180mm/sで行い、ストローク幅は「大」が30mm、「小」が15mm。ブラッシング圧は300gで実施した。飛沫量の測定は、白色紙に付着した赤色ドットの面積を画像解析ソフトを用いて算出し、IBM SPSS Statistics ver,22(日本アイ・ビー・エム株式会社)を用いて統計処理を行った。グラフはmean±SE(n=6)、**:p<0.01(t-検定)

Point.2 歯みがき剤の使用

歯みがきをする時に、ペーストタイプの歯みがき剤を適量使うと、飛沫が明らかに飛び散りにくいことが分かりました(図3)。

図3 歯みがき剤の有無による飛沫量の違い
(モデル評価)

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【実験条件】
ステンレス製の半円柱で作成した疑似歯モデルの上に「歯みがき剤なし」として疑似唾液(赤色水)を、「歯みがき剤使用」としてペーストタイプ歯みがき剤を疑似唾液で4倍希釈した混合液を垂らし、歯ブラシ(ラウンド加工毛、毛先の硬さ ふつう)を固定した治具を用いてブラッシングした。ブラッシング条件は、ストロークスピード180mm/s、ブラッシング圧は300g、ストローク幅は30mmで実施した。飛沫量の測定は、白色紙に付着した赤色ドットの面積を画像解析ソフトを用いて算出し、IBM SPSS Statistics ver,22(日本アイ・ビー・エム株式会社)を用いて統計処理を行った。グラフはmean±SE(n=6)、**:p<0.01(t-検定)

増粘剤や発泡剤など配合されていることが多いペーストタイプの歯みがき剤をつけてみがいた時には、口の中で泡が立つなどして、唾液が少し“もったり”した液性になります(粘性が高くなる)。その結果、同じように歯ブラシを動かしても、口の中から唾液が飛び散りにくくなると考えられるのです。

歯みがき後の口すすぎについても同様に考えることができます。口すすぎの2回目以降は、歯みがき剤の濃度が薄くなり粘度が低くなってしまうため、口から出した液が洗面台から飛び散りやすくなります。口すすぎを1回程度にして、必要以上に何度もすすがないことで、不要な飛び散りを防ぐことができるでしょう。(歯みがき剤に含まれているフッ素などの成分を、必要以上に洗い流さないことにもつながります1)

外出先や職場の共有スペース/ご自宅内でも、歯みがき時の不要な飛沫の飛び散りを少なくし、衛生的に保つとよいですね。そもそも口を閉じてみがくことが飛沫を飛ばさない方法なのですが、口を閉じてみがくことに慣れていないと、歯みがきそのものがやりにくくなってしまったり、無意識に口を開けてしまうこともあります。不要な飛沫の飛び散りを、より少なくするためのコツは、次の通りです。

<飛沫の飛び散り低減につながる、歯みがき方法>

  • ・ペーストタイプの歯みがき剤を適量使う
  • ・歯ブラシの動かし方は、歯を1本1本みがくように小さく
  • ・歯みがき後の口すすぎは少なめに(できれば1回程度)
  • ・洗面台などでしっかり前を向いてみがく、歯をみがきながら場所を移動しない

また、この歯みがき方法は、飛沫の飛び散りを少なくするだけでなく、同時に口の中をより清潔にすることができる歯みがき方法でもあります。一石二鳥の歯みがきの仕方を、今日から実践してみましょう。

お子様の仕上げみがきなどにも活用できます

仕上げみがきは、みがく人に飛沫がかかりやすくなりがちです。また、洗面台でみがくことができないこともあります。そのような場合の工夫としても、参考にしてみてください。

歯みがきが終わったあとの、洗面台のお掃除は

周辺をお掃除用のシートや住居用洗剤を使って拭くと、衛生的です。家でのお掃除は、下記も参考にしてみてください。

  • 製品ご使用の際には、製品に表示されている内容をご確認ください。

【参考(引用)文献】

  • 1) 日本口腔衛生学会 フッ化物応用委員会:フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方(2018.03)
    フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方
    statement_20180301.pdf (kokuhoken.or.jp)
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