発表資料: 2022年06月29日

  • ニュースリリース
  • サステナビリティ関連

花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況を公表

~社内炭素価格改定、ESGガバナンス体制の強化、生物多様性の方針の改訂を実施~

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、本日6月29日、ウェブサイトで「花王サステナビリティレポート 2022」を公開し、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)の進捗状況を公表しました。重点取り組みテーマの2021年の実績に加え、「脱炭素」推進に向けた社内炭素価格の18,500円/トン-CO2への引き上げ、ESGガバナンス体制の強化に向けた「ESGステアリングコミッティ」の設置、生物多様性の方針の改訂など、新たな取り組みを開示しています。

花王は約130年にわたり、人々の暮らしに寄り添うことで、こころ豊かな暮らしの実現をめざしてきました。2019年4月には、生活者のニーズが高まっている持続可能な暮らしを「Kirei Lifestyle」とし、それを実現するためのESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を策定。19の重点取り組みテーマを設定しています。また、2021年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」をスタートしています。今後も、経営にESGの視点を導入し、事業の発展と消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでまいります。

画像

花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」

「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況の公表にあたり、取締役 常務執行役員 ESG部門統括のDave Muenz(デイブ・マンツ)は、「より持続可能な社会の実現に向けて、花王のような企業が貢献することに対するステークホルダーからの期待は年々高まっています。長年守り続けてきた、たとえ困難であろうとも人と地球にとって正しいことを実行する、という価値観である『正道を歩む』を原動力に、花王は生活者によい影響をもたらす存在であり続けるため、脱炭素では、2040年にカーボンゼロ、2050年にカーボンネガティブをめざす目標を設定するなど、多くの取り組みを2021年に実施しました。今年に入ってからは、『脱炭素』『プラスチック包装容器』『人権・DEI*1 』および『化学物質管理』を扱う4つの『ESGステアリングコミッティ』を設置し、ESGのガバナンス体制をさらに強化しました。また、パーム油などの自然資本に依存する企業として、サプライチェーン全体のトレーサビリティの確保や、お取引先への第三者監査の実施によるリスク特定のため、新たな調達ガイドラインを公表しました。花王はこれからも協働とパートナーシップを通じ『豊かな共生世界の実現』をめざしていきます」としています。

  • * 1 Diversity・Equity・Inclusion

こうした取り組みが評価され、国際NPOであるCDPが実施している「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」のすべての調査で、最高評価である「Aリスト企業」に2年連続で選定されました。また、米国のシンクタンクEthisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)の「World's Most Ethical Companies®」(世界で最も倫理的な企業)には16年連続で選定されています。

「Kirei Lifestyle」推進に向けた新たな取り組み

「脱炭素」推進に向けた社内炭素価格の18,500円/トン-CO2への引き上げ

CO2排出量を抑制するために2006年から社内炭素価格制度を導入しています。昨年、新「脱炭素」目標を公表し、スコープ1+2*2 のCO2排出量(絶対量)の目標を2030年までに「22%削減」から、「55%削減」(基準年2017年)に改定。その一環として、社内炭素価格を引き上げています。今回、価格を従来の3,500円/トン-CO2から18,500円/トン-CO2*3 に変更したことを公表し、新たな価格のもと、省エネルギーな設備やCO2排出量が少ない設備の導入、再生可能エネルギーの調達を推進していきます。

  • * 2 企業・組織が自ら排出する温室効果ガス量
  • * 3 今後新規に導入する設備は2030年以降も稼働していると想定し、IEA World Energy Outlook2021より2035年における炭素税として花王が想定

ESGガバナンス体制の強化に向けた「ESGステアリングコミッティ」の設置

グローバルの大きな変化に対するレジリエンスを強化すると共に、事業機会の拡大を確実にするため、柔軟で強靭なESGガバナンス体制を構築しています。ガバナンス体制は、取締役会の下、社長執行役員および配下の各組織体で構成されており、ESG戦略に関する活動の方向性を議論、決定し、取締役会に活動状況を報告する「ESGコミッティ」、社外の視点を反映させるため外部有識者で構成される「ESG外部アドバイザリーボード」、ESG戦略を遂行するための「ESG推進会議」、注力テーマについて活動を提案する「ESGタスクフォース」があります。「ESGコミッティ」は経営層、「ESG推進会議」は事業部門、リージョン、機能部門、コーポレート部門の責任者で構成することで、課題について迅速に経営判断を行ない、各部門がESG活動を進めることができます。

2022年4月からは、ESGへの取り組みを確実かつ迅速に実行に移すために、「脱炭素」「プラスチック包装容器」「人権・DEI*1 」「化学物質管理」の4つの重点課題に対し「ESGステアリングコミッティ」を新たに設置しています。役員クラスがオーナーを務め、「ESGコミッティ」と連動し、各部門・グループ会社に提言を行ないます。各部門では、ESGを部門方針、目標、計画に組み込み、実効性のあるガバナンスを構築。グローバルのグループ会社も各部門が運営し、活動内容に応じて適宜グループ会社単位で運営しています。

画像

ESGガバナンス体制

生物多様性の方針の改訂

花王はパーム油や紙・パルプなど多くの生物資源の恩恵を受けて事業を行なっています。2011年に「生物多様性保全の基本方針」を策定し、持続可能な原材料調達や生物多様性保全に貢献する新しい技術の開発等に取り組んできました。現在世界は、自然や生物多様性に対する悪影響を減らすと共に、ポジティブな影響を与える行動を増やし、生物多様性を損失から回復へと反転させることをめざしています。2021年の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で生物多様性に関する目標が見直されたのを機に、既存の方針を改訂し、2022年4月に新たに「生物多様性の基本方針」を策定しました。生物多様性の保全と回復、さらに自然を再生へ導く行動を進め、自然と共生する未来の実現に貢献していきます。

主な重点取り組みテーマ 2021年活動実績

脱炭素

2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブの実現に向け、事業活動におけるCO2排出量削減に加え、社会の排出量削減や、大気中の炭素の固定化を通じ脱炭素社会への貢献をめざします。

2021年5月に2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブをめざす、新たな「脱炭素」目標を公表しました。その達成に向けて設定した中長期目標は、国際的なイニシアチブであるSBTi(Science-based Targetsイニシアチブ)から「1.5℃目標」の認証を取得しており、事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことをめざす国際的なイニシアチブ「RE100」にも加盟しています。また、2022年4月には2021年の「脱炭素」実績も公表しています。

画像

すべての人に Kirei Lifestyleを ― 花王の脱炭素目標

2021年実績

● スコープ1+2*2 CO2排出量(絶対量)を2030年までに55%削減(基準年2017年)※SBTi「1.5℃目標」認定
2021年実績:20% (2020年15%)
● 製品ライフサイクル*4 CO2排出量(絶対量)を2030年までに22%削減(基準年2017年)※SBTi「1.5℃目標」認定
2021年実績:4% (2020年4%)

  • * 4 原材料調達・製造・輸送・使用・廃棄で排出するCO2量(スコープ1、スコープ2、スコープ3の一部)

● 使用電力における再生可能エネルギー化比率を2030年までに100% ※「RE100」加盟
2021年実績:38% (2020年28%)

責任ある原材料調達

資源保護、環境保全や安全、人権などに配慮した原材料を調達するとともに、トレーサビリティの確保に努め、サプライヤーとの対話を通じ、よりサステナブルな原料調達をめざします。

■「調達に関わるサプライチェーンESG推進ガイドライン」を公表
2021年6月に「調達に関わるサプライチェーンESG推進ガイドライン」を公表しました。社会的責任への配慮や環境への配慮を取引先に求めている「調達先ガイドライン」の周知を図り、第三者監査を含めて遵守状況を確認。違反がある場合は、改善指導や取引の中止など、適切に対応していきます。また、花王が調達する原材料の中から、人権・環境の課題が大きなサプライチェーンを「ハイリスクサプライチェーン」として特定。現場での対話を通じてリスクを把握し、課題の本質を見極め、取引先やNGOと解決に向けて取り組み、進捗を公表していきます。

なお、「調達に関わるサプライチェーンESG推進ガイドライン」を含む、「責任ある原材料調達」に関するガイドラインは、2022年6月に、花王の調達がめざす姿が取引先によりわかりやすく伝わるよう再整理しました。従来の「調達基本方針」のもと、「調達先ガイドライン」は「お取引先に求めるパートナーシップ要件」に改訂。要件として新たに、多様性と受容性のある職場環境の構築と製品ライフサイクル全体の脱炭素推進を追加しています。また、「調達に関わるサプライチェーンESG推進ガイドライン」は「お取引先とのESG推進活動」、「原材料調達ガイドライン」は「ハイリスクサプライチェーンからの調達」として改訂し、ウェブサイトに公開しています。

■サステナブルなパーム油の調達

花王の主な原材料のひとつであるパーム油に関しては、サステナブルな調達の実現に向けて、持続可能なパーム油に対する認証(RSPO*5 認証)油の購入とインドネシアの小規模パーム農園の支援を実施しています。RSPO*5 認証油の購入については、2025年までに消費者向けおよび産業用途向けに使用するパーム油を100%RSPO*5 認証油とすることをめざしており、2021年の実績は、27%となっています。また、2020年に開始したインドネシアの小規模パーム農園の支援プログラム「SMILE」(SMallholder Inclusion for better Livelihood & Empowerment program)では、油脂製品製造・販売会社のアピカルグループ、農園(プランテーション)会社のアジアンアグリの2社と共に、パーム油の持続可能なサプライチェーンの構築をめざし、インドネシアの小規模パーム農園の生産性向上、RSPO*5 認証の取得を支援しています。

画像

  • * 5 Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための円卓会議

2021年実績

● 家庭用製品に使用した認証紙製品・パルプの比率 2025年までに100%
2021年実績:96%(2020年:94%)
● 小規模パーム農園までのトレーサビリティの確認 2025年までに完了
2021年実績:油脂サプライヤーが管理する自社農園まで完了(2020年:油脂サプライヤーが管理する自社農園まで完了)

ごみゼロ

「もったいない」の精神で、使い終わった容器包装や製品の役割を変えて最後まで余すことなく使うことで、ごみゼロ社会の実現への貢献をめざしています。

現在花王は、包装容器としてプラスチックを106千トン、うち化石由来のプラスチックを104千トン使用していますが、2030年までに花王が使用する包装容器への化石由来プラスチックの使用量をピークアウト*6 し、2040年には「ごみゼロ」*7 、2050年には「ごみネガティブ」*8 をめざします。また社会全体のプラスチック包装容器の使用量削減へ向けた貢献を最大化し、2030年までに花王および社会が包装容器で使用するプラスチックの削減貢献量*9 を200千トンにすることをめざします。

  • * 6 前年よりも使用量を減らす
  • * 7 花王のプラスチック包装容器使用量と花王がプラスチック再資源化に関与した量(花王の独自技術により価値あるものに変換するポジティブリサイクルをしたプラスチック量+花王が包装容器で使用した再生プラスチック量+花王が社会と共に回収・リサイクル・ペレット化し社会が使用したプラスチック量)が等しい状態
  • * 8 花王のプラスチック包装容器使用量より、花王がプラスチック再資源化に関与した量が多い状態
  • * 9 革新的フィルム容器、つめかえ・つけかえ、濃縮化により削減された量

このようなプラスチック循環社会の実現に向けて、「私たちのプラスチック包装容器宣言」で公表した「リデュース」(減らす)、「リユース」(再利用する)、「リサイクル」(再資源化する)、「リプレイス」(置き換える)の4Rの観点から、「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」に取り組んでいます。

■「リデュース」におけるつめかえ・つけかえの促進
「リデュースイノベーション」のひとつであるつめかえ・つけかえの促進では、日本の花王におけるつめかえ・つけかえ製品の数は380品目(2021年12月時点)に上り、普及率は83%となっています。また、全品が本品容器とした場合と比較して、つめかえ・つけかえ製品によるプラスチック削減量は77.0千トンとなります。製品の濃縮化による効果を加えると139.8千トン、削減率は78.4%となっています。

画像

つめかえ・つけかえ製品のあるカテゴリーのプラスチック使用量と削減量の推移

また、消費者に商品特徴や正しい使用方法を伝達できるメリットがある反面、プラスチック使用量が増え、プラスチックごみや廃棄時のCO2が増大するといった課題があった「プラスチック製アイキャッチシール」について、海外含め花王グループ全体で廃止を達成しています。

画像

■「リサイクル」における他企業・団体と連携した実証実験の推進
2021年は特に「リサイクルイノベーション」において、他企業・団体と連携した多くの実証実験を推進しました。薄いフィルム素材を使用した容器(つめかえパック)やボトル容器の水平リサイクル、化粧品包装容器におけるケミカルリサイクル素材の活用・ケミカルリサイクルの実施といった包装容器を対象とした活動以外に、使用済み紙おむつのリサイクルや、廃PETを使用したアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」を展開しています。

①フィルム容器(つめかえパック)からフィルム容器への水平リサイクル

2020年10月からライオンと協働でイトーヨーカドー曳舟店にて、2021年10月からはウエルシア薬局と実証実験を開始しています。また、同じく2021年10月より、神戸市と小売、日用品メーカー、リサイクラー(再資源化事業者)が協働して日用品の使用済みつめかえパックをリサイクルし、資源循環型社会の実現をめざす「神戸プラスチックネクスト ~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」プロジェクトにも参加しています。

画像

2021年6月から、ユニリーバ・ジャパンと協働で東大和市で実証実験を開始しました。12月からはP&Gジャパン、ライオンが加わり、4社で実施しています。

画像

2021年6月より、化粧品ブランド「トワニー」のボトルを皮切りに化粧品のボトル容器にケミカルリサイクルPET素材の採用を開始。現在期間限定で、使用済みの容器を回収し、ボトル容器からボトル容器への水平リサイクルの実証実験も実施しています。

画像

2021年1月から、京都大学と共に愛媛県西条市の協力のもと、「使用済み紙おむつの炭素化リサイクルシステム」の確立に向けた実証実験を開始しました。使用済み紙おむつを炭素素材へ変換し、CO2排出量削減による環境負荷低減に貢献していきます。2023年までに炭素素材への変換技術を確立し、2025年以降の社会実装を予定しています。

画像

ケミカル事業で展開するアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」は、廃棄されるPET素材をそのまま混ぜ込むのではなく、独自技術によって改質剤に変換し、添加したアスファルト舗装の耐久性を最大で5倍高めることができます。アスファルト舗装が高耐久化することで、路面の損傷が低減し、補修工事に伴うCO2の発生を抑制することが可能です。また、多額の費用をかけずに利用者にとって安心安全な道路を長期間提供することにもつながります。

画像

2021年実績

● <新>包装容器への化石由来のプラスチック使用量 2030年までにピークアウトさせる
2021年実績:104千トン(2020年:116千トン)
● 革新的なフィルム容器の年間普及量(花王+社外) 2030年までに3億個
2021年実績:1,100万個(2020年:700万個)
● プラスチックアイキャッチシール廃止率 2021年までに100%
2021年実績:100%(2020年:73%)
● <新>プラスチック包装容器への再生プラスチックの使用率
※2030年までの目標値は2023年に開示予定
2021年実績:1.3%(2020年:0.4%)
● 回収パウチを使用した革新的フィルム容器の実用化 2025年までに上市
2021年実績:開発継続(2020年:開発継続)
● <新>PET容器への再生プラスチックの使用率(日本) 2025年までに100%
2021年実績:19%(2020年:0%)
● <新>花王の拠点(生産拠点から開始)から排出された廃棄物量に占めるリサイクルされない廃棄物量の比率 2030年までにゼロ(1%未満)
2021年実績:9.1%
● <新>製品廃棄物・販促物廃棄物の削減率 2030年までに95% (基準年2020年)
2021年実績:14%

※<新>は、新たに追加した目標、指標や目標値の変更を含む

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

Page Top