参考資料: 2022年02月24日

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花王と京都大学の「使用済み紙おむつの炭素化リサイクルシステム」
実証実験の進捗について

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、国立大学法人京都大学(総長:湊 長博)と共に、2021年1月から、愛媛県西条市の協力のもと「使用済み紙おむつの炭素化リサイクルシステム」の確立に向けた実証実験を進めており、2023年までに炭素素材への変換技術を確立し、2025年以降の社会実装を予定しています。現在の進捗を報告します。

概要

目的

●使用済み紙おむつの、「炭素化装置」の開発
・ 少ないエネルギーインプット(低温反応)で、効率的に炭素化
・ 炭素化に伴い体積が減り、殺菌・消臭されるため衛生面の問題も解決
・ 体積が減るため、回収頻度を減らすことが可能
●炭素化した使用済み紙おむつの、炭素素材への変換
の2点を実現し、CO2排出量削減による環境負荷低減への貢献をめざしています。

使用済み紙おむつが燃やされる際にはCO2が発生しますが、炭素化の場合は炭化物に炭素が固定化されるため、発生するCO2を削減することができ、環境負荷低減につながります。

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目標

2023年まで 炭素素材への変換技術の確立
2025年以降 リサイクルシステムの社会実装(『炭素化装置』の設置拠点・回収方法などインフラの検討)

進捗

「炭素化装置」の開発

●基礎実験として紙おむつで使用される各素材の炭素化について研究を進めました。花王・京都大学において、炭化物の解析を進め、炭素を高収率で固定できることを確認しました。
●上記研究の結果をもとに、花王において、介護施設等で利用実績がある既存のおむつ処理装置ならびに生ごみの炭化装置をベースに、新たな「炭素化装置」の開発を進めました。
●2021年11月に、西条市の保育施設に、新たに開発した「炭素化装置」を設置しました。

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開発した「炭素化装置」と使用済み紙おむつを入れる様子

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炭素化した使用済み紙おむつ

保育施設での炭素化装置の使用面での課題確認

●新たに設置した「炭素化装置」では、約1カ月間、発生するごみの量、保育士の作業量などを確認しました。
●使用済み紙おむつの発生量は、平均で1日7kg程度となりました。装置は1日に1回使用し、炭素化した使用済み紙おむつは装置内に蓄積され、概ね月1回の回収が適切という結果となりました。保育士は、1日分の使用済みおむつをまとめて「炭素化装置」に入れて作動、月1回炭素化した紙おむつを回収することになります。
●リサイクルシステムに加えて、保育施設でのおむつ提供による保護者・保育士の負担軽減を検証するために、8月から11月まで、実証実験を実施する保育施設にベビー用紙おむつ「メリーズ」を提供しました。保護者からは「毎日のおむつ準備が不要で助かった」、保育士からは「急いでいる時に手間が省けた」など、共に負担の軽減を確認することができました。

今後の展開

西条市の保育施設に設置した「炭素化装置」より、炭素化した使用済み紙おむつを回収し、花王・京都大学にて炭素素材へ変換する研究を進め、2023年までに変換技術の確立を目指します。また、西条市内での資源化循環システムの構築も検討していきます。引き続き、2025年以降のリサイクルシステムの社会実装に向けて、「炭素化装置」の設置拠点・回収方法などインフラの検討を進めます。

花王は、経営にESGの視点を導入することで、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざしていきます。そして、豊かな共生世界の実現に向けて取り組んでまいります。

花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」とプラスチック循環社会に向けた取り組み

花王は、毎日の暮らしの中で使用する製品を提供する企業の責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。2019年4月にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。花王がこれまでの企業活動の中で培ってきた「よきモノづくり」の思想を「ESG視点でのよきモノづくり」へと高め、環境や社会に配慮した取り組みを強化しています。

社会的課題のひとつであるプラスチックごみ問題に対しては、2018年に公表した「私たちのプラスチック包装容器宣言」において、リデュース(減らす)、リプレイス(置き換える)、リユース(再利用する)、リサイクル(再資源化する)の4Rの観点から、包装容器に使用されるプラスチック資源の削減に努めていくことを提示。包装容器の薄肉化、製品の大容量化、内容物の濃縮化、つめかえ用の包装容器で使われている薄いフィルム素材を本品容器として使うことで、プラスチック使用量を大幅に削減する「プラスチックボトルレス化」などの「リデュース」、つめかえ・つけかえの促進による「リユース」、リサイクルしやすい包装容器を開発する「リサイクル」に加え、石油由来のプラスチックから持続可能な原料へ転換を図る「リプレイス」を推進しています。

2019年9月には、「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」に基づくさまざまなアプローチを通じて、プラスチック循環社会の実現をめざすことを発表。「リサイクルイノベーション」では、他企業・団体と連携し、プラスチック包装容器の水平リサイクルに取り組んでいます。リサイクルがむずかしいとされる複数素材のフィルム容器のリサイクルをはじめ、フィルム容器を単一素材で作成した場合のリサイクルや単一素材のボトル容器のリサイクルを検証。また、包装容器以外にも、使用済み紙おむつのリサイクルを検討するなど、多くの実証実験を実施しています。

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※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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