クロロゲン酸(コーヒーポリフェノール)の動物に対する単回摂取による血圧低下効果を検証しました。評価群は自然発症高血圧ラット(SHR)を6匹ずつ、4群調整し、生理食塩水のみの「コントロール群」、クロロゲン酸は豊富でHHQを含まない「生コーヒー豆抽出液群」、クロロゲン酸は豊富だがHHQも含まれる(3ppm)「焙煎コーヒー豆抽出液群」、クロロゲン酸は豊富だがほとんどHHQが含まれない(0.003ppm)「焙煎コーヒー豆抽出液HHQ低減群」として、摂取12時間後の収縮期血圧を測定しました。
その結果、「コントロール群」と比べて「生コーヒー豆抽出液群」は著しく収縮期血圧の低下効果が観察されました。しかし、生コーヒー豆抽出液と同等のクロロゲン酸を摂取したにもかかわらず「焙煎コーヒー豆抽出液群」の血圧低下効果はほとんど認められませんでした。一方、焙煎コーヒー豆抽出液ではありますがHHQの除去処理を行うことで「焙煎コーヒー豆抽出液HHQ低減群」は「生コーヒー豆抽出液群」と同等の血圧低下効果が観察されました。このことからクロロゲン酸には血圧低下効果はあるが、焙煎によるHHQの生成によって血圧低下効果が阻害されることが示唆されました。
正常高値以上の血圧(収縮期血圧130-159mmHg、拡張期血圧85-99mmHg)の男女の被験者100名に対して各試験飲料を毎日1本(184mL)12週間継続飲用してもらい、血圧の測定を行いました。「コントロール群」は、飲料1本当たりクロロゲン酸類0mg、HHQ 0.02mgで51名の被験者。「クロロゲン酸類群」は、飲料1本当たりクロロゲン酸類299mg、HHQ 0.05mgで49名の被験者。
その結果、12週間の継続飲用によりクロロゲン酸類群はコントロール群に比べて有意に血圧が低下することが明らかになりました。