ヨーロッパ連合(EU)では、欧州食品安全機関(EFSA)が、2009年11月に、3-MCPD脂肪酸エステルおよび関連エステルの知識データベースの作成を開始しました。分析方法研究や生物解析(Bioavailability)研究など以下のような10項目の研究分野における情報を収集しています*1 。
研究分野1: 3-MCPD脂肪酸エステル分析方法
研究分野2: 3-MCPD脂肪酸エステルの食品での生成について
研究分野3: 3-MCPD脂肪酸エステル食品における生体利用能
研究分野4: 3-MCPD脂肪酸エステル暴露評価
研究分野5: 3-MCPD脂肪酸エステル生成機構
研究分野6: 3-MCPD脂肪酸エステル低減方法
研究分野7: 3-MCPD脂肪酸エステル毒性動態
研究分野8: 3-MCPD脂肪酸エステル毒性評価
研究分野9: 3-MCPD脂肪酸エステルに関する国際的な活動
研究分野10: グリシドール脂肪酸エステル
EFSAにおける3-MCPD脂肪酸エステルおよび関連エステルの知識データベースの活動には世界中のいかなる研究機関もエントリーが可能となっています。
また、米国ではアメリカ油化学会(AOCS; American Oil Chemists’ Society)において、2009年12月に、第1回の3-MCPD脂肪酸エステルおよびグリシドール脂肪酸エステルの油脂中の分析方法に関する専門家会議が開催され、とくに対象物質の直接分析法についての議論がなされました*2 。
第5回CODEX食品汚染物質部会(2011年3月21日~25日、オランダ)では、3-MCPDエステルに加え、グリシドール脂肪酸エステルを優先リストに加えることが合意され、ドイツ、米国、カナダで調査・研究が始まりました*3 。