発表資料: 2023年05月26日

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花王、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況を公表

3つのコミットメントの実績、事業と生物多様性の関連性の分析、
社員エンゲージメント調査の結果を踏まえた目標に対する実績を開示

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、本日5月26日、ウェブサイトで「花王サステナビリティレポート 2023」を公開し、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)の進捗状況を公表しました。2022年の活動実績に加え、「Kirei Lifestyle Plan」の3つのコミットメントの実績や、事業と生物多様性の関連性の分析、社員エンゲージメント調査の結果を踏まえた目標に対する実績についても開示しています。主な重点取り組みテーマの、2022年の活動実績を報告します。

花王は約130年にわたり、人々の暮らしに寄り添うことで、こころ豊かな暮らしの実現をめざしてきました。2019年4月には、生活者のニーズが高まっている持続可能な暮らしを「Kirei Lifestyle」とし、それを実現するためのESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を策定。19の重点取り組みテーマを設定しています。また、2021年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」を推進。経営にESGの視点を導入し、事業の発展と消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでいます。

「Kirei Lifestyle Plan」の進捗状況の公表にあたり、取締役 常務執行役員 ESG部門統括のDave Muenz(デイブ・マンツ)は、「世界情勢の急速な変化と複雑化にともない、新たな課題が生じています。このような状況下で、ESG戦略『Kirei Lifestyle Plan』を推進し、事業の発展とリスクの最小化を図りながら、花王が豊かなサステナブル社会の実現に貢献することが、ますます重要になっています。2022年は、『未来のいのちを守る~Sustainability as the only path』をビジョンに掲げた中期経営計画『K25』の取り組みを加速しました。『花王サステナビリティレポート2023』では、『Kirei Lifestyle Plan』の2030年に向けた3つのコミットメントの進捗を報告しています。例えば、花王の独自技術と重要なパートナーシップにより、タイの未来のいのちを守る『ビオレガード モスブロックセラム』を発売しました。そして、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)*1 が提唱する分析手法であるLEAPアプローチ*2 にて事業と生物多様性の関わりを分析して重要課題の特定を行い、自然に対する悪影響を減らし、生物多様性の損失を再生させることをめざしています。また、パーム油のサプライチェーンでの取り組みでは、人権や環境などの課題を抱えている人の声を拾いあげるために、インドネシアの小規模パーム農園を対象としたグリーバンスメカニズムを立ち上げました。花王は、ビジネスパートナーや地域社会とともに、『豊かな共生世界の実現』に向けた取り組みを推進してまいります」としています。

  • * 1 Taskforce on Nature-related Financial Disclosure。2021年に正式発足し、自然資本等に関する企業のリスク管理と開示枠組みを構築
  • * 2 Locate(優先地域の特定)、Evaluate(依存と影響の把握)、Assess(リスクと機会の特定と評価)、Prepare(戦略と目標設定と評価、報告)の順に分析

こうした取り組みが評価され、国際NPOであるCDPが実施している「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」のすべての調査で、最高評価である「Aリスト企業」に3年連続で選定されました。花王は、スコアリング対象となった10,000社以上のうち、トリプル「A」を達成した12社のうちの1社となりました。また、米国のシンクタンクEthisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)の「World’s Most Ethical Companies®」(世界で最も倫理的な企業)には17年連続で選定されています。

「Kirei Lifestyle」推進に向けた新たな取り組み

3つのコミットメントの2022年実績を公表

ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」は、「Kirei Lifestyle」の実現に向けたビジョン、コミットメント、19の重点取り組みテーマ(アクション)で構成されています。コミットメントは2030年に向けて「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」の3つが設定されており、このたび「花王サステナビリティレポート2023」のなかで、各目標の実績を初めて公表しました。3つのコミットメントの実現を通して、人々のこころ豊かな暮らしの実現をめざしていきます。

花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」

2022年実績

2030年に向けた
花王のコミットメント
指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2022年実績
快適な暮らしを
自分らしく送るために
より清潔で、健康に、安心して年齢を重ね、自分らしく生きられるように、
よりこころ豊かな暮らしに貢献した人数
10億人 2030年 4.9億人
思いやりのある選択を
社会のために
より活力と思いやりのある社会の実現のために、小さくても意味のある
選択を生活者ができるように提案したブランド比率
100% 2030年 63%
よりすこやかな
地球のために
全ライフサイクルにおいて、科学的に地球が許容できる範囲内の環境
フットプリントである製品比率
100% 2030年 12%

TNFDのLEAPアプローチによる、事業と生物多様性の関連性の分析を実施

花王はパーム油や紙・パルプなど、多くの天然資源の恩恵を受けて事業を行っています。2011年に「生物多様性保全の基本方針」を策定し、持続可能な原材料調達や、生物多様性保全に貢献する技術開発等に取り組んできました。昨年、自然や生物多様性に対する依存や影響を減らすとともに、ポジティブな影響を与える行動を増やすことで生物多様性を損失から回復へと反転させることをめざし、本方針を改訂しています。

花王は、昨今の情報開示の流れにいち早く対応するために、2022年4月よりTNFDフォーラムに参加して情報収集するとともに、開発中の情報開示フレームワークに対するフィードバックを行っています。「花王サステナビリティレポート2023」では、TNFDのLEAP アプローチに準じて、花王の主力製品である洗浄剤について、事業と生物多様性の関わりについて分析した結果を公開しています。サプライチェーンの上流、直接操業、下流それぞれで重要課題を特定し、リスクと機会の特定とその対応を検討しました。

また、アクセンチュア株式会社と共同で生物多様性と事業の関係を特定することに加え、今後の自然の状態や経済、日用品における市場の変化を考慮したシナリオ分析を検討しました。分析内容は、2023年4月に「生物多様性がもたらすビジネスリスクと機会 –TNFD評価 地域特性を踏まえたケーススタディ–」として公開しています。

社員エンゲージメント調査の結果を踏まえた目標に対する2022年実績を公表

「Kirei Lifestyle」の実現に向けて、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」で掲げる3つのコミットメント、「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」の実行を支える基盤に、「正道を歩む」があります。「正道を歩む」を推進するにあたっては、7つの重点取り組みテーマを設定。社員一人ひとりが常に、誠実で清廉な事業活動を行うことで、世界の人々のこころ豊かな暮らしを支えていくことをめざしています。7つの重点取り組みテーマの中で、「受容性と多様性のある職場」「社員の健康増進と安全」「人財開発」においては、社員エンゲージメント調査の回答率を、中長期目標の指標にしています。

2022年には、4年ぶりとなる社員エンゲージメント調査を日本の花王グループ企業を対象として実施しました。花王にとって最大の資産は人であり、中期経営計画「K25」の方針のひとつに「社員活力の最大化」を掲げています。その実現に向けて、花王が重視する「挑戦」「連携」「対話」「働きがい・やりがい」に関する項目を新たに設定しました。新たな調査を活用しながら、人財開発施策や職場環境の改善、社員の働く意欲の向上などに取り組んでいきます。

2022年実績

重点取り組みテーマ 指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2022年実績
受容性と多様性のある
職場
社員エンゲージメント調査における「Inclusiveな組織
風土」に関する設問の肯定的回答率
75% 2030年 69%(日本)
社員の健康増進と安全 社員エンゲージメント調査における「GENKI率」に関
する設問の肯定的回答率
85% 2030年 77%(日本)
人財開発 社員エンゲージメント調査における「挑戦を推奨する
組織風土」に関する設問の肯定的回答率
75% 2030年 79%(日本)
社員エンゲージメント調査における「効率的で柔軟な
働き方」に関する設問の肯定的回答率
75% 2030年 74%(日本)

主な重点取り組みテーマ 2022年活動実績

脱炭素

2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブの実現に向け、事業活動におけるCO2排出量削減に加え、社会の排出量削減や、大気の炭素の固定化を通じ脱炭素社会への貢献をめざします。

花王は、2021年5月に2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブをめざす、「脱炭素」目標を公表しました。その達成に向けて設定した中長期目標は、国際的なイニシアチブであるSBTi(Science-based Targetsイニシアチブ)から「1.5℃目標」の認証を取得しており、事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことをめざす国際的なイニシアチブ「RE100」にも加盟しています。2022年には、2021年に設定価格を3,500円/トン-CO2から168ドル*3 /トン-CO2に引き上げた社内炭素価格の活用、「原材料調達」「使用」などCO2排出量が多いスコープ3*4 におけるCO2削減に貢献する製品の展開と中長期的な新たな取り組み等を推進しています。詳細は、2023年4月に公表した、2022年の「脱炭素」実績ニュースリリースをご覧下さい。

  • * 3 2023年2月より基準通貨を日本円から米ドルに変更
  • * 4 企業・組織以外が排出する温室効果ガス量

2022年実績

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2022年実績(前年)
ライフサイクルCO2排出量(絶対量)削減率(基準年2017年) 22% 2030年 6%(4%)
スコープ1+2 CO2排出量(絶対量)削減率(基準年2017年) 55% 2030年 26%(20%)
使用電力における再生可能電力の比率 100% 2030年 49%(40%)

ごみゼロ

「もったいないを、ほっとけない」の精神で、使い終わった容器包装や製品の役割を変えて最後まで余すことなく使うことで、ごみゼロ社会の実現への貢献をめざしています。

花王は、資源循環型社会の実現に向け、昨年発行した「花王サステナビリティレポート2022」において、事業活動に伴い使用・排出されるプラスチック包装容器に関し、2040年までに「ごみゼロ」*5 、2050年までに「ごみネガティブ」*6 の「ごみゼロ」目標を公表しています。

2022年は、包装容器として使用しているプラスチック91千トンのうち、化石由来のプラスチック使用量は88千トンとなりました。また、つめかえ・つけかえの促進、内容物の濃縮化といった技術を通して、2030年までに、花王および社会が使用する包装容器のプラスチック使用量の200千トン削減をめざしており、2022年実績では144千トンを削減しています。詳細は、2023年5月に公表した2022年の「ごみゼロ」実績ニュースリリースをご覧下さい。

  • * 5 花王のプラスチック包装容器使用量と花王がプラスチック再資源化に関与した量(花王の独自技術により価値あるものに変換するポジティブリサイクルをしたプラスチック量+花王が包装容器で使用した再生プラスチック量+花王が社会と共に回収し、社会が使用したプラスチック量)が等しい状態
  • * 6 花王のプラスチック包装容器使用量より、花王がプラスチック再資源化に関与した量が多い状態

2022年実績

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2022年実績(前年)
包装容器への化石由来のプラスチック使用量 ピークアウトさせる 2030年 88千トン(前年度実績は再集計中)
革新的なフィルム容器の年間普及量(花王+社外) 3億個 2030年 13百万個(11百万個)
花王が関与したプラスチック再資源化率 50% 2030年 3%(1%)
回収パウチを使用した革新的フィルム容器の実用化 上市 2025年 開発継続(開発継続)
PET容器への再生プラスチックの使用率(日本) 100% 2025年 69%(19%)
花王の拠点(生産拠点から開始)から排出された廃棄物量に占める
リサイクルされない廃棄物量の比率
ゼロ(1%未満) 2030年 4.2%(9.1%)
製品廃棄物・販促物廃棄物の削減率(基準年:2020年) 95% 2030年 20%(14%)

責任ある原材料調達

資源保護、環境保全や安全、人権などに配慮した原材料を調達するとともに、トレーサビリティの確保に努め、サプライヤーとの対話を通じ、よりサステナブルな原料調達をめざします。

花王の主な原材料のひとつであるパーム油に関しては、サステナブルな調達の実現に向けて、持続可能なパーム油に対する認証(RSPO*7 認証)油の購入とインドネシアの小規模パーム農園の支援を実施しています。RSPO認証油の購入については、2025年までに消費者向けおよび産業用途向けに使用するパーム油を100%RSPO認証油とすることをめざしており、2022年の実績は34%となっています。

  • * 7 Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための円卓会議

2020年に開始したインドネシアの小規模パーム農園の支援プログラム「SMILE」(SMallholder Inclusion for better Livelihood & Empowerment program)では、油脂製品製造・販売会社のアピカルグループ、農園(プランテーション)会社のアジアンアグリの2社と共に、パーム油の持続可能なサプライチェーンの構築をめざし、インドネシアの小規模パーム農園の生産性向上、RSPO認証の取得を支援しています。2020年から開始したフェーズ1では、スマトラ島の628農園を対象に、農地管理、労働安全、火災管理、RSPO認証取得などに関する教育を実施しました。その結果、2022年には390農園がRSPO認証を取得し、花王はこの認証を取得した小規模パーム農園の認証クレジットを全量購入しています。小規模パーム農園の認証クレジットは、花王が支払った認証プレミアムを農園が直接受け取ることができるしくみです。また、2022年11月よりフェーズ2として、新たに1,688農園の農園のリスク調査と実態調査を開始しました。また、花王の「アジュバント」*8 の展開については、2022年2月から北スマトラ州で実証実験を実施。結果を踏まえ2023年の6月頃より北スマトラ州・リアウ州・ジャンビ州の約600件の小規模農園への無償配布を開始する予定です。

  • * 8 花王が開発した植物原料由来の高機能の農薬展着剤。農薬散布時に薬剤を濡れ広がるように植物表面に展着させる

また2022年9月より、ビジネスと人権を専門とするNPO法人 経済人コー円卓会議日本委員会(CRT日本委員会)*9 と協働で、花王のサプライチェーンにつながるインドネシアの小規模パーム農園を対象としたグリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)の運用を開始しました。グリーバンスメカニズムにより、農園の苦情や問い合わせを受け付け、「調査」「対応」「解決」「フォローアップ」「報告」まで行い、花王にとって最も重要な自然資本のひとつであるパーム油に対し、社会・環境の面、特に小規模パーム農園の人権における本質的な課題解決に向けて取り組んでいます。

  • * 9 国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の企業における実践に焦点を置き、グローバルなイニシアチブ団体とのパートナーシップのもと、包括的な取り組み支援プログラムを構築

2022年実績

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2022年実績(前年)
家庭用製品に使用した
認証紙製品・パルプの比率
100% 2025年 97%(96%)
小規模パーム農園までの
トレーサビリティ確認
完了 2025年 油脂サプライヤーが管理する自社農園まで完了
(油脂サプライヤーが管理する自社農園まで完了)

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