社内炭素価格のさらなる活用、
スコープ3における中長期視点での新たな取り組みを推進
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、脱炭素社会の実現に向け、CO2の「リデュースイノベーション」と「リサイクルイノベーション」に取り組むことで、事業活動に伴い排出されるCO2を2040年までにゼロ、2050年までにネガティブをめざしています。花王は2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。本取り組みは「脱炭素」に貢献する活動です。2022年の主な実績として、2021年に設定価格を引き上げた社内炭素価格の活用、「原材料調達」「使用」などCO2排出量が多いスコープ3*1 における、CO2削減に貢献する製品の展開と中長期視点での新たな取り組み等を推進しています。2022年の進捗を報告します。
花王の「脱炭素」目標
2022年は引き続き、コーポレートPPA*2 の活用、自家消費用太陽光発電設備の導入、非化石証書*3 等により、電力の再生エネルギー化を進めました。また、2021年に従来の3,500円/トン- CO2から168ドル*4 /トン- CO2に設定価格を引き上げた社内炭素価格制度を活用し、2022年には豊橋工場の温水ヒートポンプ導入(2023年5月完成予定)、鹿島工場の太陽光発電導入(2024年1月完成予定)を採択しています。
日本・海外の使用電力の再生可能エネルギー化比率 | 2022年実績:日本58%、海外38% (2021年 日本51%、海外27%) |
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自家消費用太陽光発電設備の導入拠点(2022年末時点) | 2022年実績:21拠点 (2021年 17拠点) |
花王のライフサイクル各段階で排出されるCO2の割合
ライフサイクル各段階で排出されるCO2の割合は、「原材料調達」と「使用」が大きい点が特徴です。「原材料調達」では原材料削減や再生プラスチックの利用、「使用」では水の使用によるCO2の排出を抑える節水製品の展開、「廃棄・リサイクル」では植物由来などの天然原料の利用、包装容器のプラスチック使用量削減等を引き続き推進しています。
特にCO2排出量が大きい「原材料調達」「使用」段階での取り組みを進めています。2022年には「原材料調達」において、日本におけるPET素材の容器の69%に、再生PETを使用しました。また、「使用」では、すすぎが1回ですむ衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO(ゼロ)」、すすぎ時にすばやく泡切れする食器用洗剤「キュキュット」、手洗いをすることで水使用量を減らすことができる全身洗浄料「ビオレu ザ ボディ 泡タイプ」など、節水によってCO2削減を実現する製品を多く展開しています。
また、中長期視点でのCO2削減に向けても、新たな取り組みをスタートしています。「原材料調達」においては、パーム油の代替原料を市場に供給することを目的として米国に設立されるベンチャー企業へ、サステナブル素材のリーディングカンパニーであるGenomaticaおよびUnileverと共に、創立メンバーとして参画しました。また、「廃棄・リサイクル」では、キャッサバ残渣をバイオマスとして利活用する製造モデルの調査を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として開始しています。
引き続き、2030年の社会実装をめざし、CO2を原料とする技術開発に取り組んでいます。
花王グループは、2021年から、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」を推進しています。経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでまいります。