発表資料: 2023年05月16日

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プラスチック包装容器2040年「ごみゼロ」、
2050年「ごみネガティブ」実現に向けたロードマップを公表

水平リサイクルにより、再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、資源循環型社会の実現に向け、事業活動に伴い使用・排出されるプラスチック包装容器に関し、2040年までに「ごみゼロ」、2050年までに「ごみネガティブ」を目標としています。花王は2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。本取り組みは「ごみゼロ」に貢献する活動です。目標実現に向けたロードマップとともに、2022年の進捗を報告します。

リデュースイノベーションとリサイクルイノベーションで2030年までにプラスチック使用量の50%以上を再資源化する。それに向け、化石由来プラスチック使用量のピークアウト、再生プラスチックの使用拡大、ポジティブリサイクル材料を使用した製品の発売、花王が社会と共に回収し社会が使用できる製品の発売をする。2040年までに花王のプラスチック包装容器使用量と花王がプラスチック再資源化に関与した量が等しい「ごみゼロ」をめざす。それに向け、化石由来プラスチック使用の削減加速、植物由来プラスチック・再生プラスチック使用加速、ポジティブリサイクル材料を使用した製品の普及、花王が社会とともに回収し、社会が使用できるプラスチックの普及を実現していく。2050年までに花王のプラスチック包装容器使用量より花王がプラスチック再資源化に関与した量が多い「ごみネガティブ」をめざす。それに向け、化石由来プラスチック使用ゼロ、植物由来プラスチック・再生プラスチック使用加速、ポジティブリサイクル材料を使用した製品の浸透を行う。

プラスチック包装容器2040年「ごみゼロ」、2050年「ごみネガティブ」実現向けたロードマップ

プラスチック包装容器2040年「ごみゼロ」、2050年「ごみネガティブ」目標

花王では、2018年に公表した「私たちのプラスチック包装容器宣言」において、包装容器のプラスチック使用量の削減とプラスチック再資源化に努めていくことを宣言しています。包装容器の薄肉化、製品の大容量化、内容物の濃縮化、つめかえパックで使われている薄いフィルム素材を本品容器として使うことで、プラスチック使用量を大幅に削減する「プラスチックボトルレス化」などの「リデュース」(減らす)、つめかえ・つけかえの促進による「リユース」(再利用する)、石油由来から持続可能な素材へ転換を図る「リプレイス」(置き換える)、使用済みプラスチック包装容器の再資源化を促進する「リサイクル」(再資源化する)の4Rの観点で活動を推進しています。

また、昨年発行した「花王サステナビリティレポート2022」では、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の重点取り組みテーマである「ごみゼロ」の目標として、事業活動に伴い排出されるプラスチック包装容器に関し、2040年までに「ごみゼロ」、2050年までに「ごみネガティブ」を公表しています。「ごみゼロ」とは、花王のプラスチック包装容器使用量と、花王がプラスチック再資源化に関与した量が等しい状態と定義しています。「ごみネガティブ」は、花王のプラスチック包装容器使用量よりも、花王がプラスチック再資源化に関与した量が多い状態をさします。

目標達成に向けた「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」の推進

「リデュースイノベーション」
包装容器への再生プラスチックおよび植物由来プラスチックの使用を促進し、化石由来プラスチック使用量を2030年までにピークアウト* 、2050年までにゼロにしていきます。

  • * 前年より使用量を減らす

「リサイクルイノベーション」
社会に排出されたプラスチック廃棄物を、花王の製品・サービスとして展開することで再資源化していきます。まずは、花王が関与したプラスチックの再資源化率を、2030年までに50%まで高めていきます。リサイクル推進にあたっては、使用済みのプラスチックを花王の独自技術により価値あるものに変換する(ポジティブリサイクル)、包装容器で再生プラスチックを使用する、花王が社会と共に回収した使用済み包装容器を社会が使用するという、3つのアプローチで取り組みます。

  • 使用済みプラスチックをポジティブリサイクルする
    花王の研究開発によって生まれた技術により、使用済みのプラスチックを価値あるものに変換し、製品・サービスとして展開していきます。2020年12月にケミカル事業が発売したアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」は、廃棄されるPET素材を独自技術によって改質剤に変換し、添加したアスファルト舗装の耐久性を、最大で5倍高めることができます。アスファルト舗装が高耐久化することで、路面の損傷が低減し、補修工事に伴うCO2の発生を抑制することが可能です。
  • 包装容器で再生プラスチックを使用する
    「リデュースイノベーション」において使用を促進する再生プラスチックは、社会に排出されたプラスチック廃棄物からつくられているため、リサイクルにも貢献することになります。日本のPET素材のボトルでは、衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO」、食器用洗剤「キュキュット」、全身洗浄料「ビオレu ザ ボディ」などで再生プラスチックの導入が進み、2022年には69%が再生PETとなっており、2021年の19%と比較して大幅に増加しています。

  • 花王が社会と共に回収した使用済み包装容器を社会が使用する
    花王は自治体や企業等と社会におけるさまざまなステークホルダーと連携し、使用済みプラスチック包装容器の回収スキームの確立とリサイクル技術の開発に取り組んでいます。2020年9月からはライオンと連携し、つめかえパックの水平リサイクルの実現に向けた実証実験を実施。このたび、花王のフィルム容器一括リサイクル技術により使用済みつめかえパックを水平リサイクルし、その再生材料を一部に使用したつめかえパックを、2023年5月29日より花王およびライオンで初めて発売します。花王は、2025年までに回収パウチを使用した革新的フィルム容器の実用化を目標に掲げていますが、今回の製品は数量限定発売のため、製品として継続的に提供できるよう、研究開発を継続していきます。

2022年実績

2022年は、包装容器として使用しているプラスチック91千トンのうち、化石由来のプラスチック使用量は88千トンとなりました。また、つめかえ・つけかえの促進、内容物の濃縮化といった技術を通して、2030年までに、花王および社会が使用する包装容器のプラスチック使用量の200千トン削減をめざしており、2022年実績では144千トンを削減しています。

指標 目標値 目標年 2022年実績(前年)
包装容器への化石由来のプラスチック使用量 ピークアウトさせる 2030年 88千トン(前年度実績
は、再集計中)
革新的なフィルム容器の年間普及量(花王+社外) 3億個 2030年 13百万個(11百万個)
花王が関与したプラスチック再資源化率 50% 2030年 3%(1%)
回収パウチを使用した革新的フィルム容器の実用化 上市 2025年 開発継続(開発継続)
PET容器への再生プラスチックの使用率(日本) 100% 2025年 69%(19%)
花王の拠点(生産拠点から開始)から排出された廃棄物量に占める
リサイクルされない廃棄物量の比率
ゼロ(1%未満) 2030年 4.2%(9.1%)
製品廃棄物・販促物廃棄物の削減率(基準年:2020年) 95% 2030年 20%(14%)

花王グループは、2021年から、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」を推進しています。経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでまいります。

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