発表資料: 2022年08月31日

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花王、インドネシアの小規模パーム農園を対象に
グリーバンスメカニズムの運用を開始

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、2022年9月より、ビジネスと人権を専門とするNPO法人 経済人コー円卓会議日本委員会(CRT日本委員会)*1 と協働で、インドネシアの小規模パーム農園を対象としたグリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)の運用を開始します。グリーバンスメカニズムにより、農園の苦情や問い合わせを受け付け、「調査」「対応」「解決」「フォローアップ」「報告」まで行ない、花王にとって最も重要な自然資本のひとつであるパーム油に対し、社会・環境の面、特に小規模パーム農園の人権における本質的な課題解決に向けて取り組んでいきます。

  • * 1 国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の企業における実践に焦点を置き、グローバルなイニシアチブ団体とのパートナーシップのもと、包括的な取り組み支援プログラムを構築

2022年1月にインドネシア ジャンビ州にて、
「SMILE」で支援する小規模パーム農園の農家が収穫したアブラヤシの果実を確認する様子

花王は、パーム油を最も重要な自然資本のひとつととらえ、持続可能なサプライチェーンの構築をめざしています。2020年10月より、油脂製品製造・販売会社のアピカルグループ(英語名: Apical Group、President: Dato’Yeo How)、農園(プランテーション)会社のアジアンアグリ(英語名: Asian Agri, Managing Director: Kelvin Tio)と共に、花王のサプライチェーンにつながるインドネシアの小規模パーム農園の生産性向上と、持続可能なパーム油に対する認証(RSPO*2 認証)の取得を支援するプログラム「SMILE」(Smallholder Inclusion for Better Livelihood & Empowerment program)を実施しています。このたび、「SMILE」で支援する小規模パーム農園を対象とし、グリーバンスメカニズムの運用を開始します。スマトラ島の約50農園からスタートし、順次対象農園を増やす予定です。また、問い合わせ内容や対応の結果は、花王ウェブサイトで公表していきます。

  • * 2 Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための円卓会議

花王 小規模パーム農園グリーバンスメカニズム

しくみ

① 小規模パーム農園(農家)が、スマートフォンから花王のグリーバンスメカニズムの受付窓口へアクセスし、苦情や問い合わせを入力(小規模パーム農園<農家>は、匿名での提起も可能)
② CRT日本委員会が、問い合わせ内容を含めたシステム上の個人情報を管理し、対応状況の透明性を確保
③ 花王が小規模パーム農園(農家)からの問い合わせに対応。内容により、油脂サプライヤー(アピカルグループ)・プランテーション会社(アジアンアグリ)へ対応を依頼。人権や環境に関する重大案件については、CRT日本委員会、油脂サプライヤー・プランテーション会社と共に対応方法を協議
④ 小規模パーム農園(農家)に改善状況を確認し、経過のフォローアップを実施
⑤ 花王のウェブサイトで問い合わせ内容や対応の結果を半年に一度公表

特長

●パーム油サプライチェーン関係者とNPOが協働で、小規模パーム農園の問い合わせに直接対応し、本質的に課題を解決
パーム油を使用する花王と、ビジネスと人権を専門とするNPOのCRT日本委員会が協働で、油脂サプライヤー・プランテーション会社と共に、小規模パーム農園(農家)の苦情や問い合わせに直接対応。

幅広い受付内容で、課題解決に加え、問題発生の予防や生産性向上、生活環境改善につなげる
人権侵害や土地紛争などの苦情に加え、農園運営に関する身近な内容の問い合わせ(RSPO認証取得、農園での作業時の労働安全、アブラヤシの植え替え時期、肥料の購入方法など)も対象とすることにより、問題発生の予防や小規模パーム農園の生産性向上、ひいては生活環境改善につなげる。

●グリーバンスメカニズムへのアクセスのしやすさを確保
スマートフォンから現地の言語(インドネシア語)で問い合わせ可能なシステムを導入。小規模パーム農園(農家)自身が、いつでも簡単に、パーム油サプライチェーン関係者に直接要望を伝えることができる。対応状況も、小規模パーム農園(農家)へ直接伝えられる。

●小規模パーム農園との直接対話によるアンケート結果を反映した、現場で活用できるしくみ
実際に現場で活用できるしくみにするため、2021年4月から、CRT日本委員会、インドネシアのアブラヤシ農民組合(SPKS)*3 と連携し、スマトラ島の北スマトラ州・リアウ州・ジャンビ州・南スマトラ州でアンケート調査を実施。小規模パーム農園(農家)の抱える課題を把握し、想定される問い合わせを事前に検討。

  • * 3 Serikat Petani Kelapa Sawit。2006年に設立されたインドネシアのアブラヤシ農民組合。現在、インドネシアの7つの地域に8,000の小規模農園とのネットワークを有する。小規模農園のデータ収集、マッピング、農園の組織化、生産性向上に向けたトレーニング、ISPO(インドネシアの持続的なパーム油認証)やRSPOといった認証取得支援などを通じて、持続可能性に配慮したアブラヤシ生産を促進

花王グループは、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定しました。また2021年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」をスタートしています。今回の取り組みは、「Kirei Lifestyle Plan」の重点組みテーマのなかでは「責任ある原材料調達」に貢献するものです。今後も、経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでまいります。

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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