発表資料: 2022年12月13日

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花王、3年連続でCDPから「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」の分野で最高評価を獲得

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、このたび、国際NGOであるCDPが実施し、世界の調査対象企業が回答した「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」対応に関する調査において、すべての分野で最高評価である「Aリスト企業」に選定されました。トリプルA企業は、CDP質問書への回答をもとに評価された10,000社以上の中から、12社選定されています。花王は3年連続での3回目のトリプルA獲得となり、「気候変動」分野は4回目、「フォレスト」分野は3回目、「水セキュリティ」分野は6回目の選定です。

花王グループは、毎日の暮らしの中で使用する製品を提供する企業の責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、2021年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」を推進しています。

今回の「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」分野における「Aリスト企業」選定は、花王のバリューチェーン全体での取り組みが結実したものだと考えています。「脱炭素」の実現に向けては、2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブ達成の目標を策定し、そのロードマップを示しました。国内のすべてのロジスティクス拠点(55カ所)と酒田工場で100%再生エネルギー化を実現するなど、2030年までの使用電力100%再生エネルギー化の達成に向けて取り組みを強化しています。「フォレスト」分野についても、自社のパーム油サプライチェーンの中に存在する課題を認識し、インドネシアの小規模パーム農園を支援するプログラム「SMILE」(Smallholder Inclusion for Better Livelihood & Empowerment program)を推進しています。小規模パーム農園に対し、持続可能な生産と生産性向上に関する教育、RSPO*1 認証取得に向けた支援、安全な作業に関する教育と、ヘルメット・手袋といった安全対策器具の支給や消火器の設置、機能性展着剤「アジュバントシリーズ」*2 の無償提供と使用方法の指導を実施。生産性を高めることによって生産者の生活の向上に貢献し、新規農園開発による森林破壊の抑制にもつなげています。「水セキュリティ」に関しては、花王独自の技術を採用した製品を提供することで、お客さま、ビジネスパートナー、社会といった各ステークホルダーと「いっしょにeco」の取り組みを続け、節水を実現しています。また、持続可能な小規模分散型水循環社会の実現をめざし、小規模分散型水循環システムおよび、水処理自律制御システムの開発を行なうWOTA社と、「水」と「衛生」に関する領域で業務提携も締結しました。これらの活動を推進するうえで鍵となるのは、気候や森林、水に関わるシナリオ分析を実施し、それを最大限に活用することです。リスクと機会を特定した上で、計画と行動を事業戦略に組み込んでいくことが重要だと考えています。

  • * 1 Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための円卓会議
  • * 2 花王が開発した植物原料由来の高機能の農薬展着剤。農薬散布時に薬剤を濡れ広がるように植物表面に展着させる

今回の選定にあたり、取締役 常務執行役員 ESG部門統括のDave Muenz(デイブ・マンツ)は、「3年連続でCDPの『気候変動』『フォレスト』『水セキュリティ』の3つの調査すべてにおいて、『Aリスト企業』に選定されたことを大変よろこばしく思っています。今回の選定により、生活者一人ひとりのサステナブルなライフスタイルの実現に向けて花王が行なっている行動に間違いがないことが再確認できました。気候変動に対しては、確実かつ迅速な行動が社会全体で求められており、花王は、2040年までにカーボンゼロ、2050年までにカーボンネガティブをめざしています。この野心的な目標達成に向けた取り組みを通じて、『Aリスト企業』に選定いただいた期待に応えるべく、これからも努力してまいります」としています。

CDP企業・サプライチェーン担当グローバルディレクターのデクスター・ガルビンは、「今年Aリストに認定された企業の皆さま、おめでとうございます。環境関連情報の開示と透明性は、ネットゼロかつネイチャー・ポジティブである未来に向けた重要な第一歩です。異常気象から前例のない自然の損失まで、世界中で環境への懸念がますます高まっている年において、変革的で喫緊かつ協力を通じた変化の必要性はこれまで以上に重要になっています。2030年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を半減し、森林減少をなくすとともに、同時に水セキュリティを達成する必要があります - 自然(への取り組み)なくして1.5℃への道はありません。CDPが、気候、フォレスト、水への取り組みにおいて、リーダーシップのレベルとされる水準を適格なものに引き上げ続ける中、Aリスト企業、さらにはAリストをめざす企業からも、同様に野心と行動がみられることを期待しています」とコメントしています。

花王グループは今後も、気候変動対応、森林資源、水資源の保全に積極的に取り組むなど、経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでいきます。

CDPについて

CDPは、英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)であり、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。2000年に設立され、現在では130兆米ドル以上の資産を保有する680以上の投資家と協力して、CDPは、資本市場と企業調達を利用して、企業が環境への影響を明らかにし、温室効果ガスの排出削減、水資源の保護、森林の保護を行うよう動機付ける先駆者となってきました。2022年には、世界の時価総額の半分に相当する18,700社以上、1,100以上の都市、州・地域を含む、世界中の約20,000の組織がCDPを通じてデータを開示しています。CDPは、TCFDに完全に準拠し、世界最大の環境データベースを保有しており、CDPのスコアは、ゼロカーボン、持続可能でレジリエント(強靭)な経済に向けた投資や調達の意思決定を推進するために広く利用されています。CDPは、科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)、We Mean Business連合、The Investor Agenda(機関投資家の気候変動対策推進イニシアチブ)、NZAMI(ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ:Net Zero Asset Managers Initiative)の創設メンバーです。

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