これまでに実施されたジアシルグリセロール油のヒト臨床試験、動物等の試験の一覧を表1と表2に示しました。
これまでに実施されたジアシルグリセロール油のヒト臨床試験において、被験者の血液および身体上の検査項目に問題は認められませんでした(表1)。
表1 ヒト臨床試験 論文リスト
文献 | 対象 | 摂取期間 | 試験油の摂取量 |
---|---|---|---|
文献1 | 成人男性:17名 | 単回 | 44g(体重60kg当たり) |
文献2 | 成人男性:13, 10, 17名 | 単回 | 10, 20, 44g |
文献3 | 成人男性:6名 | 単回 | 30g(表面積m2当たり) |
文献4 | 成人女性(オランダ):12名 | 単回 | 摂取エネルギーの11~15% |
文献5 | 成人男性:18名 | 単回 | 10g(体重60kg当たり) |
文献6 | 成人男性:13名 | 単回 | 4240kj食事の内30g |
文献7 | 成人男女:43名(男性36, 女性7) | 単回 | 10g |
文献8 | 成人男女(糖尿病患者):6名(男性1, 女性5) | 単回 | 30g(表面積m2当たり) |
文献9 | 成人男性(ホモ接合型LPL完全欠損患者):1名 | 単回 | 10g(表面積m2当たり) |
文献10 | 成人男性:15名 | 12週間 | 20g(1日当たり) |
文献11 | 成人男女:39名(男性21, 女性18) | 12週間 | 0.5g(1日当たり、体重1kg当たり) |
文献12 | 成人男性:19名 | 16週間 | 10g(1日当たり) |
文献13 | 成人男性:23名 | 16週間 | 10g(1日当たり) |
文献14 | 成人男女(米国):65名(男性25, 女性40) | 24週間 | 総摂取カロリーの15% |
文献15 | 成人男女:109名(男性89, 女性20) | 9か月 | 自由摂取 |
文献16 | 成人男女:60名(男性51, 女性9) | 24か月 | 自由摂取 |
文献17 | 小児男女(7~17歳):11名(男児7, 女児4) | 5か月 | 自由摂取 |
文献18 | 若年女性(約20歳):23名 | 8週間 | 20g(1日当たり) |
文献19 | 成人男女:8名(男性3, 女性5) | 12週間 | 10.6g(1日当たり) |
文献9 | 成人男性(ホモ接合型LPL完全欠損患者):1名 | 3か月 | 20g(1日当たり) |
文献20 | 成人男女(2型糖尿病患者):11名(男性4, 女性7) | 3か月 | 10g(1日当たり) |
文献21 | 成人男女(2型糖尿病患者):8名(男性7, 女性1) | 6か月(3年継続:8名) | 10g(1日当たり) |
文献22 | 成人男女(透析患者):10名(男性7, 女性3) | 3か月 | 自由摂取(9.8g/日) |
ジアシルグリセロール油の安全性評価試験は、医薬品ガイドラインもしくは国際的に受け入れられているガイドラインにしたがって実施されました。これらの試験はGLP(Good Laboratory Practice)※に適合し、花王および外部専門機関において、急性毒性試験*23 、反復投与毒性試験*23~27 、遺伝毒性試験*28 、生殖毒性試験*29,30 、発がん性試験*31 、加熱処理ジアシルグリセロール油の安全性試験*23,24,28 、発がんプロモーション試験*31 、消化器内容物および血清、糞便中の1,2-ジアシルグリセロール量の測定*32 、消化管粘膜細胞、およびヒト大腸由来細胞を用いたプロテインキナーゼC(蛋白質リン酸化酵素、PKC)活性※の測定*33 が実施され、いずれの試験においても、一般の食用油と比較して安全性に問題は認められませんでした(表2)。
これらの動物試験では、ヒトでの摂取量を十分上回る条件にて試験が実施され、ヒトの摂取量に換算すると、平均的に食用油を摂取する量の12.5~48.5倍の高用量に相当します。
特にICHガイドラインにしたがって実施されたマウスの発がん性試験では、ヒトの摂取量に換算すると、平均的に食用油を摂取する量の48.5倍を一生涯与えた結果です。
表2 これまでに実施したジアシルグリセロール油の安全性試験
試験 | 目的 | 試験名 | 試験 基準* |
投与条件 (対 ヒト摂取量) | DAG/加熱 | 後DAG引用文 | 献・資料
---|---|---|---|---|---|---|
急性毒性 | 多量摂取時の 影 | 響ラット単回投 | 与医薬品、 | OECD~15g/kg | (75倍)影響なし/ | 影響なし23/23 |
反復毒性 | 長期間に多量 摂 | 取時の影響ラット亜急性 | (28日)医薬品 | ~3.5g/kg | (17.5倍)影響なし/- | 23/- |
ラット亜急性 | (90日)OECD | ~3.8g/kg | (19倍)- /影響な | し- /24 | ||
イヌ慢性(1年) | FDA | ~2.5g/kg | (12.5倍)影響なし/- | 25/- | ||
ラット発がん | (一生涯)ICH | ~2.6g/kg | (13倍)影響なし/- | 26/- | ||
マウス発がん | (一生涯)ICH | ~9.7g/kg | (48.5倍)影響なし/- | 27/- | ||
遺伝毒性(変 | 異原性)遺伝子への影響 | Ames試験 | 医薬品 | - | 陰性/陰性 | 28/28 |
染色体異常試 | 験医薬品 | - | 陰性/陰性 | 28/28 | ||
小核試験 | 台湾/医 | 薬品(~2g/kg) | (10倍)陰性/陰性 | 28/28 | ||
生殖毒性 | 奇形誘発 | 催奇形性 | ICH | ~4.6g/kg | (23倍)影響なし/- | 29/- |
生殖機能 | 二世代生殖毒 | 性FDA | ~4.6g/kg | (23倍)影響なし/- | 30/- | |
発がん修飾 | 発がん促進 | 中期多臓器発 | がん試験医薬品 | ~2.9g/kg | (14.5倍)影響なし/- | 31/- |
* OECD:経済協力開発機構テストガイドライン
ICH:日・米・EU三極医薬品規制ハーモナイゼーション国際会議に基づき策定されたガイドライン
FDA:US Food and Drug Administrationガイドライン
医薬品:医薬品ガイドライン
これらの安全性試験は、GLP※に適合して実施しております。
より詳細な結果は、引用文献・資料*23 をご覧下さい。