行政トピックス

『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き』の
別冊『罹患後症状のマネジメント(第1版)』が公開されました

厚生労働省は、『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き』の別冊『罹患後症状のマネジメント』の暫定版を2021年12月に公表していましたが、改訂を行い、2022年4月に第1版を新たに公表(6月に追加改訂)しました。改訂の経緯やポイント、罹患後症状へのアプローチ方法をどう説明しているか、などをご紹介します。なお、今後も随時、最新の医学的・科学的知見を取り入れ、改訂を継続する予定です。

最新の知見や経験を反映し、アップデート

 『罹患後症状のマネジメント』は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関して、医療従事者の診療ケアの一助となることを目的に専門家の知見をまとめた『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き』の別冊として発行されました。罹患後症状にフォーカスを当て、症状を訴える患者に必要なアプローチ・フォローアップ方法を解説しています。2021年12月に暫定版が発行された後、研究が進み明らかになった医学的・科学的知見や医療現場での経験・見識を盛り込み、発行されたのが今回の第1版です。
 罹患後症状は、COVID-19に罹患した一部の患者で見られ、代表的な罹患後症状として、疲労感・倦怠感や嗅覚・味覚障害などが報告されています。感染性が消失したにもかかわらず、新たな症状が生じたり、療養中にみられた症状が再び続いたりするなど、さまざまな症状に長期間悩まされる人がいることが確認されています(図1)。

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罹患後症状へのケアをさまざまな視点から解説

 『罹患後症状のマネジメント(第1版)』では、各症状別(呼吸器、循環器、嗅覚・味覚、神経、精神、痛み、皮膚)と小児へのアプローチ・フォローアップ方法を解説しています。罹患後症状の一つである嗅覚・味覚症状のアプローチ方法では、「COVID-19と診断後2週間以上経過しても症状が続く場合は、近くの耳鼻咽頭科を紹介する」「嗅覚・味覚症状以外の症状がある場合は脳神経内科を紹介する」など診療の順序をフローチャートで紹介。また、症状の特徴や専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミングなどもあわせて解説しています。
 さらに、罹患後症状にみられる息切れや筋力低下に対するリハビリテーションとして、呼吸練習や上半身のストレッチ、下肢筋力練習などの具体的な指導内容も記載。また、産業医学的な観点から、主に職場復帰支援に関するアプローチについて、具体的な事例とあわせて解説しています。

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