発表資料: 2024年04月22日

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2040年「ごみゼロ」、2050年「ごみネガティブ」実現への活動を加速

水平リサイクルにより、再生材料を一部に使用したつめかえパックを初製品化

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は資源循環型社会の実現に向け、事業活動に伴い使用・排出されるプラスチック包装容器に関し、プラスチックの使用量を最大限削減した上で、社会に排出されたプラスチック廃棄物を使って製品・サービスを展開することで、2040年までに「ごみゼロ」、2050年までに「ごみネガティブ」*1 を目標としています。花王は2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。本取り組みは「ごみゼロ」に貢献する活動です。2023年の主な実績として、水平リサイクルにより、再生材料を一部に使用したつめかえパックを初めて製品化しています。2023年の進捗を報告します。

  • * 1 「ごみゼロ」は、花王のプラスチック包装容器使用量と、花王がプラスチック再資源化に関与した量が等しい状態、「ごみネガティブ」は、花王のプラスチック包装容器使用量よりも、花王がプラスチック再資源化に関与した量が多い状態と定義

リデュースイノベーションとリサイクルイノベーションで2030年までにプラスチック使用量の50%以上を再資源化する。それに向け、化石由来プラスチック使用量のピークアウト、再生プラスチックの使用拡大、ポジティブリサイクル材料を使用した製品の発売、花王が社会と共に回収し社会が使用できる製品の発売をする。 2040年までに花王のプラスチック包装容器使用量と花王がプラスチック再資源化に関与した量が等しい「ごみゼロ」をめざす。それに向け、化石由来プラスチック使用の削減加速、植物由来プラスチック・再生プラスチック使用加速、ポジティブリサイクル材料を使用した製品の普及、花王が社会とともに回収し、社会が使用できるプラスチックの普及を実現していく。 2050年までに花王のプラスチック包装容器使用量より花王がプラスチック再資源化に関与した量が多い「ごみネガティブ」をめざす。それに向け、化石由来プラスチック使用ゼロ、植物由来プラスチック・再生プラスチック使用加速、ポジティブリサイクル材料を使用した製品の浸透を行う。

プラスチック包装容器2040年「ごみゼロ」、2050年「ごみネガティブ」実現に向けたロードマップ

目標達成に向けた「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」の推進

「リデュースイノベーション」

プラスチック使用量を削減した包装容器の開発や、再生プラスチックおよび植物由来プラスチックの使用を促進することで、化石由来プラスチック使用量を2030年までにピークアウト*2 、2050年までにゼロにしていきます。

  • * 2 前年より使用量を減らす

2023年には、洗たく機にそのまま入れるだけで使えるスティック形状の衣料用洗剤「アタック ZERO パーフェクトスティック」を8月に発売しました。固いプラスチックの本体容器を使用せず、パウチ包装の仕様にすることで、プラスチック使用量(洗たく1回当たり)を削減しました*3 。また、9月には食器用洗剤「キュキュット」で、ボトルの肉厚を薄くすることでプラスチック使用量を従来と比べて約40%*4 削減した、ボトルタイプのつめかえ容器を発売しています。

  • * 3 水量30Lの場合。当社非濃縮液体洗剤本体容器と「アタック ZERO パーフェクトスティック」パウチ包装の比較で約64%削減
  • * 4 容器の従来品重量比
指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2023年実績(前年)
革新的なフィルム容器の年間普及量(花王+社外) 3億個 2030年 14百万個(13百万個)
包装容器への化石由来のプラスチック使用量 ピークアウトさせる 2030年 74千トン(88千トン)

「リサイクルイノベーション」

社会に排出されたプラスチック廃棄物を、花王の製品・サービスとして展開することで再資源化していきます。まずは、花王が関与したプラスチックの再資源化率を、3つのアプローチによって、2030年までに50%まで高めていきます。

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2023年実績(前年)
花王が関与したプラスチック再資源化率 50% 2030年 6%(3%)
  • 使用済みプラスチックをポジティブリサイクルする

花王の研究開発によって生まれた技術により、使用済みのプラスチックを価値あるものに変換し、製品・サービスとして展開していきます。

ケミカル事業が展開しているアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」は、廃棄されるPET素材を独自技術によって改質剤に変換し、添加したアスファルト舗装の耐久性を、最大で5倍高めることができます。アスファルト舗装が高耐久化することで、路面の損傷が低減し、補修工事に伴うCO2 の発生を抑制することが可能です。2023年は、積雪寒冷地の道路課題の解決および耐久性向上を実現する新シリーズを発売しています。

  • 包装容器で再生プラスチックを使用する

「リデュースイノベーション」において使用を促進する再生プラスチックは、社会に排出されたプラスチック廃棄物からつくられているため、リサイクルにも貢献します。

2023年には包装容器の6%に再生プラスチックを導入しました。日本のPET素材のボトルでは、2023年は食器用洗剤「キュキュット」のボトルタイプのつめかえ容器(特大サイズ)、衣類・布製品用消臭剤「リセッシュ除菌EX WIDE JET」などで再生プラスチックの導入が進んでいます。

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2023年実績(前年)
PET容器への再生プラスチックの使用率(日本) 100% 2025年 81%(69%)
  • 花王が社会と共に回収した使用済み包装容器を社会が使用する

自治体や企業等と社会におけるさまざまなステークホルダーと連携し、使用済みプラスチック包装容器の回収スキームの確立とリサイクル技術の開発に取り組んでいます。

2023年には、ライオンとの連携のもと、回収した使用済みつめかえパックを一部に使用した「リサイクルつめかえパック」を初めて製品化しました。今回は数量限定発売でしたが、製品として継続的に提供できるよう、研究開発を継続していきます。また、現在さまざまなパターンで展開しているリサイクルの実証実験に関して、2023年は新たに、自治体の資源物回収ルートを活用した新回収スキームの実証実験を鹿児島県薩摩川内市で実施しました。2024年3月には、花王およびグループ会社の花王ロジスティックスが経済産業省、環境省より、花王の事業場および鎌倉市で実施しているプラスチック包装容器の回収における「製造・販売事業者等による自主回収認定」を取得しました。これにより、廃棄物処理法の業許可なく、使用済みつめかえパックを花王グループ内と鎌倉市で回収することが可能になります。引き続き、分別・回収・運搬・再資源化等、各ステップで関与する関係者が主体的に参画し自律的に拡大していく、リサイクルのしくみの構築を検討していきます。特に生活者に対しては、資源循環を構成する一員として、商品の選定から使用、容器の分別、回収とリサイクルについて理解・共感を得ていきたいと考えています。

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2023年実績(前年)
回収パウチを使用した革新的フィルム容器の実用化 上市 2025年 上市(開発継続)

社会全体のプラスチック使用量の削減(削減貢献量)

プラスチック使用量を削減した包装容器の技術を社会に提供することで、社会全体のプラスチック使用量の削減に貢献していきます。新たに提供する製品と従来の製品を比べて削減された量および、本品容器に比べてつめかえ容器で削減された量を「削減貢献量」として指標に設定しています。

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2023年実績(前年)
花王および社会が包装容器で使用するプラスチック量の削減 200千トン 2030年 128,6千トン (-)

花王の拠点における廃棄物削減・リサイクルの取り組み

工場や事業場で発生する廃棄物の削減やリサイクルを進めています。

2023年は、工場や物流拠点で出荷されることなく、やむを得ず廃棄していた日用品・一部の化粧品の滞留在庫を自社ECサイト「My Kao Mall」でアウトレット販売を開始しました。

指標 中長期目標
目標値
中長期目標
目標年
2023年実績(前年)
花王の拠点(生産拠点から開始)から排出された廃棄物量に占めるリサイクルされない廃棄物量の比率 ゼロ(1%未満) 2030年 4.3%(4.2%)
製品廃棄物・販促物廃棄物の削減率(基準年:2020年) 95% 2030年 43%(20%)

花王グループは、2021年から、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画を推進しています。経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、生活者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでまいります。

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