第13回コンテスト(2022年)の作品
“いっしょにeco” 地球大賞
(10歳)
マングローブの森にはさまざまな動物が生息していて、森は海辺の高潮の影響から守ってくれます。このマングローブの森を守るための取り組みを誇りに思い、これからも環境にやさしくなることを約束します。
“いっしょにeco” 花王賞
(9歳)
私たちは、環境を守るために努力しなければなりません。この絵を描いたのは、地球を愛そうというメッセージを友達に伝えるためです。地球を掃除している人や、地球を幸せにするためにみんなが行動をしている様子を描きました。
中央に描かれた地球が、既成概念にとらわれない表現で描かれており非常に興味深い。地球にも自分たちと同じように感情があるのだということを端的に表現している点が秀逸だ。地球環境の問題に前向きに取り組んでいこうというメッセージが伝わってくる。
“いっしょにeco” 花王賞
(9歳)
樹木、川、風、空、大気などの自然環境は、生命の一部です。それぞれ互いに関連し合っていて、生命のバランスを取るために役立っている要素です。そのため、自然環境はすべての命にとって大切なものなのです。
木は木、雲は雲で同じ描き方を繰り返している点が非常に興味深い。繰り返すことで連綿とした息遣いが伝わってきて、作者が作品に込めた思いをより印象深いものにしている。なぜ作者はこの形で描いたのだろうか、と考えさせられる作品だ。
“いっしょにeco” 花王賞
(9歳)
人間と自然の2つの手を描きました。人間の手に人やごみ、自然の手に植物や動物を描きました。人間の手が支えるのは宇宙、自然の手が支えるのは海です。環境汚染を止めることで自然をより持続可能に育むことができます。
手で地球を支えているようだが、2本の木を描いているようにも見える。同じ生き物なのになぜこんなにも違うのかというメッセージとともに、人が汚した地球を自然界の生物たちが一生懸命浄化してくれているのだというストーリーが表現されている。
爪がカラフルな人になっていているところ、背景の綺麗なグリーンに模様が描いているところが素敵だなと思いました。(50代/女性)
“いっしょにeco” 花王賞
(11歳)
この絵は、樹木の陰と建物の影を表し、成長発展するわたしたちの世界が自然と共存していることを伝えています。人々と動物たちが穏やかに眠っているのは、みんなが幸せで、動物たちを慈しんで愛し、自然を愛し、おそれることなく共存しているからです。
まさに自然との共生を描いた作品。「自然と仲よくすることは幸せなことなのだ」というメッセージが非常によく表現されており、見ているだけで心が温かくなってくる。一緒にいる時間そのものが素敵なのだということを、子どもの目線でとても素直に描いている。
“いっしょにeco” 花王賞
(6歳)
わたしは、友達をつくることが好きです。だれもが、男の子や女の子、動物とも仲よくなれます。クマと友達になるのがわたしの夢です。動物を「わたしたちの小さな兄弟」と呼んでいいと思います。わたしとクマの友情はずっと続く強いものになるはずです。
「自然と仲よくしよう」というメッセージが単純明快に伝わってくる。人間が寄り添っているのがクマであることも興味深い。やさしい動物を描きがちだが、人間よりも強そうな動物に笑顔で寄り添い、また寄り添われているという関係性が非常にユニークだ。
“いっしょにeco” 花王賞
(10歳)
地球は人だけのものではなく、ほかの動物や植物、魚や昆虫たちの暮らす星でもあります。絵ではさまざまな生き物たちがキラキラ輝く地球を仲よく支えています。人は色々な生き物たちとの共存を真剣に考えなければなりません。
中央に地球や太陽、花をも連想させる絵が描かれ、さらに人間や動物、植物など自然の中にある彩りやさまざまなものが詰め込まれている。こうありたいと願う夢や希望が込められ、明るい未来を感じさせる自然体の作品で、「自然への回帰」という言葉がふさわしい。
“いっしょにeco” 花王賞
(10歳)
裏切りを招いたのは私たち人間です。生き物の生息地に侵入して立ち退かせたのは人間なのに、自分たちが追い出された、脅かされていると感じたりします。人間の活動ですでに絶滅した生き物もいます。立ち退かされているのはどちらでしょうか?
動物が建物の中にいて、人間が外にいるという、人間と動物の立場を逆転させた発送が非常にユニークだ。地球は人間だけのものではないという、当たり前だが非常に大事なことを考える出発点となり得る作品だ。
“いっしょにeco” 花王賞
(8歳)
私は自然と仲よく生きたいです。人間は、動物から奪った土地の代わりに、緑がある場所を用意してあげなければいけません。世界中のすべての動物には、人間と同じように、幸せな場所で暮らす権利があると思います。
版画で、モノクロかつ非常にシンプルだが、自然と目を惹きつけられた。木があって私がいて、家があって、窓がある。日常のごくありふれた生活を心から楽しんでいる様子が伝わる。自然と仲よく調和しながら暮らしていきたいという願いが感じられた。
益田 文和 審査委員長推薦
(10歳)
鹿が見ている世界に入り込ませてもらったような作品。鹿が気持ちよいと感じている様子が見ている側にも伝わってきて共感できる。自然はあらゆる生き物のものであるというメッセージを受け取った。
大久保 澄子 審査員推薦
(10歳)
鮮やかなオレンジが印象的なインパクトのある作品。手前に大きく描かれたクモが目を惹き、遠近感もうまくとらえられている。日常の風景をよく観察し、それを素直に表現した味わい深さがある。
松下 計 審査員推薦
(6歳)
色を塗り重ねたり、ぼかしたりすることなく、色本来の持ち味をそのまま活かしている。それぞれの個性を尊重しつつ、ひとつの世界をつくっていこうという、未来へのメッセージを表しているようだ。
オヤマダ ヨウコ 審査員推薦
(12歳)
中央に描かれているのは、山に流れる川を模した大地の女神だろうか。その上で育てられている植物や果物が実ったら、女神の髪飾りになるのではないかとワクワクし、想像力が掻きたてられる。
アンドレアス・シュナイダー 審査員推薦
(7歳)
何も複雑なことではなく、掃除をしたり、木に水をあげたりと、身の回りのできることからやっていこうという思いを感じた。同時に、日常を当たり前に過ごせることへの感謝や喜びも伝わってくる。
細川 泰徳 審査員推薦
(13歳)
水の大切さを訴えた作品。比較的きれいな水に恵まれている日本の作者が、このテーマにフォーカスしたということは、世界に目を向けている証拠であり、地球全体のことを考えている点に感銘を受けた。
片平 直人 審査員推薦
(11歳)
昼寝で使うようなベンチの上で地球を手当てしているユーモラスな作品。地球のことも自分たちと同じように感情あるものとして大切に扱い、気持ちまでよくなってほしいという思いが伝わってくる。
優秀賞
(12歳)
地球の未来や環境に目を向けており、環境そのものがきちんと絵の中にとり込まれていて、希望や可能性を信じれば必ず乗り越えられるという、静かながらも力強いメッセージを受け取った。
優秀賞
(11歳)
本来夜を描くのは難しいが、この作品は木々の香りや焚火で焼かれたマシュマロの香り、ひんやりとした月夜の空気感まで伝わってくる。闇や焚火に照らされた表情の描き方も含め、見事な表現力だ。
優秀賞
(14歳)
子どもが海洋生物の気持ちを想像している構図がユニーク。単体では軽いプラスチックが積み重なり、重い問題としてのしかかっていることが、海に入って見てきたかのごとく描かれている。
優秀賞
(9歳)
中央には植物と一体化して、少しとまどっているような表情の人間が描かれている。人間は特別な存在ではなく、ほかの生き物と同じく生態系の一員だということを思い出させてくれる作品だ。
優秀賞
(12歳)
息苦しくなるほどの圧倒的な「緑」の迫力にすさまじいパワーを感じた。これだけ緑がある中でさらに苗木を植えようとしている作者の熱意には心が動く。人物の足元のピンク色の花もよいアクセントになっている。
優秀賞
(10歳)
地球の環境問題が悪化し、人間が宇宙で生物の保護を行っている未来を表しているように見える。宇宙開発が進んでいるが、その技術や時間をもっと地球の生き物のために使ってほしいという作者の願いを感じた。
優秀賞
(9歳)
生き物たちの生きる世界が層として表現されており、その層ごとのつながりが、深く考え構成されている。曼荼羅のようでもあり、細かいところまで描き込まれていて、見れば見るほど印象に残る作品だ。
優秀賞
(15歳)
センザンコウの親子に加え、よく見ると人間の手が中心にいるさまざまな生物を囲んでおり、「世界はひとつ」と訴えているようだ。作者の願いが絵に凝縮された、描写力の高い作品だ。
優秀賞
(13歳)
作品の中心に置かれた雲がまるで動いているような、さらには「もくもく」という音が聞こえてきそうなほどの表現力には目を見張るものがある。こんな穏やかな未来を願わずにはいられない。
優秀賞
(9歳)
想像上の機械で、よい植物を育てるためのタネを蒔いているシーンを描いている。少し近未来的な発想と伝統的な図柄の対比、人間と自然の配色も非常にユニークだ。
優秀賞
(8歳)
天然繊維の藍染めのような伝統文化が失われつつある中で、「藍染めがいつまでも続けられる環境や暮らしであってほしい」と、身の回りの出来事から大きな問題を表現している点を評価した。
優秀賞
(13歳)
茶色と緑色で描かれた竹林の中に、パンダやキリン、ゾウなどを登場させ、配色にアクセントをつけたセンスがすばらしい。自然を敬い、自然と共存する暮らしを願う気持ちがよく表現されている。
優秀賞
(8歳)
花びらには珍しい黒を使った印象的な花を真ん中に配置していて、とてもインパクトのあるおもしろい作品に仕上がっている。加えて、「自然を大切にしたい」というメッセージもしっかりと伝わってきた。
優秀賞
(10歳)
ピンクをベースに、補色である緑やブルーを対比させている配色が印象的。色や構図など、計画性を持って描かれたことがわかる。明るい未来を夢見る作者の思いがダイレクトに伝わってくる作品だ。
優秀賞
(8歳)
世界にはすぐに解決できない問題が多く残っている。そんな中でも生き物同士が手を取り合い、平和な世界になってほしいという、子どもならではのストレートな願いを素直に表現している点がすばらしい。
優秀賞
(7歳)
人工的なものは暖色、自然には寒色を使い、勢いのある筆使いで絶妙なバランスを描いている。社会や地球を意識した配色で表現したのだろうか。現実の社会でもそのバランスを意識すべきだというメッセージを感じた。
自然を描くときには木や葉の色をそのまま使いたくなるものだが、この作品は背景にいる人間たちの活動に目が向くよう、非常に個性的な色使いで描かれている。さまざまなインスピレーションがわいてくる奥深い作品だ。