障がいのある社員の活躍推進に関する取り組み

障がいを多様性のひとつと捉え、「障がいのある人もない人も共に働き、共に生きる社会をめざして、障がいのある社員も働きやすく、働きがいのある職場環境をつくる」という方針のもと活動を進めています。

障がいのある社員が働きやすい職場環境整備

障がい者サポーター(日本花王グループ)

社員向けの相談窓口として、全国の拠点に「障がい者サポーター」を配置しています。障がいのある社員に対し、定期的に障がい者サポーターの案内を行うことで、相談窓口の認知向上といつでも相談できる雰囲気づくりにつなげています。
障がい者サポーターに対しては、定期的にミーティングを開催しています。サポーターとしてのスキルアップとサポート体制の強化を図るほか、職場における障がい者雇用の課題と解決策について意見交換を行っています。

周囲者との相互理解とコミュニケーション支援(日本花王グループ)

障がいのある社員と周囲者の相互理解を促進するため、「障がい者雇用ガイドブック」や「コミュニケーションシート」などを作成し、DE&Iポータルで提供しています。
聴覚障がいのある社員に対しては、コミュニケーション支援ツールとして音声認識アプリ「UDトーク」を導入しています。また、UDトークやMicrosoftTeamsのライブキャプション機能など音声認識ツールを社内で紹介し、活用を推進しています。

内定者への支援(日本花王グループ)

障がいのある内定者へ、会社の障がい者支援に関する情報を入社前に提供すると共に、働く上で必要な支援を事前に確認し対応することで、入社後の不安解消に努めています。

障がいのある社員が働きやすい組織風土醸成

障がいに関する理解促進(日本花王グループ)

障がいのある方々に対する理解を深めるため、定期的に施策を実施しています。2023年は9月の障がい者雇用支援月間に障がいのある社員の活躍と「共に働く」をテーマにDE&Iポータル内で特設ページを開設しました。この特設ページでは、障がいのある社員へのインタビュー記事や、障がいのあるなしにかかわらず、互いに気持ちよく働ける職場づくりについて学ぶコンテンツを公開しました。

ユニバーサルマナーに関する役員勉強会

経営層が率先して障がいに対する理解を深め、適切な配慮について学ぶことで、当事者の活躍を後押しできる社内の環境整備と風土醸成を進めるため、2024年1月に、株式会社ミライロのユニバーサルマナー検定3級を役員全員が受講しました。多様な人々の特性を知り、日常のさまざまな場面での適切なサポート方法を学ぶことで、実践につながる気づきを得ました。

障がいのある社員に対する配慮への意識向上に向けた取り組み(花王グループカスタマーマーケティング㈱(KCMK)グループ)

9月の障がい者雇用支援月間に合わせ、障がいのある社員の活躍に関する記事や、障がいのある社員から集めた声をKCMKグループポータルを通じて社員に紹介することで、当事者のモチベーション向上、並びに社員の理解と配慮への意識の向上を図りました。

障がいに関する理解促進(EMEA*1

All Abilities Community*2 では、国際障がい者デーにパラリンピックの金メダリストを招いた講演会を開催し、障がい者のインクルージョンに関する理解を深めました。

  • * 1 EMEA:コンシューマー向け製品に関連するヨーロッパ、中東、アフリカ地域のグループ会社
  • * 2 All Abilities Communityは障がいとニューロダイバーシティに注力している社員リソースグループ

障がい者の積極的な雇用

和歌山工場 プロダクション部門 和佐グループ

和佐福祉工場は、和歌山県和歌山市の指導・助成及び医療機関の協力のもと、障がい者に業務を提供し、生活指導と健康管理を行い、経済的・精神的な自立と社会参加を支援する場として1993年4月に設立されました。2020年に和歌山市の社会福祉法人スミやより譲受し、花王和歌山工場の組織(プロダクション部門 和佐グループ)として運営しています。現在は21人の障がい者を含む合計25人の社員が、花王の旅行セットの詰め合わせなどの作業を行っています。

特例子会社「花王ピオニー(株)」

2005年の設立以来、重度も含めた知的障がい者を積極的に雇用し、プロダクション部門では化粧品及びビューティケア製品の“セット・梱包作業”、また、2017年に立ち上げたオフィスサポート部門では、日本花王グループの業務プロセスの一部を支える“事務サポート業務”を行っています。花王ピオニー全体では2024年1月現在、障がいのある社員67人を含む93人が働いています。

雇用拡大へ向けて(花王ピオニー(株))

プロダクション部門では近年、事業戦略の変化やインバウンドの減少により化粧品のセット作業の減少が続いていましたが、外部委託している製品の受託を積極的に進めた結果、ライン操業率は83%まで向上し、売上もコロナ禍前の水準まで回復することができました。2024年はさらなる雇用の拡大と花王グループとしてのキャッシュアウトの抑制をめざし、東京工場と協力して第2ラインの操業を開始します。将来は一部ロボットを導入し、生産の効率化と障がい者雇用の両立をめざします。
オフィスサポート部門では新卒・既卒にかかわらず、働く意欲のある人財を幅広く採用するため、特別支援学校や東京しごと財団から年間を通じて実習生を受け入れています。メンバーの個性を活かすため多種多様な業務を受託し、一人ひとりが自分の適性に合った業務で活躍しています。また、生産業務により適性がありそうなメンバーは、本人同意のもとプロダクション部門へ異動するなど両部門間で柔軟な対応を行い、ピオニー全体のパフォーマンスを向上させる取り組みも実施しています。
両部門共に障がい者雇用の拡大と花王グループの財務面への貢献のために新しい業務の探索を行いながら、障がいを持つ社員が安心して働くことができる環境を整えていきます。

オフィスサポート部門の社員が、盲学校向け手洗い講座教材のセット作業をしています。

オフィスサポート部門 盲学校向け手洗い教材制作風景

プロダクション部門の社員が、ベルトコンベアを使用し、「流れ作業方式」で製品のセット作業をしています。

プロダクション部門 セット作業風景

障がい者雇用率(日本花王グループ)

日本花王グループの障がい者雇用率は2.76%となっており、法定雇用率を上回っています(2023年6月時点)。

花王グループ 障がい者雇用率推移グラフ 2023年6月1時点 花王㈱2.61% 日本花王グループ 2.76%

  • 3 集計範囲
    障害者雇用促進法の関係会社特例によるグループ適用会社11社(花王(株)、花王グループカスタマーマーケティング(株)、花王ビューティブランズカウンセリング(株)、花王プロフェッショナル・サービス(株)、花王サニタリープロダクツ愛媛(株)、花王ロジスティクス(株)、花王ビジネスアソシエ(株)、(株)エキップ、花王コスメプロダクツ小田原(株)、花王製紙富士(株)、特例子会社花王ピオニー(株))
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