障がいのある社員の活躍推進に関する取り組み

「障がいのある人もない人も共に働き、共に生きる社会をめざして障がいのある社員も働きやすく、働きがいのある職場環境をつくる」という方針のもと、障がいを多様性のひとつと捉え、障がいのある社員が働きやすい職場環境の整備と風土醸成および障がい者の積極的な雇用を進めています。

障がいのある社員が働きやすい職場環境整備

障がい者サポーター(日本花王グループ)

社員向けの相談窓口として、全国の拠点に「障がい者サポーター」を配置しています。障がいのある社員に対し、定期的に障がい者サポーターの案内を行うことで、相談窓口の認知向上といつでも相談できる雰囲気づくりにつなげています。
障がい者サポーターに対しては、定期的にミーティングを開催し、サポーターとしてのスキルアップとサポート体制の強化を図っています。2022年は主に知的障がいや精神障がいのある社員が働く職場の障がい者サポーターを対象にミーティングを開催し、職場における障がい者雇用の課題と解決策について意見交換を行いました。参加者からは、「ほかの職場の事例や工夫点を聞けて参考になった」などの声が寄せられ、社員サポートの質の向上につながっています。

周囲者との相互理解とコミュニケーション支援(日本花王グループ)

障がいのある社員と周囲者の相互理解を促進するため、「障がい者雇用ガイドブック」や「コミュニケーションシート」などを作成し、D&Iポータルサイトで提供しています。
聴覚障がいのある社員に対しては、コミュニケーション支援ツールとして音声認識アプリ「UDトーク」を導入しています。また、UDトークやMicrosoftTeams のライブキャプション機能など音声認識ツールを社内で紹介し、活用を推進しています。

内定者への支援(日本花王グループ)

障がいのある内定者へ、会社の障がい者支援に関する情報を入社前に提供すると共に、必要な支援を事前に確認し対応することで、入社後の不安解消に努めています。

障がいのある社員が働きやすい組織風土醸成

障がいに関する理解促進(日本花王グループ)

障がいを理解するための施策を定期的に実施しています。2022年は「障がいのある社員と一緒に働く上で知っておきたいヒント」をテーマに啓発動画を作成し、D&Iポータルサイトで公開しました。

障がい者の人財開発(花王グループカスタマーマーケティング(株))

障がい者一人ひとりについて、各自の能力・適性に応じた最適な業務への配置、また必要に応じた育成ローテーションを実施しキャリア形成を図っています。障がいのある社員が異動する際は、異動先の上長、メンバーへの勉強会を実施しています。特にコミュニケーションに配慮を要する聴覚障がい者の異動の際は、聞こえ方、最適なコミュニケーション法は一人ひとり異なることを説明し、対話をしっかりと行う重要性を強調しています。

All Abilities(EMEA*

EMEAではERGのひとつとしてAll Abilitiesコミュニティが発足し、ロンドンの新しいオフィスのバリアフリー化などアクセシビリティを向上する取り組みを支援しました。
また、外見からはわかりにくい障がいを持つ人が、必要なサポートを受けられるように「Hidden Disability Sunflower Scheme」を導入しました。

  • * EMEA:コンシューマー向け製品に関連するヨーロッパ、中東、アフリカ地域のグループ会社

Hidden Disability Sunflower ストラップ(外見からはわかりにくい障がいを持った人がサポートを受けられるように使用するストラップ)

障がい者の積極的な雇用

和歌山工場 プロダクション部門 和佐グループ

和佐福祉工場は、和歌山県和歌山市の指導・助成および医療機関の協力のもと、障がい者に業務を提供し、生活指導と健康管理を行い、経済的・精神的な自立と社会参加を支援する場として1993年4月に設立されました。
2020年に和歌山市の社会福祉法人スミやより譲受し、花王和歌山工場の組織(プロダクション部門 和佐グループ)として運営しています。現在は21人の障がい者を含む合計26人の社員が、花王の旅行セットの詰め合わせやシャンプー、リンスのミニボトル充填を行っています。

特例子会社「花王ピオニー(株)」

2005年の設立以来、知的障がい者を中心に、重度知的障がい者についても積極的に雇用し、プロダクション部門では化粧品およびビューティケア製品の“セット・梱包作業”、また、2017年に立ち上げたオフィスサポート部門では、日本花王グループの業務プロセスの一部を支える“事務サポート業務”を行っています。花王ピオニー全体では2023年1月現在、障がいのある社員65人を含む87人が働いています。

雇用拡大へ向けて(花王ピオニー(株))

プロダクション部門では、事業戦略の変化とインバウンドの減少により、化粧品のセット作業の減少が続いており、ライン操業率の向上に向け、新たな製品の取り込みを開始しています。工場で外部委託していた製品を取り込むことによりキャッシュアウトを抑制し、花王グループの財務面でも貢献しています。
オフィスサポート部門では、事業ESG推進部が全国の学校に無償で提供している次世代育成プログラムに参画しています。その一環である、衛生習慣化プログラム「みんなで手あらい盲学校向け教材」の制作では、実習用手袋教材の制作だけでなく、子どもたちや保護者に向けた、点字シール付きメッセージカードの制作・梱包も行いました。盲学校の先生方からは感謝のお言葉を数多くいただいています。また、企業向けにオンライン見学会を開催し、「非常に参考になった」との評価をいただいています。
両部門共に障がい者雇用の拡大に向け新しい業務の探索を行っており、引き続き障がいを持つ方々が安心して働くことができる環境を整えていきます。

オフィスサポート部門 盲学校向け手洗い教材作業風景

プロダクション部門 セット作業風景

障がい者雇用率(日本花王グループ)

日本花王グループの障がい者雇用率は2.64%となっており、法定雇用率を上回っています(2022年6月現在)。

日本花王グループの障がい者雇用率は2017年から2022年にかけて増加傾向にあり、2022年6月1日時点で2.64%、花王株式会社は2.56%です。

  • 集計範囲
    障害者雇用促進法の関係会社特例によるグループ適用会社13社(花王(株)、花王グループカスタマーマーケティング(株)、花王ビューティブランズカウンセリング(株)、花王フィールドマーケティング(株)、花王プロフェッショナル・サービス(株)、花王サニタリープロダクツ愛媛(株)、花王ロジスティクス(株)、花王ビジネスアソシエ(株)、(株)カネボウ化粧品、(株)エキップ、花王コスメプロダクツ小田原(株)、花王製紙富士(株)、特例子会社花王ピオニー(株))
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