乳脂肪球皮膜(MFGM)に含まれるスフィンゴミエリンの安全性

乳脂肪球皮膜(MFGM)に含まれるスフィンゴミエリンの食経験

1.牛乳の食経験

牛乳は、明治時代より広く飲用されています*1 。日本における最近10年の生乳生産量は、730~820万トン/年で、主に牛乳や乳製品に加工されています*2 。平成26年度牛乳・乳製品の消費動向に関する調査*3 によると、牛乳飲用者は、調査対象者の81.4%でした。また、この調査結果と人口統計データ*4 から推定される、1日あたりの牛乳の平均摂取量は136.8mLでした。この摂取量には、コーヒーや紅茶に混ぜて飲む、シリアルにかけるなど、そのまま飲む以外の摂取も含まれます。

2.牛乳の食経験から推定する、乳脂肪球皮膜(MFGM)に含まれるスフィンゴミエリンの食経験

MFGMには、スフィンゴミエリンが牛乳よりも高濃度に含まれています。花王では、スフィンゴミエリンの持つ様々な機能に着目して研究をしています。スフィンゴミエリンは、牛乳1Lに65~87mg含まれます。乳脂肪球皮膜濃縮物(MFGMを豊富に含む原料)1gの摂取は、スフィンゴミエリン約38mg、すなわち牛乳440~580 mLの摂取に相当すると考えられます。平成26年度牛乳・乳製品の消費動向に関する調査*3 によると、1日平均600mL以上摂取している人は調査対象者の1.7%でした。人口統計データ*4 から推定すると、牛乳を1日平均600mL以上摂取している人は、約155万人となります*4

乳脂肪球皮膜(MFGM)に含まれるスフィンゴミエリンの安全性

MFGM(スフィンゴミエリンを含む)の過剰摂取時の安全性を検証しました*5 。試験デザインは、無作為化二重盲検並行群間比較試験としました。被験者は、健常男女32名(平均年齢42.0±11.9歳、試験群16名、プラセボ群16名)としました。試験群は1日摂取目安量の5倍量に相当する乳脂肪球皮膜濃縮物(MFGMを豊富に含む原料)6.5g(スフィンゴミエリン 231mg)、プラセボ群は全粉乳6.5g(スフィンゴミエリン 4mg)を含む錠剤形態の食品を毎日1回または2回に分けて4週間、継続摂取しました。
摂取期間中、試験群に下痢、胃部不快感、鼻炎、咳、各1件が認められました。いずれも症状は一過性で軽微であり、試験食品の摂取を中止することなく自然回復し、試験食品との因果関係はないと判断されました。身体計測および血液検査項目に臨床上問題となる変動は認められませんでした。
以上の結果より、健常成人に対する1日摂取目安量の5倍量に相当する乳脂肪球皮膜濃縮物(MFGMを豊富に含む原料)6.5gすなわちスフィンゴミエリン231㎎の4週間継続摂取は安全性上問題ないと考えられました。

引用文献

  • * 1 上野川修一, 乳の科学, 朝倉書店, p2-3, 1996年
  • * 2 農林水産省, 牛乳乳製品の生産動向(平成27年4月分)
  • * 3 独立行政法人農畜産業復興機構, 平成26年度牛乳・乳製品の消費動向に関する調査
  • * 4 総務省統計局, 人口推計(平成26年10月1日現在), 第1表, 平成27年4月17日
  • * 5 Hari S et al., Biosci Biotechnol Biochem, 79(7), 1172-1177, 2015
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