論文リスト

1. 乳由来スフィンゴミエリンの有効性に関する論文

論文タイトル Effects of dietary supplementation with milk fat globule membrane on the physical performance of community-dwelling Japanese adults: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
掲載誌 Journal of Nutritional Science 2018, 7:18 doi: 10.1017/jns.2018.8
著者名 Kokai Y, Mikami N, Tada M, Tomonobu K, Ochiai R, Osaki N, Katsuragi Y, Sohma H, Ito YM
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取が地域在住日本成人の身体能力に及ぼす効果を検証した。試験デザインは無作為化二重盲検並行群間試験とした。被験者は50~70歳の健常男女113名(アクティブ群57名、プラセボ群56名)とした。アクティブ群はMFGM1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして38 mg)、プラセボ群は全粉乳1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして1.3 mg)を含む錠剤形態の食品を摂取した。両群ともに強制的な運動負荷は行わなかった。試験期間は24週間とし、摂取前、摂取6週間後、摂取12週間後、摂取18週間後、摂取24週間後に筋力、敏捷性、バランス感覚を測定した。バランス感覚の指標である閉眼片足立ち時間は、24週間のMFGM摂取により改善し、プラセボ群に比較して有意と判定された。MFGMの継続摂取は、地域在住日本成人の身体能力に有用であることが示唆された。
抄録 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29721316/
論文タイトル Light rhythmic exercise with dietary milk fat globule membrane improves physical fitness in an elderly Japanese population: a double-blind randomized placebo-controlled trial
掲載誌 Biosci Biotechnol Biochem. 2018 Apr; 82(4): 677-682.
著者名 Yoshinaka Y, Soga S, Ota N, Yokoyama K, Yamada Y, Kimura M
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取が高齢者に及ぼす効果を検証した。試験デザインは無作為化二重盲検並行群間試験とした。被験者は平均年齢72.3歳の健常男女71名(試験完遂者;アクティブ群32名、プラセボ群30名)とした。アクティブ群はMFGM1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして38 mg)、プラセボ群は全粉乳1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして0.7 mg)を含む錠剤形態の食品を摂取した。試験期間は8週間とし、両群は毎日1回1分間の軽い体操を行い、摂取前、摂取4週間後、摂取8週間後に敏捷性の指標であるステッピング回数など身体機能を測定した。開閉ステッピング回数は8週間のMFGM摂取により改善し、プラセボ群に比較して有意と判定された。毎日のMFGM摂取は、健康な高齢者の軽強度の運動の効果をさらに高める可能性が示唆された。
抄録 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29297260/
論文タイトル Effects of exercise and milk fat globule membrane (MFGM) supplementation on body composition, physical function, and hematological parameters in community-dwelling frail Japanese women: A randomized double blind, placebo-controlled, follow-up trial
掲載誌 PLoS One. 10(2), 2015. e0116256. doi: 10.1371
著者名 Kim H, Suzuki T, Kim M, Kojima N, Ota N, Shimotoyodome A, Hase T, Hosoi E, Yoshida H
要旨 運動と乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取が、日本人高齢女性の虚弱、身体機能、血液成分に及ぼす効果を検証した。75歳以上の虚弱女性131名を、運動+MFGM群、運動+プラセボ群、MFGM群、プラセボ群の4群に群分けした。運動群は週に2回、60分の運動プログラムを実施した。MFGM群は1日当たりMFGM1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして80 mg)を、プラセボ群は1日当たり全粉乳1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして0. 6 mg)を含む錠剤形態の食品を摂取した。試験期間は3ヶ月、後観察期間は4ヶ月とした。介入により、運動+MFGM群はプラセボ群と比較して、通常歩行速度が有意に増加し(P=0.005)、Timed Up & Go時間が有意に低下した(P<0.001)。運動+MFGM群の虚弱離脱率(57.6%)はプラセボ群(30.3%)より有意に高かった。運動とMFGM摂取の併用は虚弱改善に有用であることが示唆された。
抄録 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25659147
論文タイトル 乳由来スフィンゴミエリンを含む乳脂肪球皮膜成分(MFGM)の継続摂取と軽度運動の併用による健常中高年の身体機能改善効果
掲載誌 Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療) 45(2), 281-291, 2017
著者名 石丸琴美, 柳沢佳子, 落合龍史, 大崎紀子, 林潤一, 桂木能久
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取と運動が健常男女の身体機能に及ぼす効果を検証した。試験デザインは、無作為化二重盲検並行群間比較試験とした。被験者は50~69歳の健常男女61名(アクティブ群31名、プラセボ群30名)とした。アクティブ群はMFGM1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして33 mg)、プラセボ群は全粉乳1 gを含む錠剤タイプの試験食品を摂取した。両群とも適度な運動を1回30分、週2回行った。試験食品摂取期間は8週間、後観察期間は4週間とし、摂取前、摂取4週間後、摂取8週間後、後観察期間である摂取12週間後に身体機能を評価した。アクティブ群の10 m障害物歩行時間は短縮し、その変化量はプラセボ群と比較して有意に大きかった。また、アクティブでバランス能力が摂取前と比較して有意に改善した。MFGMの継続摂取と適度な運動の併用は、中高年者の歩行能力の維持改善に役立つことが示唆された。
抄録 http://www.lifescience.co.jp/yk/yk17/feb/ab10.html
論文タイトル Dietary Milk Fat Globule Membrane with Semiweekly Light Exercise Improves Choice Stepping Reaction Time in Healthy Japanese Elderly Subjects: A Randomized Double Blind, Placebo-Controlled Trial
掲載誌 J Aging Res Clin Practice 2016; 5: 2
著者名 Ota N, Soga S, Shimotoyodome A
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取と適度な運動が高齢者の敏捷性に及ぼす効果を検証した。試験デザインは、無作為化二重盲検並行群間比較試験とした。被験者は60~74歳の健常者25名(男性11名、女性14名)とした。アクティブ群はMFGM1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして35 mg)、プラセボ群はマルチトール1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして0 mg)を含む錠剤を毎日、5週間摂取した。両群とも適度な運動を1回30分、週2回行った。敏捷性は4方向選択反応時間(The four-way choice stepping reaction time)で評価した。5週間後、アクティブ群の動作開始時間および全身反応時間は、プラセボ群と比較して有意に低下し、有意に低値となった。MFGMの継続摂取と適度な運動の併用は、高齢者の選択反応時間と敏捷性を改善することが示唆された。
抄録 http://dx.doi.org/10.14283/jarcp.2016.98
論文タイトル Daily consumption of milk fat globule membrane plus habitual exercise improves physical performance in healthy middle-aged adults
掲載誌 SpringerPlus 120(4), 2015. doi: 10.1186/s40064-015-0896-8
著者名 Ota N, Soga S, Hase T, Shimotoyodome A
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取と適度な運動が健常男女の身体機能に及ぼす効果を検証した。試験デザインは、無作為化二重盲検並行群間比較試験とした。被験者は50~69歳の健常男女44名(アクティブ群22名、プラセボ群22名)とした。アクティブ群はMFGM1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして38 mg)、プラセボ群は全粉乳1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして0.7 mg)を含む錠剤形態の食品を摂取した。両群とも適度な運動を1回30分、週2回行った。試験期間は10週間とし、摂取前、摂取5週間後、摂取10週間後に身体機能を評価した。アクティブ群の反復横とびの回数、大腿部の筋横断面積は、摂取前と比較して有意に増加した。これらの変化率は、プラセボ群と比較して有意に高値であった。アクティブ群の筋線維伝導速度に有意な増加は認められなかったが、変化率は、プラセボ群と比較して高値であった。MFGMの継続摂取と適度な運動の併用は、中高年者の敏捷性の維持・改善に役立つと考えられた。
抄録 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25810952
論文タイトル Dietary milk fat globule membrane supplementation combined with regular exercise improves skeletal muscle strength in healthy adults: a randomized double-blind, placebo-controlled, crossover trial
掲載誌 Nutrition Journal 2015, 14:85 doi: 10.1186/s12937-015-0073-5
著者名 Soga S, Ota N, Shimotoyodome A
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取と運動が筋力および神経機能に及ぼす効果を検証した。試験デザインは無作為化二重盲検クロスオーバー試験とした。被験者は31~48歳の健常男性14名とした。被験者は4週間、アクティブ食あるいはプラセボ食を摂取し(前期)、4週間のウォッシュアウト期間後、前期とは逆の食品を4週間摂取した(後期)。アクティブ食はMFGM1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして36 mg)を、プラセボ食は全粉乳1 g(乳由来スフィンゴミエリンとして0.6 mg)を含む錠剤とした。両群とも摂取期間中、軽い運動を1回約10分、週2回行った。前期、後期とも、摂取前と摂取4週間後に脚伸展筋力と筋放電量の測定を行った。脚伸展筋力と筋放電量は4週間のMFGM摂取により増加し、その変化率はプラセボ群に比較して有意と判定された。MFGMの継続摂取と適度な運動の併用は、運動ユニットの改善を通して、骨格筋の筋力の改善に役立つと考えられた。
抄録 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26303780

2. 乳由来スフィンゴミエリンのメカニズムに関する論文

論文タイトル The Impact of Milk Fat Globule Membrane with Exercise on Age-Related Degeneration of Neuromuscular Junctions
掲載誌 Nutrients, 13(7): 2310, 2021 doi: 10.3390/nu13072310.
著者名 Sugita S, Tamura K, Yano M, Minegishi Y, Ota N
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取と運動の併用が、神経筋接合部に及ぼす効果を検証した。若齢(6ヶ月齢)及び加齢マウス(18ヶ月齢)に対して、それぞれMFGM1%を含む食餌、および、回転ケージによる自発的な運動負荷の介入を23~24ヶ月齢まで継続した。若齢からのMFGM食摂取と運動運動の併用は、神経筋接合部の加齢性変化を抑制し、また、すでに加齢による神経筋接合部の劣化が起こっている状態からの介入においても改善が観察された。さらに、運動とMFGM食の効果は、神経筋接合部に限定されず、末梢神経の構造と機能にまで及んだ。MFGMの継続摂取と運動の併用は、加齢した神経筋接合部形態の改善を介して、運動機能を改善することが示唆された。
抄録 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34371820/
論文タイトル DOK7 Gene Therapy Enhances Neuromuscular Junction Innervation and Motor Function in Aged Mice
掲載誌 iScience. 23(8) 201385, 2020 doi: 10.1016/j.isci.2020.101385.
著者名 Ueta R, Sugita S, Minegishi Y, Shimotoyodome A, Ota N, Ogiso N, Eguchi T, Yamanashi Y
要旨 神経筋接合部の劣化、脱神経が進行した24ヶ月齢の老齢マウスに対し、神経筋接合部形成の必須タンパク質であるDok-7の遺伝子発現ベクターを投与する遺伝子治療を行った。投与から4ヶ月後の28ヶ月齢において、Dok-7発現ベクター投与群では、対照ベクター投与群と比較して筋肉側のアセチルコリン受容体の凝集増強とともに神経支配の増加が観察され、神経筋の結合が促進された。さらに、Dok-7発現ベクター投与群では、筋力、および、ロータロッド試験の成績において有意な向上がみられた。このことから、神経筋接合部の増強が、加齢で衰えた運動機能の改善に有効であることが示唆された。
抄録 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32758427/
論文タイトル Continuous Supplementation of Milk Fat Globule Membrane with Habitual Exercise from a Young Age Improves Motor Coordination and Skeletal Muscle Function in Aged Mice
掲載誌 J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo), 65(5):405-413, 2019 doi: 10.3177/jnsv.65.405.
著者名 Yano M, Haramizu S, Ota N, Minegishi Y, Shimotoyodome A
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取と運動が加齢に伴う身体機能の低下に及ぼす効果を動物試験で検証した。マウスを、通常食群、MFGM食(MFGM1%含有食)群、通常食+自発運動群、MFGM食+自発運動群の4群に分け、2ヶ月齢から21ヶ月齢まで飼育した老齢マウス群と、通常食で2ヶ月齢から4ヶ月齢まで飼育した若齢マウス群を用いて評価を行った。その結果、MFGM食+自発運動群で老齢マウスの加齢に伴う運動調整力の低下および筋量、筋力の低下が抑制された。また、通常食群と比較しMFGM食+自発運動群は、神経筋接合部形成に重要なDok-7遺伝子発現が有意に高かった。このことから、MFGMの継続摂取と適度な運動は、神経筋接合部を調整し、加齢に伴う運動調整力および筋機能の低下を抑制すると考えられた。
抄録 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31666477/#
論文タイトル Milk fat globule membrane supplemantation with voluntary runnnig exercise attenuates age-related motor dysfunction by suppressing neuromuscular junction abnormalities in mice
掲載誌 Exp. Gerontol. 97, 29-37, 2017
著者名 Yano M, Minegishi Y, Sugita A, Ota N
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の継続摂取が神経筋接合部の形成に及ぼす効果を動物試験で検証した。マウスを、通常食群、MFGM食(MFGM1%含有食)群、通常食+自発運動群、MFGM食+自発運動群の4群に分け、6ヶ月齢から14ヶ月齢まで飼育した老齢マウス群と、通常食で6ヶ月齢で飼育された若齢マウス群を用いて評価を行った。MFGMと運動の併用は、加齢に伴うロータロッド滞在時間の低下、握力の低下を顕著に抑制した。若齢マウスと比較して14ヶ月齢の通常食群マウスでは、神経筋接合部の断片化や脱神経などの異常が増加したが、MFGM食+自発運動群ではこのような加齢に伴う変化が大幅に抑制された。このことから、MFGMの継続摂取と適度な運動による運動機能の改善は、神経筋接合部の形成促進によるものと考えられた。
抄録 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28729214?dopt=Abstract
論文タイトル Dietary milk fat globule membrane improves endurance capacity in mice
掲載誌 Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 307(8):R1009-17, 2014. doi: 10.1152/ajpregu.00004.2014.
著者名 Haramizu S, Ota N, Otsuka A, Hashizume K, Sugita S, Hase T, Murase T, Shimotoyodome A
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の12週間摂取が、持久力とエネルギー代謝に及ぼす影響をマウス遊泳系において検証した。実験1:7週齢のマウスを、MFGM 0%、 0.2%、0.5%、1.0%添加群に群分けした。週2回の運動を施し、12週間後に遊泳持久力を計測した。実験2:マウスを、対照群、MFGM 1.0%群、運動群、MFGM 1.0%+運動群に群分けした。週2回の運動を施し、12週間後まで2週毎に遊泳持久力を計測し、10週目に呼気分析を行った。実験3:実験1と同じ要領で対照群とスフィンゴミエリン 0.2%群の遊泳持久力を計測した。実験の結果、MFGM+運動群で限界遊泳時間の有意な延長が認められた。MFGM+運動群の酸素消費量及び脂質燃焼量は対照群と比較して有意に高い値を示した。スフィンゴミエリン群においても限界遊泳時間の延長が認められた。さらに、脂質燃焼に関与する分子であるperoxisome proliferator-activated receptor-γ coactivator 1α(Pgc1α)の遺伝子発現に及ぼす影響を検討した。試験期間終了後のマウスのヒラメ筋におけるPgc1αのmRNA量はMFGM+運動群で有意に高値であった。筋芽細胞培養系にMFGMまたはスフィンゴミエリンを添加した場合にもPgc1αのmRNA量の増加が認められた。以上より、適度な運動とMFGM摂取の併用は、筋肉のエネルギー代謝能を高め、持久力向上に作用することが明らかとなった。MFGMの含有成分であるスフィンゴミエリンが本活性に寄与する成分の一つであることが示唆された。
抄録 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25163913
論文タイトル Habitual exercise plus dietary supplementation with milk fat globule membrane improves muscle function deficits via neuromuscular development in senescence-accelerated mice
掲載誌 Springerplus. 339(3), 2014. doi: 10.1186/2193-1801-3-339
著者名 Haramizu S, Mori T, Yano M, Ota N, Hashizume K, Otsuka A, Hase T, and Shimotoyodome A
要旨 自発運動と乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)の摂取が、筋機能に及ぼす影響を老化促進モデルマウスSAM1を用いて検証した。マウスを対照群、MFGM群、緑茶抽出物群、MFGM+運動群、緑茶抽出物+運動群の5群に分け、23週齢から43週齢までの20週間、回転カゴによる自発運動下で飼育した。混餌量は1%とした。MFGM+運動群において大腿四頭筋重量の低下及びヒラメ筋と長趾伸筋筋の筋力の低下が有意に抑制された。大腿四頭筋のマイクロアレイ解析において、MFGMと運動の併用は神経筋接合部分子docking protein-7(Dok-7)と筋分化調節遺伝子myogeninのmRNAの発現を有意に増加させた。筋芽細胞C2C12の伸展培養系に、MFGM、またはMFGMのリン脂質画分、スフィンゴリン脂質画分を作用させたところ、それぞれDok-7の発現が増加した。以上、MFGMと運動の併用は神経筋機能の加齢に伴う低下を抑制すること、その作用はMFGMに含まれるスフィンゴリン脂質が担っていることが示唆された。
抄録 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25110626

3. 乳由来スフィンゴミエリンの安全性に関する論文

論文タイトル Safety evaluation of the consumption of high dose milk fat globule membrane in healthy adults: a double-blind, randomized controlled trial with parallel group design
掲載誌 Biosci Biotechnol Biochem. 79(7), 1172-1177, 2015
著者名 Hari S, Ochiai R, Shioya Y, Katsuragi Y
要旨 乳脂肪球皮膜(MFGM;スフィンゴミエリンを含む)摂取時の安全性を検証するため、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。対象は健常成人男女32名(平均年齢42.0±11.9歳)とした。アクティブ群はMFGM6.5 g(乳由来スフィンゴミエリンとして231 mg)を含む、プラセボ群は全粉乳6.5 g(乳由来スフィンゴミエリンとして4 mg)を含む錠剤形態の食品を毎日1回または2回に分けて4週間、継続摂取した。試験期間を通して脱落者は生じなかった。アクティブ群に下痢、胃部不快感、鼻炎、咳、各1件が観察されたが、症状は軽度かつ一時的であり、試験食品との因果関係はないと判断された。身体計測および血液検査において、臨床上問題となる異常な変動は認められなかった。これらの結果より、MFGM6.5 g(乳由来スフィンゴミエリンとして231 mg)の4週間継続摂取は健常成人にとって安全であることが示唆された。
抄録 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25704503
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