茶カテキンの有効濃度

男性27名を対象に、1日100mg~900mgの茶カテキン(図1)、または男性25名を対象に、130mgの茶カテキンを含むコントロール飲料もしくは540mgの茶カテキンを含む緑茶またはウーロン茶(図2)を12週間にわたって摂取した場合の体脂肪量を測定しました。体脂肪の代表としておなかの中の脂肪(内臓脂肪)を測定しました*1
その結果、茶カテキンを1日540mg以上継続的に摂取することにより、CT画像により解析した内臓脂肪量(内臓脂肪面積)が統計的に有意に低下しました(図2)。

図1 体脂肪の低減に必要な茶カテキンの濃度を示した図。1日あたり560mg又は900mgの茶カテキンを12週間摂取すると、体脂肪が有意に低減した。

図1 0~900mgの茶カテキンの体脂肪低減効果

図2 茶カテキンの体脂肪低減作用に飲料の種類が影響するかを検討した図。茶カテキンを540mg含む緑茶およびウーロン茶は、コントロール飲料と比較してどちらも体脂肪を有意に低減した。

図2 540mgの茶カテキンの体脂肪低減効果

注)図1、図2は茶カテキン摂取前の内臓脂肪面積を100としたとき、茶カテキン摂取12週間後の内臓脂肪面積がどれくらいになったかを示したものです

ヒトの内臓脂肪量は、へその位置で輪切りにした写真から、CT画像解析によって求めた面積により評価しました(図3)。

図3 内臓脂肪量の評価方法を示した図。腹部X線CT写真を撮影し、脂肪面積を算出する。内臓脂肪量は内臓脂肪面積、皮下脂肪量は皮下脂肪面積で表される。内臓脂肪量と皮下脂肪量の合計が全脂肪量となる。この測定方法は、日本肥満学会の肥満症の診断基準に従っている。

図3 CT画像解析による腹部脂肪量の評価

内臓脂肪

内臓脂肪は、エネルギーの貯蔵、体温の調節、内臓の保護など、重要な働きをするもので、ある程度は必要ですが、過剰に蓄積されると糖尿病、高血圧などの生活習慣病の発生に深く関与すると言われています。

引用文献

  • * 1 Nagao T. et al., J Oleo Sci, 50, 717-728, 2001
Page Top