最新の茶カテキンの研究により、茶カテキンの新たな体脂肪低減作用メカニズムが明らかになってきました。
マウス前駆脂肪細胞3T3-L1に、茶カテキンと共に0.1μMのノルエピネフリンを添加して24時間培養し、培養液中のグリセロールの量を測定しました。茶カテキンの濃度は2.3μMと11.5μMとしました。測定の結果、茶カテキンを2.3μM又は11.5μM添加することにより、添加しない場合と比較してグリセロールの量が有意に増加しました(図1)。
マウスを低脂肪餌、高脂肪餌又は0.5%の茶カテキンを添加した高脂肪餌で1か月間飼育し、脂肪消費作用の指標となる肝臓のβ酸化活性を測定しました。その結果、高脂肪餌を摂取した群と比較して、0.5%の茶カテキンを添加した高脂肪餌を摂取した群ではβ酸化活性が有意に増加しました(図2)。
図1 茶カテキンの濃度による脂肪分解量の違い
図2 食餌の違いによる肝臓のβ酸化活性の違い
脂肪はホルモン感受性リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに分解されます。脂肪酸は筋肉や肝臓などに運ばれ、ミトコンドリア内でβ酸化を受けて消費され、我々の活動に必要なエネルギーが産生されます。茶カテキンは、この脂肪の分解と消費を共に促進することにより、体脂肪低減作用を発揮しています(図3)。
図3 茶カテキンによる脂肪の分解及び消費促進作用