オキシベンゾン

日やけ止めなどの紫外線防止成分が含まれた化粧品やパーソナルケア製品は、皮膚がんや皮膚老化の一因となる紫外線から肌を保護し健康を維持する目的で、世界中で使われています。オキシベンゾンは、紫外線から肌を保護する紫外線吸収剤として、また紫外線ばく露による製品の品質低下を防ぐ安定化剤として、化粧品やパーソナルケア製品に使用されています。安定化目的の使用では、低濃度で有効性が得られるため、紫外線吸収目的の場合と比較して使用量は少なくなります。私たちの製品においては、安定化剤としてオキシベンゾンを一部のヘアケア製品、スキンケア製品などに少量使用しています。これらの製品においてオキシベンゾンは、“オキシベンゾン-3”または“オキシベンゾン”の成分名で表記されています。

オキシベンゾンは内分泌かく乱物質であるとの懸念がもたれていますが、2021年に欧州の消費者安全科学委員会(SCCS)において化粧品への使用に関する安全性評価が行われ、安全に使用できる濃度が示されています。
また、オキシベンゾンを含む紫外線防止成分は、海洋中のサンゴに対して白化を招くなどの懸念がもたれており、米国ハワイ州、パラオ共和国、タイ王国の国立公園などでオキシベンゾンを含む日やけ止めを禁止する法規制が導入されました。一方で、サンゴの成育阻害や白化の主な要因は気候変動の影響による海水温の上昇や海洋の酸性化などと考えられています。紫外線防止成分のサンゴ礁への影響については研究者の間で議論と研究が継続されています。

私たちは、各国・地域の法規制を遵守することはもちろん、花王独自の安全基準* に基づいて詳細な安全性評価、さまざまな使用テストを行い、製品の安全性に問題がないことを確認しています。そのうえで、一部の製品において、安定化剤としての目的のみでオキシベンゾンを少量使用しています。私たちは、成分に関する最新の科学的知見について常に情報収集を行っており、製品の発売後も安全性の精査を続けています。今後も皆さまに安心して製品をお使いいただくために、日々、よりよい製品の開発に努めてまいります。

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