オクチノキサート

日やけ止めなどの紫外線防止成分が含まれた化粧品やパーソナルケア製品は、皮膚がんや皮膚老化の一因となる紫外線から肌を保護し健康を維持する目的で、世界中で使われています。オクチノキサートは、紫外線から肌を保護する紫外線吸収剤として、また紫外線ばく露による製品の品質低下を防ぐ安定化剤として、化粧品やパーソナルケア製品に使用されています。私たちの製品においては、日やけ止め、スキンケア製品、メイクアップ製品、ヘアケア製品などに使用しています。これらの製品においてオクチノキサートは、“メトキシケイヒ酸エチルヘキシル”、“パラメトキシケイ皮酸オクチル”または“パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル”の成分名で表記されています。

オクチノキサートは、欧州において内分泌かく乱の懸念がある成分として安全性に関する調査が行われています。一方、オクチノキサートの安全性は、各国・地域の規制当局の専門機関・審査機関などで評価されています。評価結果に基づいて配合上限が法規制に定められ、各国・地域で化粧品への使用が認められています。
また、オクチノキサートを含む紫外線防止成分は、海洋中のサンゴに対して白化を招くなどの懸念がもたれており、米国ハワイ州、パラオ共和国、タイ王国の国立公園などでオクチノキサートを含む日やけ止めを禁止する法規制が導入されました。一方で、サンゴの成育阻害や白化の主な要因は、気候変動の影響による海水温の上昇や海洋の酸性化などと考えられています。紫外線防止成分のサンゴ礁への影響については研究者の間で議論と研究が継続されています。

私たちは、各国・地域の法規制を遵守することはもちろん、花王独自の安全基準* に基づいて詳細な安全性評価、さまざまな使用テストを行い、製品の安全性に問題がないことを確認しています。そのうえで、一部の製品に適切な量のオクチノキサートを使用しています。また、ご希望される方のため、オクチノキサートを含まない日やけ止め製品もご提供しています。私たちは、成分に関する最新の科学的知見について常に情報収集を行っており、製品の発売後も安全性の精査を続けています。今後も皆さまに安心して製品をお使いいただくために、日々、よりよい製品の開発に努めてまいります。

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