髪のツヤ
「髪1本1本の傷みの状態」「毛流れが揃っているかどうか」によって、反射光の強さや連続性、コントラストが変化し、ツヤに影響します。
キューティクルの表面で反射する光を表面反射光といいます。
これが頭頂部付近の髪表面に広くきれいに連続していると「天使の輪」と呼ばれる白い輝きがくっきりと見えます。
毛髪内部に入った光が毛髪の背面で反射した光で、メラニン色素やヘアカラー色素の色を反映して見えるものです。キューティクルに傾斜があるため、表面反射光の隣りに見えます。色素量が少ない髪で見え、黒髪では見えません。
髪内部のタンパク質や脂質、メラニン色素が流れ出て空洞が多くなると、髪の内部に入った光(背面反射光)が空洞で散乱する割合が高くなります。すると、メラニン色素やカラーリング剤の色素を反映した輝きが弱くなり、白っぽく透明感や立体感のない感じに見えます(図)。
これは、気泡や不純物を含んだ氷が透明でなく白いのと同じ原理です。
キューティクルが傷んで表面がデコボコしていると、反射する方向がバラバラになって表面反射光が弱くなり、白い輝き(天使の輪)が弱くぼやけます(図)。また、毛流れがそろいにくくなることによるつやの低下にもつながります。
空洞を補修したり、表面をなめらかにすることによって、1本1本のツヤを向上させることができます。
毛流れがそろっていると、表面反射光や背面反射光がきれいに並び、天使の輪や動き・ウェーブの立体感がきれいに見えます。
毛流れがそろっていないと、反射光がきれいに並ばず境界があいまいになって、弱く見えます。
また、浮毛や細かいうねり毛がばらばらに表面にあると、それらの表面反射光が様々な方向に散乱してちらつくため、全体的に白っぽく見えたり立体感が損なわれたりします。
毛流れがそろわない原因としては、毛髪の構造と乾かし方が考えられます。
直毛にうねり毛を混ぜた場合の見え方
うねりやくせがあっても、毛流れがある程度そろっていれば、つややかに見えます。