製品開発における環境配慮の考え方

花王は、製品の環境配慮性を確実にするため、2つのしくみを持っています。
製品が世の中に出る前にその環境負荷を確認するしくみと、厳しい環境配慮基準をクリアした製品に“いっしょにeco”マークを表示し、消費者に環境に配慮した製品であることを伝えるしくみです。

新製品・改良製品における環境基準の説明図:大きな三角形全体が「1.全製品:環境適合設計要領による設計」、そのうち上部の三角形が「2.“いっしょにeco”マーク表示製品」を示しています。

1. 環境適合設計要領

花王では、製品のライフサイクル全体を通じて環境負荷低減を推進していくために、製品設計時に考慮すべき環境への影響および安全性に関する独自の指標として「環境適合設計要領」を整備し、定性的・定量的な評価分析を行なっています。

2008年度から製品ライフサイクルにおける環境負荷をより厳密に定量化するとともに、その改善率を明確にするための指標として「環境負荷改善率*」を取り入れています。これにより既存の「基準製品」と新たな「開発製品」のライフサイクル全体でのCO2排出量を比較・評価し、製品の機能・性能向上と環境負荷低減を図っています。

  • * 環境負荷改善率:ライフサイクルCO2排出量を「A:基準製品」と「B:開発製品」で比較・評価し、「A÷B」の数値が1より大きいと、「基準製品より環境負荷が低い新製品」となる。

環境適合設計要領の目的と意義、主な評価項目

目的と意義

製品設計時に考慮すべき環境への影響および安全性に関する事項と活動手順を定め、製品の環境負荷低減と安全性確保を目的とする。

  • 製品の循環型社会への対応性および事業の持続可能性の向上
  • 地球環境に与える負荷の低減
  • 使用者の安全、環境保全の確保
  • 製品の機能・性能向上と環境負荷低減

環境負荷と安全性に関する事項

  • 環境汚染物質等の削減
  • 省資源・省エネルギー
  • 天然資源の持続可能な利用
  • 資源の循環利用(4R の推進)
  • 安全性への配慮
  • 環境・安全性情報等の製品への表示

2. “いっしょにeco”マーク

次の2点を満たした場合に“いっしょにeco”マークを表示しています。

  1. 基準製品に対してライフサイクルCO2排出量が低減されていること
  2. 環境主張の認定基準を一つ以上クリアしていること
  • ライフサイクルCO2排出量は、原則として原材料調達、生産、輸送、使用、廃棄の全ステージを算定対象範囲といたします。
  • ライフサイクルCO2排出量は、製品の使用1回当たりとします。使用量の特定が困難な場合は、単位重量当たりといたします。
  • 基準製品は、当社従来品あるいは併売されている当社代表製品といたします。

“いっしょにeco”マークにおける環境主張の認定基準

環境主張項目 認定基準
(1)省エネルギー 基準製品よりも、製品の使用に伴うエネルギーを20%以上削減できる場合
(2)省資源 ・基準製品よりも、包装容器重量を10%以上削減できる場合
または、
・基準製品よりも、使用に供される内容物の原料重量を10%以上削減できる場合
(3)節水 基準製品よりも、製品の使用に伴う水の量を20%以上削減できる場合
(4)廃棄物削減 ・基準製品よりも、廃棄物量を10%以上削減できる場合
または、
・本体容器よりも、容器の重量を50%以上削減できるつめかえ・つけかえ品
(5)リサイクル原材料の使用 ・リサイクル原材料を容器包装で10%以上使用する場合
または、
・リサイクル原材料を内容物で10%以上使用する場合
(6)植物由来原料の使用 * ・植物由来原料を包装容器に20%以上使用する場合
または、
・植物由来原料を内容物に50%以上使用する場合
(7)CO2排出量の削減 ・基準製品よりも、製品の全ライフサイクルでCO2排出量を10%以上削減する場合
または、
・基準製品よりも、ライフサイクルのいずれかのステージ(内容物の調達と廃棄、包装容器の調達と廃棄、生産、輸送、および使用)で、CO2排出量を10%以上削減する場合
(8)カーボンオフセット カーボンオフセット認証制度(第三者機関)で認証を受け、適切なカーボンオフセットの取り組みを実施している場合
  • * 植物由来原料とは、再生可能な植物を原料に製造される化学物質です。植物由来原料の使用によるカーボンニュートラルでCO2排出量を削減するなど、持続可能な社会形成に貢献します。
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