第12回コンテスト(2021年)

花王グループでは、世界の子どもたちが身近な生活のエコと地球の環境・未来について真剣に考えて表現した作品とその思いが、世界中の人々の心を動かし、さらにそのライフスタイルを変えるきっかけとなることを願い、2010年からこのコンテストを実施しています。
12回目となる今回は、世界中の子どもたちから7,009点のご応募をいただきました。コロナ禍にもかかわらず、世界中から多くの作品が寄せられました。
厳正な審査により選ばれた32点の入賞作品を、子どもたちがそれぞれの作品に込めたメッセージと共にご紹介します。

受賞作品のご紹介

“いっしょにeco” 地球大賞

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「人と動物、そして自然との友情」
Selen Aramiん(7歳)

絵に込めた思い

森は動物たちの家です。誰も動物たちに迷惑をかけることなく、私たちは動物たちと友達になって助けてあげなければなりません。私は動物が大好きで、なかでもキリンが好きです。私たちは動物を助けるべきなのだということをほかの子どもたちに伝えるためにこの絵を描きました。
この絵は、私がお母さんと一緒に行った森で足をケガしているキリンを見つけたところです。キリンの仲間たちがケガをした友達のことを心配していました。私は、キリンの足に持っていた包帯を巻いてあげて、キリンと友達になりました。

審査員講評

人間が協力して傷ついたキリンの手当てをしており、優しさや自然を愛おしむ気持ちにあふれている。全体的にきらきらとした印象で、「こんな世界であってほしい」という強い願いと未来への希望を感じられる作品だ。一本一本の木からキリンが顔をのぞかせていて、作者が植物と動物を同じ生命体としてとらえているようでハッとさせられる。一方、キリンたちの表情が人間と少し距離を置いているようにも見え、自然や動物たちは人間が味方かどうか試しているのだというメッセージも感じられる。トントンと点描で描くリズムや楽しさにあふれた作品だ。

“いっしょにeco” 花王賞

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「自然界の天使」
Fatemeh Abiriさん(10歳)

絵に込めた思い

バスに乗るよりも車に乗るほうが、空気がたくさんが汚れてしまうことや、ガムを床に落としたらそれが分解されるまでにとても多くの時間がかかることをみなさんは知っていますよね。この絵では、私の愛すべき天使によって、すべての汚染をなくして、失われた自然の美しさをとりもどしたい、という思いを描きました。

審査員講評

日が沈む前に景色が黄金色に輝く時間がある。忙しい日々を過ごしているとつい忘れてしまいがちだが、何気ない日常の中にも美しい瞬間や幸せが転がっているのだということを思い出させてくれる一枚。見ているだけで心が温まり、この絵にあるような美しい自然や光景が、いつまでも続くことを願わずにはいられない。このような瞬間を愛おしみ、描こうと思った感受性の高さと、鳥の声や車の走る音、街の香りまで感じさせる表現力は秀逸だ。

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「森に、動物に、地球に愛情を」
Kanticha Thangsriさん(10歳)

絵に込めた思い

私たちは、愛情を持って環境を大切にする必要があります。私は森や動物が大好きです。世界中のすべての人々もそうであってほしいです。そうなれば、森や動物をそまつにすることなんてできないでしょう。私たちは自然とともに楽しく暮らし、共存することができるのです。

審査員講評

都会側から自然を眺め、自然の美しさを尊ぶ作品が多い中、本作では自然側から都会を眺めている。このほかに類を見ない発想の転換、視点の立て方がユニーク。また、絵の中の都会は無機質なものではなく、どこかほっとするような、優しい姿で描かれており、この視点で見ると、都会も意外と悪くないという新たな気持ちが芽生えてくる。一方で、自然や動物たちとも仲良く暮らせるような都会にしなければならないというメッセージも受け取った。

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「緑の楽園」
Le Luさん(6歳)

絵に込めた思い

私は動物たちや地球が大好きなので、たくさんの木、キリン、ライオンたちを描きました。動物たちにとって快適なすみかがあり、地球の環境もよりすばらしいものとなるよう、私たちにはたくさんの木が必要です。

審査員講評

木の枝の分かれ方がとても自然で、その観察力には驚かされた。葉を点描のようなタッチでランダムに描き、間から動物たちをのぞかせることで、風の流れや揺れる葉のリズム感を生き生きと表現している点も秀逸だ。絵の中に人間は直接的には描かれていないが、この風景を見ている自分自身もまた自然の一部なのだということが伝わってくる。大人が望む世界ではなく、自分が感じた世界をのびのびと描いている。

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「生命のつながりを讃えよう」
Lui Ho Yinさん(14歳)

絵に込めた思い

セミの鳴き声を聞いた子どもたちが、その声に合わせて楽しそうに歌っています。セミはその命を終えると、土に還って植物の栄養となります。こういったことが万物の命を存続させていることに、子どもたちは畏敬の念をもっています。地球上のさまざまな生き物の命がずっと続くように、私たち人類はみんなで環境を守り、地球環境を壊さないようにしていかなければならないのです。

審査員講評

「生と死」を題材にした作品。サステナブルという言葉は持続可能と訳されているが、本来の意味は循環し続けること。生と死のサイクルが続き、命が受け継がれていくことこそがサステナブルであり、そのことが見事に表現されている。死んだセミは栄養となって植物を助け、万物がすべてつながっていることも描かれている。命が短いセミにスポットを当て、死を悼みながらも、生きてきたことに対する感謝も伝わってくる、非常に深みのある秀作だ。

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「私たちの手で地球を守ろう」
Rinrada Singhsathitsukさん(7歳)

絵に込めた思い

環境を持続可能なものにするには、誰か一人でやるのではなく、みんなで森をまもり、自然をつくり、汚染を減らすといった「協働」が必要です。持続可能な暮らしをしていけるかどうかは、私たちみんなの手にかかっているのです。

審査員講評

森林火災や排気ガスなど、多くの環境問題にさらされている中で、「緑にあふれた美しい地球を守っていきたい」という切なる願いを訴えかけている作品。地球が手形で描かれており、「みんなで手を取り合い、力を合わせれば美しい世界になる」というメッセージもストレートに伝わってくる。さまざまな表現技法が試されているが、それらが画面内でバランスよく配置されていて、全体の色調やトーンも美しく、絵としての完成度が非常に高い。

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「自然の五大元素」
Snehal Sudhir Daneさん(13歳)

絵に込めた思い

インドの古い経典によると、「地」、「水」、「火」、「空」、「風」という自然界の五元素(Panchmahatatva)が創造、生存、サステナビリティーを司っています。未来の世代のために、私たちはこの古来の知恵を大切に守っていく必要があります。また、これは、地球上の生き物を存続させる唯一の方法です。私の絵ですが、バニヤンツリー(長寿の木)は地球上の生き物を表しています。女性たちはバニヤンツリーに備わる自然界の五元素で、バニヤンツリーを守り、神様にこれからも地球環境がずっと変わらずに続くことを祈っています。

審査員講評

色のコントラストが美しく、思わず目を奪われた。難しい配色にも関わらず、背景、木、服の色が迷いなく描かれており、そのセンスは秀逸だ。堂々とした構図で、遠くから見て圧倒される一方、近づいて見ると非常に緻密なタッチで仕上げられており、大胆さと繊細さのバランスが絶妙。「大地、水、火、空、風」という、インドに古くから伝わる自然の5つの要素が命を守っており、そこにサステナブルのヒントがあるということが見事に表現されている。

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「木の枝と根を利用した私の家」
Syifa Azka Asilah Siregarさん(7歳)

絵に込めた思い

木の枝や根から環境にやさしい世代が生まれます。仲のよい友達と一緒に本を読むというグループ活動の様子を描いた作品です。私たちの物語は、環境にやさしい活動の中でいつまでも続いていきます。さあ、夢中で本を読もう。

審査員講評

木の上に子どもたちが集まり、それぞれ別のタブレット画面を見ている。「オンラインとオフライン」、そして「自然とテクノロジー」が混在したなんともユニークな作品。科学技術の存在を否定するのではなく、自然とテクノロジーは共存していけるのだということを、子どもながらの視点で無理なく描いている。表現も巧みで他の作品とは一味違ったアプローチの仕方も印象的だ。

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「優しく抱きしめて」
Yang Yiranさん(10歳)

絵に込めた思い

人と大自然の間には、言葉では表せない密接な関わりがあり、自然界が生きながらえていくためには、人類が自然に優しくしなければなりません。そうすることで大自然の恩恵を受けることができるのです。経済が急速に発展しているいま、わたしたちに求められているのは、環境を保護することだけでなく、環境と調和することです。人と自然が調和できれば、すばらしい明日を創ることができます。この絵では、私たちが生きていくために必要な大自然を大切にしなければならないということを皆に伝えています。

審査員講評

動物を愛おしむように抱きかかえている少女は作者自身だろうか。自然が大好きで、大切にしたいという作者の想いとともに、動物や自然と共存することのすばらしさや尊さも感じ取ることができる。少女の髪の毛や動物の中にコンクリートのビル群や美しい自然がコラージュのようにユニークに描かれており、自然と都会の融合を強調している点も興味深い。背景に描かれた花の淡い雰囲気や緑の配色も美しい。

優秀賞/審査員推薦作品

益田 文和 審査委員長推薦

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「美しい森」
オローク キアンさん
(6歳)

審査員講評

美しい緑色の背景が動物たちを際立たせ、絵に奥行きを生み出している。水平と垂直に描かれた木で分割された画面構成も面白く、そのセンスがうかがわれる。この感性を失わないでほしい。

大久保 澄子 審査員推薦

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「食料の魚を探しているペンギン」
Qian-Yu Laiさん
(6歳)

審査員講評

鳥やラッコ、魚などさまざまな動物が描かれている。自分が感じていることを素直に、自由な手法で表現している点を評価した。空と氷山の色づかいや星の描き方も美しい。

松下 計 審査員推薦

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「友情の絆」
Kian Jamshidpoorさん
(10歳)

審査員講評

作者の気持ちが素直に表現された説得力のある作品。木の実や葉などを、絵の具の原色を活かして描きつつも、ひとつのまとまった世界をつくり上げるという高度なテクニックが光っている。

オヤマダ ヨウコ 審査員推薦

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「地球環境を守ろう」
Hafiza Naura Salsabillaさん
(12歳)

審査員講評

ペットボトルを集めてつくられたウミガメの生き生きとした表情や子どもたちの笑顔から、未来への希望が感じられる。海洋ごみを問題視するにとどまらず、一歩先の提案をしているようだ。

細川 泰徳 審査員推薦

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「地球村を守る」
Brennan Edric Tjongさん
(7歳)

審査員講評

「こういう未来であってほしい」という願いが明確に伝わる作品。今回のテーマを、みんなで一緒に一生懸命働き、次に備える行動をする「アリ」に託している点に、作者の視点の鋭さを感じた。

片平 直人 審査員推薦

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「グリーン・ライディング」
Liu Zhenyiさん
(10歳)

審査員講評

自転車は環境に優しく楽しい乗り物であることをダイレクトに表現した作品。顔を描かないことで逆に絵を見ている私たち自身を投影でき、自分事として取り組むべきだというメッセージを受け取った。

優秀賞

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「健康的な環境は明るい色でほほえむ」
Aqila Dewi Salsabilaさん
(7歳)

審査員講評

絵の上部には地球環境を改善するためのアイデアが、その周りには顔や手のようなものが数多く描かれている。アイデアを集め、みんなで何かをやるんだというメッセージが力強く伝わってくる。

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「ゴミの家」
Bacon Tienさん
(6歳)

審査員講評

プラスチックごみの問題をデザイン的に美しく描きつつも、子どもなりに問題視していることが感じ取れる。差し色に赤を使うことで、全体のブルーを引き立てる絵画的センスがすばらしい。

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「ゴミに食べつくされる」
Chen Yan Weiさん
(9歳)

審査員講評

「環境を汚染すると、そのまま自分に返ってくる」ということをストレートに訴えかけている。本質がうまく絵に落とし込まれており、言葉で説明するよりも、はるかに現実を突きつけられる。

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「同じ島で命は1つ」
Chien-Chun Linさん
(7歳)

審査員講評

森に棲む動物たちが木に隠れてこちら側を見ている構図や、中央の木の幹から画面いっぱいに枝が伸びている表現の仕方が独特。子どもならではの世界感がのびのびと描かれた作品である。

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「一緒に持続可能な環境を作りましょう」
Herath Mudiyanselage Losandu Minhas Fernandoさん
(6歳)

審査員講評

世界中が集合住宅のように集まっているという発想がユニークで、作者の観察力や提案力の高さを感じる。スペースを埋めるように描かれたモチーフのバランスや、人物や動物の陰影のつけ方が絶妙。

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「きれいな世界」
猪口 莉歌さん
(13歳)

審査員講評

日本の四季を丁寧に描き、日本らしさや日本の美を表現したい気持ちが伝わってくる。季節ごとに描き方が異なる点が興味深い。さまざまな技巧を取り入れており、画力の高さがうかがえる。

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「生態系を守ろう!」
Menghe Zhaoさん
(9歳)

審査員講評

ペットボトルをガリバーの物語に見立て、プラスチックごみ問題の重大さを訴えている。一方で、小人たちは悲観的な雰囲気ではなく、みんなで力を合わせれば解決できるという前向きな作品だ。

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「一緒に発展しよう」
Monwaree Jariyapitaksakulさん
(9歳)

審査員講評

勇者のような恰好をした少女が地球を抱きしめており、「地球は私が守る!」という強い気持ちが伝わってくる。虫の顔で地球の目を、魚の胴体で地球の口を表現している点も非常にユニークだ。

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「ガラス瓶の中の美」
Prakaichat Tornseeさん
(11歳)

審査員講評

あらゆる生命は海から生まれ、進化し、人間が文明をつくってきたというストーリーが一枚の絵の中に収められている。神話的な雰囲気や不思議な空気感を醸し出す表現の仕方が優れている。

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「ふしぎな木」
吉積 玲那さん
(7歳)

審査員講評

「同じ木にメロンやスイカは実らない」という常識に縛られず、自然をひとつのものとしてとらえ大胆に描いている。水を大切にしようという想いもストレートに伝わってくる。

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「まばゆい自然」
椛田 梨々奈さん
(10歳)

審査員講評

植物や自然は空気と水がなければ成り立たない。その大切さが中心に描かれた水や上部の虹でうまく表現されている。水の周りに描かれた光景も楽し気で、希望を感じる作品だ。

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「真理に戻ろう、基本に立ち返ろう」
Seow Sin Thorさん
(9歳)

審査員講評

植物の種の循環を描いた作品。風の流れや雰囲気など、見えないものも筆の動きで表現しており、どこか印象派に通じるものがある。色使いや構成も独特で、不思議な魅力を放っている。

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「未来の世代」
Sharvi Santosh Sharmaさん
(14歳)

審査員講評

植物の苗を三世代にわたって引き継いでいる様子が描かれており、世代を超えて自然を大切にしなければならないというメッセージが読み取れる。人間やフレームの描き方が独特で魅力的だ。

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「私たちの海を助けよう、私たちの未来を守ろう!」
Sherly Vermont Kwerniさん
(15歳)

審査員講評

廃棄物の塊が魚を飲みこもうとしている表現がユニーク。海洋ごみが増え続け、魚たちが危険にさらされている状況を非常によく描写している。細部まで緻密に描かれている。

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「環境に優しい木の家」
Song Jinningさん
(9歳)

審査員講評

目に映るものを独自の視点で観察し、自分なりのストーリーに落とし込んで表現している。そのストーリーをどう解釈するかは見ている人次第。想像を掻き立てられ、わくわくする作品だ。

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「大きな木と私」
Teoh Qian Yaさん
(7歳)

審査員講評

本人が思い描いた美しい世界が、上手に抽象化し表現されており、伝えたいメッセージが楽しく伝わってくる。多くの色が見事なバランスで配色されており、目を惹く作品だ。

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「新たな芽」
藤川 有捺さん
(14歳)

審査員講評

植物の発芽という小さな現象を拡大して描いた作品。命が芽生えた希望あふれる瞬間を、淡いトーンで、静かに伝えている。このようにつぶさな視点から世界をとらえることもできると気づかされる。

下記より「第12回(2021)入賞作品集」をご覧いただけます。

審査風景

12回目を迎えた今回の絵画コンテスト。2010年にコンテストを開始して以来、「みんなでいっしょにエコ」というテーマを掲げてきましたが、昨今ではSDGsへの意識が高まり、環境課題を考えるキーワードとしてはより広い概念の“サステナブル”という言葉が世の中に浸透しています。そこで、子どもたちにもより広く地球の環境や未来について考えながら創作に挑んでほしいという願いも込めて、今年から「サステナブルな環境* をみんなでつくろう!」というテーマに変更しました。

新たなテーマで開催した今年のコンテストには、世界中から7,009点(国内689点、海外6,320点)の作品の応募がありました。まずは花王のデザイナーが全作品を審査し、その中から393点の作品が最終審査に進みました。

審査にあたっては、「地球環境改善への願いや発想が感じられるか」「世界の環境問題を考えるうえで新鮮な視点を与えてくれるか」といった基準に加え、「子どもらしい発想や視点を感じさせるか」「国や地域らしさが反映されているか」なども重視されています。

最終審査では、芸術や環境分野に携わる審査員6名が一枚一枚の作品をじっくりと眺め、子どもたちの純粋な心や新たな視点に感銘を受けながら審査を進めていきました。また、テーマの変更が見事に作品に反映されており、子どもたちの理解力の高さや思慮深さに驚きの声が挙がる場面もありました。

「“いっしょにeco”地球大賞」(1点)に選ばれたのは、イラン在住の作者(7歳)の作品です。審査員からは、「未来への希望を明るく、子どもらしく描いている」「描いているときの楽しさが伝わってくる」といった講評がありました。このほか、「“いっしょにeco”花王賞」8点、「優秀賞」23点(うち審査員推薦6点)を決定しました。

  • * サステナブルな環境というのは、何年も何年も先の未来まで続きます。それは、あらゆる動物や植物が心配しないで一緒に生きてゆける世界です。

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本審査の様子

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本審査の様子

審査員の総評

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【益田 文和 先生】
審査委員長
(デザインコンサルタント、株式会社オープンハウス代表取締役)

12回目を迎え、テーマが「みんなでいっしょにエコ」から「サステナブルな環境をみんなでつくろう!」に変更となった今回。それが作品に見事に反映されており、子どもたちの理解力や感受性の高さには驚かされるばかりだ。テーマの変更や時代の変化も影響しているとは思うが、子どもたちの中で、環境問題に対する意識が「ごみを拾って分別する」という次元から、もうひとつ上の次元に移っていると感じた。だからこそ、我々評価する側、そして主催者側も意識をひとつ先に進める必要があると子どもたちに教えられたコンテストとなった。

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【大久保 澄子 先生】
(美術家)

テーマが変わったことで、作品全体に違った印象を受けたとともに、子どもたちの思考は私たちが考えている以上に深いことを実感し、非常に感銘を受けた。逆に子どもたちの目線から見た世界観、作品に込めたその想いや考えを読み取り切れない部分もあり、審査には苦労したというのが正直なところだ。子どもたちの方が新しいテーマをよく理解し、一歩先に進んでいるのかもしれない。子どもたちに負けないよう、私たちももっと勉強しなければならないと感じた。今回、ひとつステージの上がったコンテストが今後も続いていくことを願ってやまない。

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【松下 計 先生】
(東京藝術大学 教授)

大人には思いつかないような発想で表現された作品が多く、非常に楽しませてもらった。作品には各地域の子どもたちの目を通じて、その世界で彼らが見ているものが映し出されているはずだが、どの地域の作品からも、環境に対する解釈が一段深まっていることが感じられ、非常に驚かされた。また、子どもたちが本当に望んでいるものや、未来への希望もひしひしと伝わってきた。例年、子どもたちの作品を見るたびに多くの発見があるが、今年は例年以上に子どもたちから学ぶことが多かったように思う。

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【オヤマダ ヨウコ 先生】
(美術家、イラストレーター)

環境問題に限らず、地球上のあらゆる問題の解決に向けては、どの国や地域も孤立させないことが重要であるということを、子どもたちの作品を見て改めて痛感した。また、今回の作品には、国や地域ごとの特性が例年以上に色濃く表れていたように思う。そして、明るいメッセージをより明るく伝えようと、一生懸命に描いている姿が想像できる作品も多かった。未来に向けて子どもならではのユニークな発想もあり、非常に勉強になった。すばらしい作品が完成するまでサポートしてくださった方々へ感謝の気持ちをお伝えしたい。

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【細川 泰徳】
(花王エコラボミュージアム館長)

どの作品も子どもたちの純粋な心が生き生きと表現されていて、胸が熱くなるものばかりだった。今回は特に、明るい未来を描いた作品が多かったと感じている。環境問題に関する課題はまだ多く残されており、明るい話題ばかりではない中、子どもたちが想像する未来が希望にあふれていることは喜ばしい。一方で、明るい未来を現実のものとするためにも、子どもたちの想いを我々一人ひとりが真摯に受け止める必要があるとも感じた。環境問題に限らず、地球にも人にも優しい社会を、みんなで力を合わせて一緒に実現していきたい。

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【片平 直人】
(花王株式会社 作成センター長)

新型コロナウイルスの影響で物流が滞り、作品が届かないのではという心配もあったが、世界中から多くの子どもたちが元気な絵を届けてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいだ。近年、細かい技巧を追求するような作品が増えていると感じていたが、今回は子どもたちが考えていること、感じていることをまっすぐに表現した作品が目立っていたように思う。まだまだ世界的に混乱が続く中、子どもたちから未来への希望にあふれたメッセージを受け取り、元気と勇気をもらうすばらしい機会となった。子どもたちの頑張りに敬意を表したい。

表彰式について

コロナ禍の海外渡航制限のため、当初予定していた東京での開催を変更して、2022年3月27日に、オンラインでの表彰式を行ないました。前年に中止となった第11回表彰式と合同での開催となり、第12回「“いっしょにeco” 地球大賞」「“いっしょにeco” 花王賞」の受賞者9名のうち8名が、第11回受賞者とともに、世界各地から参加しました。
社長の長谷部佳宏からはお祝いの言葉を贈り、益田文和審査委員長からは、「前年までの応募作品の変化を踏まえて、テーマをサステナブルという、より広い概念の言葉に変えたところ、皆さんの作品は見事に応えてくれた。希望にあふれた楽しい絵がたくさん集まる回となった。」との総評をいただきました。
続いて、受賞作品の紹介に合わせて、受賞者一人一人から、作品に込めた思いを語っていただき、参加者全員でその思いを分かち合いました。お互いに拍手を送り、心温まる交流の時間となりました。

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参加した第11回・第12回の上位入賞者の皆さん

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花王本社の会場の様子

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地球大賞Selen Aramiさんのスピーチ

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社長の長谷部からも受賞者にメッセージ
(写真は花王賞Snehal Sudhir Daneさん)

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