2018年の進捗

調達先ガイドラインの一部改訂

花王は、法を遵守し高い倫理観をもって、購買活動を実行しています。また、この活動をサプライチェーンに拡張しており、サプライヤーにも同様の行動を求めています。この活動をより明確にするために、2018年12月に「調達先ガイドライン* 」の「お取引先の社会的責任の配慮項目」に、下記項目・文言を追加しました。

  • より公正で透明性の高い企業統治
  • 独占禁止法など
  • 不正行為の事前予防・早期発見と、是正のためのマネジメントシステムの確立
  • BCP(事業継続計画)など、製品の安定供給に必要な措置
  • * 調達先ガイドライン

「持続可能なパーム油」の調達ガイドラインの進捗

目標1

花王は2015年末までに、花王グループの消費者向け製品に使用するパーム油は、持続可能性に配慮したミルまで原産地追跡可能なもののみを購入することをめざし、取り組みました。
その結果、花王グループの消費者向け製品に使用するパーム核油およびその誘導体については、2015年までに1次サプライヤー情報によるパーム核ミル(パーム核搾油工場)までのトレーサビリティを確認しました(図1)。

図1 パーム核ミル

パーム核やパーム油を供給しているパームオイルミル(パーム搾油工場)までのトレーサビリティについては、2018年末時点で約98%(数量ベース)を確認しました(図2)。2019年もパームオイルミルまでのトレーサビリティの確認を継続します。

図2 パームオイルミル

他社より購入せざるを得ない誘導体の中には、2018年末時点でミルまでのトレーサビリティが確認できていないものが残る結果となりました。これらについては、引き続きサプライヤーにトレーサビリティの確認を求めていくとともに、RSPO認証製品の購入など補完できる手段を講じます。

目標2

花王は2020年までのできるかぎり早い時期に、農園、サプライヤーおよび第三者機関との協働により、原産地の森林破壊ゼロを十分に確認し、HCV、HCSおよび泥炭湿地林の開発に加担しないことをめざしています。
2016年からトレーサビリティ確認済みのパームオイルミルに対して第三者機関によるリスクマッピングを実施しています。リスクマッピングではパームオイルミルの50km圏内について保護林、火災跡、泥炭地の有無等を確認することにより森林破壊の可能性を判断しています。ハイリスクと判断されたミルに対しては専門家とともに現地調査を実施し、改善を要求してその経過を注視しています(図3)。2019年も現地調査を継続します。

目標3

花王グループの消費者向け製品に使用するパーム油は、2020年までのできるかぎり早い時期に、持続可能性に配慮した、農園まで原産地追跡可能なもののみを購入することをめざしています。
1次サプライヤー情報によるパームオイルミルのトレーサビリティの確認(目標1)とともに、第三者機関による1次サプライヤー情報およびパーム核ミルのサプライチェーンについて検証を実施しています(図3)。
また、小規模農家へのトレーサビリティと透明性の確立をめざして2017年、Bluenumber*1 に参画しました。2018年はパイロットを実施し、しくみの有用性を確認しましたが、一方、小規模農家への展開に課題があることも分かりました。また、2018年9月にSUSTAIN*2 に創設メンバーとして参画しました。
これらのしくみを小規模農家までのトレーサビリティに活用するべく、運営母体であるNPO/NGOや他の参画企業と協働していきます(図3)。

  • * 1 Bluenumber
    「国連持続可能な開発サミット」において2015年9月29日に発足。労働者・生産者・地方の農村地域に住む人々のデジタル経済への参画を促す。ニューヨーク、クアラルンプール、東京、ダッカにオフィスを置く。
  • * 2 SUSTAIN(Sustainability Assurance & Innovation Alliance)
    ブロックチェーン技術を活用し、パーム油関係者が協働することによりサプライチェーン情報の共有をめざすイニシアティブ。

図3 サプライチェーンの検証状況

目標4

花王は2020年までのできるだけ早い時期にグループ工場ならびにオフィスのRSPO SCCS認証取得をめざし、追跡可能なサプライチェーンの構築に努めております。
サプライチェーンの川上に位置する誘導体工場から、消費者向け製品を製造する川下の工場に向けて順次SCCS認証取得を進め、2018年末までに計35サイトの認証を取得し、当初計画した全工場・オフィスの認証取得を完了しました。

2019年目標

  • 小規模農家までのトレーサビリティ確認手法の構築プロジェクトへの参画
  • 1次サプライヤーが購入している大規模農園までのトレーサビリティ調査

「持続可能な紙・パルプ」の調達ガイドラインの進捗

花王は2020年までに、花王製品に使用する紙・パルプ、包装材料および事務用紙は、再生紙、または持続可能性に配慮したもののみを購入することをめざし、古紙パルプ以外のパルプ(バージンパルプ)を使用する場合は、2020年までに、原料木材産出地の追跡可能なパルプのみを購入することをめざしています。
2018年12月時点での進捗は以下のとおりです。
トレーサビリティの確認:100%*1
      内、認証品:86%*2

  • * 1 花王製品に使用する紙・パルプ(一部、製品を除く)
  • * 2 2018年12月の認証品比率と2018年の年間調達量を基に算定

また、2018年7月には、「FSC認証材の調達宣言」を日本企業6社・団体と共同で発表しました。

サプライヤーのモニタリング

アセスメント

サプライヤーに対してSedexへの加盟、質問への回答、データへのアクセス権の設定を要請しています。
2018年末時点で、グローバルでサプライヤー1,474サイトとのアクセス権が設定され、購入金額の53%をカバーしています。日本では503サイトとのアクセス権が設定され、購入金額の62%をカバーしています。
また、アクセス権が設定されたサプライヤー(2018年9月時点)に対して、Sedexアセスメントツールによるリスクアセスメントを実施しました。

総合評価 SAQ回答率*1 Sedexリスク評価*2 花王評価 割合
S 80%以上 Low 24%
A 80%以上 Low 40%
B 80%以上 Medium or High 要改善 14%
C*3 80%未満 - 要回答 12%
-*4 - - 10%
  • * 1 Sedexのサプライヤー自己評価アンケートに対する回答率
  • * 2 Sedexアセスメントツールによる評価で、リスク発生の可能性をLow、Medium、Highの3段階で評価
  • * 3 未回答のSAQはリスクHighと評価されるため、SAQ回答率が80%未満の場合は一律”C”評価
  • * 4 回答結果にアクセスできないため未評価

なお、Sedexへの加盟が困難なサプライヤーに対しては、Sedexを補完するツールとして、独自の調査票(花王SAQ)も活用しています。法令遵守・人権・取引慣行等の社会的責任の項目と汚染防止(大気、水等)を含めた環境方針・環境目標・各種管理等の環境保全の項目を全面改訂し、2018年から一部運用を開始しました。
また、新規サプライヤーの採用に当り、同様のアセスメントを実施しています。

エンゲージメント

Sedexのアセスメント結果をサプライヤーにフィードバックしました。総合評価が“A”以上となるように、改善を要する項目について見直しを求めています。特に、総合評価が“B”で、Sedexリスク評価が”High“のサプライヤーには、訪問して課題を共有化するとともに、改善に向けた取り組みの要請を行ないました。
なお、2018年は改訂前の調査票によるモニタリングで課題ありと認められたサプライヤー10社を訪問し改善策を協議しました。

CDP

CDP(気候変動、水、森林)

CDPの気候変動、水および森林の各プログラムに回答しました。2018年は、気候変動がA-、水がA、森林がA-という結果でした。
「森林」についてはパーム油および紙・パルプのトレーサビリティの取り組みなどが評価されました。

CDPサプライチェーンプログラム

2018年は「気候変動」、「水」に加え新たに「森林」を開始し、海外関係会社のサプライヤーにも拡大しました。また、日本ではサプライヤー説明会を開催し153社が参加しました。
2018年のサプライヤーの回答率は「気候変動」が78%(189社回答/241社依頼)、「水」が76%(75社回答/99社依頼)、「森林」が91%(29社回答/32社依頼)でした。
2019年もこれら3プログラムを継続します。

ベンダーサミット

2018年の国内のベンダーサミットにおいては、243社のサプライヤーに参加いただき、花王の事業状況とともに持続可能で責任ある調達の取り組みであるCDPサプライチェーンプログラムへの積極的な協力およびSedexへの加盟を依頼しました。また、2016年からお取引先表彰制度を開始しており、「品質」「価格」「納入」「情報提供」「経営・サステナビリティ」の観点で優秀なサプライヤーを表彰しました。
海外関係会社においても合計230社のサプライヤーに参加いただき、ベンダーサミットを開催し、優秀なサプライヤーを表彰しました。

ベンダーサミット出席会社数の推移

(単位:社)

  国内開催 海外開催 合計
2014年 183 233 416
2015年 214 285 499
2016年 246 279 525
2017年 245 258 503
2018年 243 230 473

品質向上会議

2018年は不適合材料削減を目的に包装材料メーカー5社との意見交換を実施しました。また、原材料メーカーで品質トラブルが発生した場合、花王研究部門の協力のもと、是正策を講じるとともに抜本的な品質改善に向けた協議を行なっています。

サプライヤー(お取引先)満足度調査

(会社数)

実施年度 原料 包装材料 機器 合計
2004年 53 45 46 144
2007年 48 37 44 129
2010年 55 68 44 167
2013年 71 59 45 175
2016年 78 69 52 199

3年ごとに調査を実施しています。
2016年の調査結果より、サプライヤーへの通報・相談窓口の周知および発注の改善を進めています。

従業員研修の実施

購買部門の社員一人ひとりが社会や環境との関係を認識し、行動を変革するための教育として、環境社会検定試験®(eco検定®)、ビジネスコンプライアンス検定®、ビジネス実務法務検定試験®の受験を推進しています。
2018年の部門在籍者の累計合格者はeco検定が77%、ビジネスコンプライアンス検定が69%、ビジネス実務法務検定が73%でした。

グリーン購入

2018年の達成率は87%でした。早期の100%達成をめざして推進します。

天然植物資源の持続可能な調達

化粧品・医薬部外品に使用しているグリチルリチン誘導体は、マメ科植物である甘草から製造されます。これまで自生甘草から製造されたグリチルリチン誘導体を使用してきましたが、生物多様性の保全と持続可能な利用に努めるため、2016年から栽培地が特定された栽培甘草から製造したグリチルリチン誘導体への切り替えを進めています。

リージョン別サプライヤー(製造会社)数

製造会社の所在地 原料 包装材料 最終製品 合計 購入額比率
日本リージョン*1 689 222 288 1,199 59%
アジアリージョン*2 700 309 101 1,110 27%
EMEAリージョン*3 532 48 98 678 8%
アメリカリージョン 347 22 120 489 6%
合計 2,268 601 607 3,476
  • * 1 日本リージョンは日本のみ
  • * 2 アジアリージョンにはオセアニアを含む
  • * 3 EMEAリージョンには欧州、中東、アフリカを含む
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