2017年の進捗

調達先ガイドラインの一部改訂

花王は、2015年に花王人権方針*1 を公表、また「英国現代奴隷法2015*2 」対象企業としてサプライチェーン上での労働人権侵害の有無を確認する義務を負うことになり、2017年6月、取引先にも花王と同様の人権・環境への配慮を求めるため、「調達先ガイドライン」の改訂を行ないました。今回の改訂では、取引先の「調達先ガイドライン」遵守状況の確認を新たに定めており、この確認および英国現代奴隷法2015の求めるサプライチェーンの評価にSedexを活用してまいります。

  • * 1 花王人権方針
  • * 2 英国現代奴隷法

「持続可能なパーム油」の調達ガイドラインの進捗

目標1

花王は2015年末までに、花王グループの消費者向け製品に使用するパーム油は、持続可能性に配慮したミルまで原産地追跡可能なもののみを購入することをめざし、取り組みました。
その結果、花王グループの消費者向け製品に使用するパーム核油およびその誘導体については、2015年までに1次サプライヤー情報によるパーム核ミル(パーム核搾油工場)までのトレーサビリティを確認しました(図1)。

図1 パーム核ミル

パーム核やパーム油を供給しているパームオイルミル(パーム搾油工場)までのトレーサビリティについては、2017年末時点で約97%(数量ベース)を確認しました(図2)。

図2 パームオイルミル

他社より購入せざるを得ない誘導体の中には、2017年末時点でミルまでのトレーサビリティが確認できていないものが残る結果となりました。これらについては、引き続きサプライヤーにトレーサビリティの確認を求めていくとともに、RSPO認証製品の購入など補完できる手段を講じます。

目標2

花王は2020年までのできるかぎり早い時期に、農園、サプライヤーおよび第三者機関との協働により、原産地の森林破壊ゼロを十分に確認し、HCV、HCSおよび泥炭湿地林の開発に加担しないことをめざしています。
2016年からトレーサビリティ確認済みのパームオイルミルに対して第三者機関によるリスクマッピングを実施しています。リスクマッピングではパームオイルミルの50km圏内について保護林、火災跡、泥炭地の有無等を確認することにより森林破壊の可能性を判断しています。ハイリスクと判断されたミルに対しては専門家とともに現地調査を実施し、改善を要求してその経過を注視しています(図3)。

図3 サプライチェーンの検証状況

目標3

花王グループの消費者向け製品に使用するパーム油は、2020年までのできるかぎり早い時期に、持続可能性に配慮した、農園まで原産地追跡可能なもののみを購入することをめざしています。
1次サプライヤー情報によるパームオイルミルのトレーサビリティの確認(目標1)とともに、第三者機関による1次サプライヤー情報およびパーム核ミルのサプライチェーンについて検証を実施しています(図3)。
また、小規模農家への原産地追跡をより確かなものにするため、ブルーナンバー(Bluenumber)* に参画しました。ブルーナンバーは、グローバルでの農作物のトレーサビリティ確立をめざす仕組みで、パーム油のトレーサビリティの確認に活用していく予定です(図3)。

  • * Bluenumber
    「国連持続可能な開発サミット」において2015年9月29日に発足。労働者・生産者・地方の農村地域に住む人々のデジタル経済への参画を促す。ニューヨーク、クアラルンプール、東京、ダッカにオフィスを置く。

目標4

花王は2020年までのできるだけ早い時期にグループ工場ならびにオフィスのRSPO SCCS認証取得をめざし、追跡可能なサプライチェーンの構築に努めております。
サプライチェーンの川上に位置する誘導体工場から、消費者向け製品を製造する川下の工場に向けて順次SCCS認証取得を進め、2017年度末には28サイトの認証を取得いたしました。残る工場ならびにオフィスについても引き続き認証取得を進め、2018年末に完了する見込みです。

2018年目標

  • パームオイルミルまでのトレーサビリティ確認の継続およびサプライヤー情報のアップデート
  • リスクマッピングにより明らかになったハイリスクパームオイルミルの現地調査の実施
  • ブルーナンバーによる小規模農園までのトレーサビリティ確立のパイロット実施
  • 1次サプライヤーが購入している大規模農園までのトレーサビリティ調査開始

「持続可能な紙・パルプ」の調達ガイドラインの進捗

花王は2020年までに、花王製品に使用する紙・パルプ、包装材料および事務用紙は、再生紙、または持続可能性に配慮したもののみを購入することをめざし、古紙パルプ以外のパルプ(バージンパルプ)を使用する場合は、2020年までに、原料木材産出地の追跡可能なパルプのみを購入することをめざしています。2017年末時点で使用する紙・パルプの99.8%(内、認証品86%)がこの基準を満たしています。
2016年に導入を開始したFSC認証段ボールは2017年にはグローバルで使用する段ボールの約80%を認証品に切り替えました。
また、2017年7月に衣料用粉末洗剤(アタック、ニュービーズ)の本体箱およびフタにFSC認証紙を導入しました。

Sedex

サプライヤーに対してSedexへの加盟、質問への回答、データへのアクセス権の設定を要請しています。
2017年末時点で、グローバルでサプライヤー908サイトとのアクセス権が設定され、購入金額の45%をカバーしています。日本では408サイトとのアクセス権が設定され、購入金額の65%をカバーしています。
また、Sedexを利用したサプライヤーリスクアセスメントを開始しました。回答率が90%以上のサプライヤーの中、リスク発生の可能性が高いと判定されたサプライヤーは0.4%でした。これらのサプライヤーに対してはリスクの詳細確認を行なった上で、必要に応じて改善を求めていきます。

CDP

CDP(気候変動、水、森林)

CDPの気候変動、水および森林の各プログラムに回答しました。2017年は、気候変動がA-、水がA-、森林がA-という結果でした。
「森林」についてはパーム油および紙・パルプのトレーサビリティの取り組みなどが評価されました。

CDPサプライチェーンプログラム

2017年の日本花王が購入しているサプライヤーの回答率は「気候変動」が74%(164社回答/221社依頼)、「水」が65%(20社回答/31社依頼)でした。
2018年は新たに「森林」を開始するとともに、海外関係会社のサプライヤーへも拡大します。

お取引先のモニタリング

2017年は、日本では社会面のモニタリングを34社に、環境面のモニタリングを26工場に実施しました。また、モニタリングにおいて課題があると認められたサプライヤー12社について、訪問の上改善策を協議しました。
これまでお取引先のモニタリングには自社独自の調査票(花王SAQ)を用いておりましたが、今後はSedexを活用します。

社会面のモニタリング企業数と基準を達成している企業比率

  花王(株)
取引先企業数
アジア花王グループ
取引先企業数
2013年度まで 883(99%) 726(98%)
2014年度まで 906(99%) 823(98%)
2015年度まで 1,168(96%) 994(98%)
2016年度まで 1,602(92%) 1,166(98%)
2017年度まで 1,705(92%) 1,198(98%)

環境面のモニタリング企業数と基準を達成している企業比率

  花王(株)
取引先工場数
アジア花王グループ
取引先工場数
2013年度まで 818(99.5%) 541(98%)
2014年度まで 879(99%) 608(97%)
2015年度まで 1,254(97%) 750(97%)
2016年度まで 1,616(94%) 838(97%)
2017年度まで 1,689(94%) 842(96%)

ベンダーサミット

2017年の国内のベンダーサミットにおいては、245社のサプライヤーに参加いただき、花王の事業状況とともに2016年実施の「お取引先満足度調査」の結果報告、持続可能で責任ある調達の取り組みであるCDPサプライチェーンプログラムへの積極的な協力およびSedexへの加盟を依頼しました。また、2016年からお取引先表彰制度を開始しており、「品質」「価格」「納入」「情報提供」「経営・サステナビリティ」の観点で優秀なお取引先を表彰しました。
海外関係者でも合計258社のサプライヤーに参加いただき、ベンダーサミットを開催し、優秀なお取引先を表彰しました。

ベンダーサミット出席会社数の推移

(単位:社)

  国内開催 海外開催 合計
2013年 184 151 335
2014年 183 233 416
2015年 214 285 499
2016年 246 279 525
2017年 245 258 503

品質向上会議

2017年は不適合材料削減を目的に包装材料メーカー4社との意見交換を実施しました。また、原材料メーカーで品質トラブルが発生した場合、花王研究部門の協力のもと、是正策を講じるとともに抜本的な品質改善に向けた協議を行なっています。

サプライヤー(お取引先)満足度調査

(会社数)

実施年度 原料 包装材料 機器 合計
2004年 53 45 46 144
2007年 48 37 44 129
2010年 55 68 44 167
2013年 71 59 45 175
2016年 78 69 52 199

3年ごとに調査を実施しています。
2016年の調査結果より、サプライヤーへの通報・相談窓口の周知および発注の改善を進めています。

従業員研修の実施

購買部門の社員一人ひとりが社会や環境との関係を認識し、行動を変革するための教育として、2012年度より環境社会検定試験® (eco検定)の受験を推進しています。
また、2015年からは、ビジネスコンプライアンス検定®の受験を推進しています。
2017年の部門在籍者の累計合格者はeco検定が71%、ビジネスコンプライアンス検定が64%でした。

グリーン購入

2017年の達成率は84%でした。早期の100%達成をめざして推進します。

天然植物資源の持続可能な調達

化粧品・医薬部外品に使用しているグリチルリチン誘導体は、マメ科植物である甘草から製造されます。これまで自生甘草から製造されたグリチルリチン誘導体を使用してきましたが、生物多様性の保全と持続可能な利用に努めるため、2016年から栽培地が特定された栽培甘草から製造したグリチルリチン誘導体への切り替えを進めています。

リージョン別サプライヤー(製造会社)数

製造会社の所在地 原料 包装材料 最終製品 合計 購入額比率
日本リージョン*1 807 292 341 1,440 55%
アジアリージョン*2 697 321 100 1,118 26%
EMEAリージョン*3 615 49 107 771 8%
アメリカリージョン 379 26 128 533 6%
その他 16 3 1 20 5%
合計 2,514 691 677 3,882
  • * 1 日本リージョンは日本のみ
  • * 2 アジアリージョンにはオセアニアを含む
  • * 3 EMEAリージョンには欧州、中東、アフリカを含む
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