世界が取り組む化学物質管理(GFC(旧SAICM))

SAICMとは、2002年の世界首脳会議で合意された目標(2020年までに化学物質が、ヒトと環境にもたらす悪影響を最小化する方法で使用、生産されること)を達成するための国際的な戦略や取り組みです。

GFCとは、SAICMの後継として2023年に採択された、マルチステークホルダーによる自主的な化学物質管理を推進するための国際的なビジョン、戦略的目的やターゲットを含む取り組みです。

経緯

1992年「国際環境開発会議」(リオデジャネイロ)

リオ宣言(開発と環境に関する宣言)が行なわれ、会議で採択された行動綱領「アジェンダ21」の第19章では、国際的な化学物質管理の推進について取り上げられました。

2002年「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」(ヨハネスブルグ)

「2020年までに化学物質が、ヒトと環境にもたらす悪影響を最小化する方法で使用、生産されること」を目標に掲げたWSSD2020年目標が採択され、グローバルレベルで化学物質のリスクに応じた適正管理の方向に大きく舵を切りました。

2006年「第1回国際化学物質管理会議(ICCM-1)」(ドバイ)

「国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ(SAICM)」が採択されました。

世界各国はSAICMにおける合意を基に自国の行動計画を策定し、2020年のWSSD目標の達成に向けて取り組んできました。日本では、2012年に環境省から「SAICM国内実施計画」が公表され、「化学物質と環境に関する政策対話」での各ステークホルダーによる進捗共有等により取り組みが推進されてきました。世界レベルでは、SAICMの2020年目標は未達に終わり、さらなる取り組みに向けて議論されました。

2023年「第5回国際化学物質管理会議(ICCM-5)」(ボン)

「国際化学物質管理に関する2020年以降の枠組み(GFC)」がボン宣言の下、採択されました(新型コロナウイルス感染拡大による遅延開催)。マルチステークホルダー・マルチセクターによる野心的な目標を掲げ、進捗管理や実施プログラム、統合的アプローチで運用されます。

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