花王では、“よきモノづくり”に携わるすべてのビジネスパートナーと価値観を共有し、協働することで、持続可能なサプライチェーンの構築をめざしており、人権の尊重を基盤としつつ、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンを推進します。
花王は、人権を尊重し、サプライチェーン上のエクイティを追求しています。インドネシアでは、小規模パーム農園の支援プログラム SMILE(SMallholder Inclusion for better Livelihood & Empowerment)を推進しています。
責任ある原材料調達
サプライチェーン全体において人権侵害が起こっていないかを的確に把握すべくトレーサビリティの確保やESGサプライヤー調査に努めています。また、サプライヤーとの対話を通じてサステナブルなサプライチェーンの構築をめざし、高い倫理観を持って公正・公平な購買活動を推進しています。
お取引先に求めるパートナーシップ要件に基づくサプライヤー総合評価
遵法・倫理、人権・労働、持続可能性等の要件を定め、本要件を遵守していただけるお取引先から優先的に購入する事を明記しています。その中のひとつとして、多様性と受容性のある職場環境の構築の順守も含まれています。
それらの要件は、SEDEXによる評価やサプライヤー総合評価を通じて、人権・DE&Iに関する取り組みの促進をサプライヤーへお願いしています。
独立小規模パーム農園支援(SMILEプログラム)
SMILEプログラムは、花王と油脂製品製造および販売会社のアピカルグループ(英語名:Apical Group)、農園(プランテーション)会社のアジアンアグリ(英語名:Asian Agri)の3社が、2020年から2030年の11年間にインドネシアの独立小規模パーム農園約5,000件を対象に、生産性向上、持続可能なパーム油に対する認証(RSPO)の取得を支援するプログラムです。RSPO認証には、フェアな取引、公正な処遇など、人権やDE&Iに関する基準が含まれており、この認証取得の促進等を通じて、労働者の安全やQOLの向上、農家の生活改善を実現し、公平な社会に貢献するとともに持続可能なサプライチェーンの構築をめざします。
グリーバンスメカニズムの導入
花王グリーバンスメカニズムは、ビジネスと人権の企業取り組みを支援しているNPO法人 経済人コー円卓会議日本委員会(CRT日本委員会)と協働で、花王のサプライチェーンにつながるインドネシアの独立小規模パーム農園を対象としたグリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)です。
花王グリーバンスメカニズムでは、独立小規模パーム農園の苦情や問い合わせを受け付け、「調査」「対応」「解決」「フォローアップ」「報告」まで行い、社会・環境面、特にDE&Iを含む人権における本質的な課題解決に向けて取り組んでおり、より多くの人が声をあげられるよう、対象農園数とエリアの拡大をめざしています。
ともに働く人々との活動
ともによきモノづくりに取り組む仲間として、場内協力会社の皆様と連携して活動を推進しています。たとえば、工場内で働くすべての方を対象として、業務効率化や善行などに対して表彰を行い、互いを認め合う機会を設けている工場もあります。受賞を伝えるニュースは多言語で発行し、日本語以外を母語とする方にも伝わるように工夫もしています。
また、ともに働く人々の人権を守るためにリスクアセスメントを定期的に実施しています。特に、外国人労働者には直接インタビューも行っています。工場内で働く協力会社在籍の外国人労働者と雇用会社経営者・管理責任者に対してインタビューを行うことで、職場の安全や賃金などの労働環境、労使関係や周囲とのコミュニケーションの状況、生活環境などについて確認をしています。