使用済み化粧品プラスチックボトルを再び化粧品ボトル容器へ
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、2021年より取り組んできた化粧品ボトル容器の水平リサイクルの取り組みにおいて、このたび、使用済み化粧品プラスチックボトルからなるケミカルリサイクル*1 PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を容器の一部に使用し、商品化を実現しました。5月30日より順次、イオン・イオンスタイル146店*2 にて、数量限定で販売します。
使用済み化粧品容器を再び化粧品容器に生まれ変わらせる水平リサイクルには、株式会社JEPLAN(社長・髙尾正樹)が保有する独自のケミカルリサイクル*1 技術を活用。今回は、2022年にお客さまから回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルし、花王グループのカネボウ化粧品が展開する「TWANY(トワニー)」の化粧水つけかえボトル容器の一部に使用しています。
今後は、化粧品プラスチックボトルの水平リサイクル社会実装モデルとして継続的な取り組みへと発展させるべく、回収スキームの構築と取り組み規模の拡大をめざしてまいります。
花王がめざす化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルとは、回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを用いて再生素材を製造し、化粧品ボトル容器に再利用することです。一般的に、着色や加飾が施された化粧品ボトル容器は、包装容器のPET素材へ再生することは難しいとされてきましたが、花王はJEPLANと協働し、同社が保有する独自のケミカルリサイクル*1 技術を活用することで、その実現に向けて取り組んでまいりました。
第1弾として、2021年6月から、JEPLANのグループ会社であるペットリファインテクノロジー株式会社(社長・伊賀大悟)が、使用済みペットボトルを用いて製造したケミカルリサイクル*1 PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を、「TWANY」のボトル容器に採用。バージンPET素材と同等品質の、美しい容器が製造できることを確認しました。その後、「KANEBO(カネボウ)」「LISSAGE(リサージ)」「SOFINA iP(ソフィーナiP)」など、同素材の採用ブランドも順次拡大しています。
第2弾では、2022年2月から7月の期間、「TWANY」を取り扱う関東エリアのイオン直営店舗などにおいて、お客さまが使用された化粧品プラスチックボトルを回収。回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを用いて、ケミカルリサイクルによる水平リサイクルの実証実験を進めてきました。
そして今回、2022年に回収した使用済み化粧品プラスチックボトルを水平リサイクルして、「トワニー ローションⅡt (レフィル)」のボトル容器の素材の一部として使用し、バージンPETと同等品質のボトル容器に再生、商品化を実現しました。5月30日より順次、イオン・イオンスタイル146店*2 にて、数量限定で販売します。
これら一連の実証実験を通して、お客さまの手元にある使用済み容器を回収・再生した素材を利用し化粧品容器を製造、再びお客さまにご提供するという、水平リサイクルの輪がつながりました。
今後は、「化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルの取り組み」を持続可能な社会実装モデルとして確立すべく、使用済み化粧品プラスチックボトルの回収スキーム構築など、インフラ整備を進めます。また、2021年10月より株式会社コーセー(社長・小林一俊)と進めているサステナビリティ領域における協働取り組みのひとつとして、両社で協働することによるスケールアップをめざし、さらに検討を進めてまいります。
花王グループは、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を策定し、19の重点取り組みテーマを設定しています。今回の「化粧品プラスチックボトル水平リサイクルの取り組み」は、そのなかの「ごみゼロ」に貢献するものです。今後も、花王は、経営にESGの視点を導入することで、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざしていきます。そして、豊かな共生世界の実現に向けて取り組んでまいります。