生命美容科学に基づいた皮膚の研究「血管力からのアプローチ」

スキンケア

皮膚の老化は、生活環境、生活習慣、精神的ストレス等によって加速されます。それらの要因に打ち克つためには、従来の皮膚に与えるケアだけではなく、全身(身体機能)へのアプローチにより、皮膚の老化を予防、改善することが重要です。花王では、長年培ってきた皮膚科学研究と健康科学研究を「美」の視点で融合し、「生命美容科学」として新たな研究領域に挑戦しています。

皮膚のすぐ下には毛細血管があり、皮膚に栄養、酸素など必要なものを届け、老廃物、二酸化炭素など不要なものを回収しています。しかし、この毛細血管には常に血液が流れているわけではなく、必要に応じて血液が流れるように調節されています。花王では、この血流を調節する力(血管力)に着目しました。血管力の指標(図1)として、冷水負荷後の皮膚温の戻りやすさを計測した結果、血管力は加齢とともに低下傾向にあり、血管力が低い人では、頬、腕、脛といった全身の肌が荒れやすいこともわかりました(図2)。この関係を明らかにしたのは世界で初めてのことです。

血管力を改善する技術として、花王の健康科学技術である炭酸ガスとクロロゲン酸に着目し、肌への効果を評価しました。その結果、炭酸ガススキンケア剤は皮膚局所の血管力、クロロゲン酸飲料は全身の血管力を高めるとともに、肌の水分量や鱗屑、明るさ等を改善することが認められました。これらの技術は2015年から商品に応用されています。

生命美容科学に基づいた皮膚の研究「血管力からのアプローチ」

図1 血管力の測定指標

図2 全身の血管力と肌荒れの関係

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