蚊の基礎情報
蚊が媒介する病気と病原体の伝播の しくみについて解説します。
蚊は、マラリア、デング熱、日本脳炎などの病気を媒介します。これらの病気は、表1に示す病原体が原因です[1]。これらの病原体に感染したヒトや他の動物を蚊が刺してしまった場合、病原体が蚊に移行し、蚊の体内で増殖します。体内で病原体が増殖した蚊が別のヒトを吸血するとき、蚊の唾液がヒトの体内に移行し、ヒトが病原体に感染してしまうのです(図)。
表1:蚊が媒介する病原体と病名
病名 | 病原体 | 主に媒介する蚊 |
---|---|---|
デング熱 | デングウイルス | ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ |
マラリア | マラリア原虫 | ハマダラカ |
黄熱 | 黄熱ウイルス | ネッタイシマカ |
日本脳炎 | 日本脳炎ウイルス | アカイエカ |
ジカ熱 | ジカウイルス | ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ |
チクングニア熱 | チクングニアウイルス | ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ |
図:蚊による病原体の 伝播のしくみ