蚊の基礎情報
吸血行動や病気を媒介する蚊の種類や、 蚊の生態についてご紹介しています。
世界中には、3500種類以上の蚊が存在しています。しかし、全ての蚊が血を吸うわけではありません。吸血せずに生活する蚊もいます。また、吸血する全ての蚊がヒトを刺し、病気を媒介するわけでもありません。蚊の中には鳥や牛など、他の生物を吸血するものも多くいます[1]。
世界で病気を媒介している蚊は、ハマダラカ(Anopheles)、シマカ(Aedes)、イエカ(Culex)の主に3種類、しかもメス蚊のみ、さらには交尾後のメスのみです(図1)。それでは、メスの蚊はなぜ血を必要とするのでしょうか?それは、卵を育てるためです。通常メス蚊は、1匹のオスと1度だけ交尾します[2]。交尾後に卵を育てるために、メス蚊は良質なタンパク質源である血を求めて吸血し、活動を止めて体内で卵を育てます。その後、産卵場所となるきれいな水場を探し、産卵します。産卵後は再び吸血し産卵する、というサイクルを繰り返します。メス蚊は1度に100個、生涯では500個以上の卵を産みます。
卵がかえると、ボウフラと呼ばれる幼虫になります。そのあと蛹(さなぎ)になり、2日ほどで成虫に羽化し、水から飛び立ちます(図2)。
図1
図2