茶カテキンののど粘膜滞留によるインフルエンザや風邪などの予防

ヘルス&ウェルネス

インフルエンザや風邪などの上気道感染症は、原因となるウイルスが目に見えないため、感染する経路やタイミングの特定が難しく、ワクチン接種、手洗い、マスクの着用などを行っていても、かかってしまうことがあります。
花王は、新たな予防方法を検討するにあたり、ヒトに本来備わっている生体バリアのひとつである咽頭部(のど)の粘膜に着目しました。これまでの花王の研究で、マウスののど粘膜に茶カテキンが滞留すること、滞留した茶カテキンが抗ウイルス効果を発揮することがわかってきています。そこで、のど粘膜の主成分であるムチンと茶カテキンが化学的に結び付く作用を利用し、より多くの茶カテキンを粘膜に長く滞留させることで粘膜のバリア力(抗ウイルス力)をさらに高められるのではないかと考えました(図1)。

図1 茶カテキンによる粘膜のバリア力(抗ウイルス力)向上イメージ

粘膜に茶カテキンを多く滞留させる方法を検討したところ、キサンタンガム(増粘剤)で粘性を高めたことによって、茶カテキンののど粘膜への吸着量が増加することを確認しました(図2)。

図2 咽頭部粘膜モデルへの茶カテキン吸着量

さらにその後の調査で、粘性を高めた茶カテキンを含む飲料を1日3回3ヵ月間継続摂取したグループは、WHOの定義に基づくかぜ症候群の発症率が、茶カテキンを含まない飲料を1日1回摂取したグループ(プラセボ群)と比較して約50%低減し、統計学的に発症リスクが約50%低減することがわかりました(図3)。

図3 粘性を高めた茶カテキンがインフルエンザや風邪の発症率におよぼす効果

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