伝統の油脂研究

ヘルス&ウェルネス

花王が食品事業を開始したのは1928年。当初、業務用の植物性のショートニングに『エコナ』という名前をつけて発売以来、長年にわたる油脂研究の歴史があります。酵素反応を用いた油脂の分子設計の研究に注力したカカオ代用脂や機能性油脂などについて研究開発を続け、現在でも業務用油脂を販売しています。これらの研究の中から生まれたのが1998年に特定保健用食品として表示許可を受けた『エコナクッキングオイル』です。グリセリンの特定の位置に脂肪酸をつける油脂加工技術を確立して、「1,3-ジアシルグリセロール」を主成分とするジアシルグリセロール油を開発し、摂取後の血中中性脂肪が上昇しにくい機能と継続摂取による体脂肪の低減効果を立証しました。
こうした研究開発の積み重ねを経て発売された『エコナクッキングオイル』は、消費者のみならず医師や栄養士など専門家にも大きな関心を持って迎えられました。しかし、安全性に対する議論が起こり、食品安全委員会において審議され結果が以下の通り取りまとめられました。

1. ジアシルグリセロール油はすでに流通しておらず、摂取した期間、量、年齢等が人により異なるとともに、各人の背景生活条件等の交絡要因が様々なため、過去に摂取した個人の生涯発がんリスクを判断することは困難である。
2. 実験動物において、グリシドール脂肪酸エステルを不純物として含む経口投与によるジアシルグリセロール油の発がん促進作用は否定され、問題となる毒性影響は確認されなかった。

また、この評価を食品安全委員会に諮問を依頼した厚生労働省からは、「これら(ジアシルグリセロール油)製品を摂取したことによる健康被害事例は報告されていないことから、直ちに重大な健康影響があるものとは考えておりません」とのコメントが出されております。

この経緯及び詳細は、専門情報サイト「栄養代謝の研究開発」をご参照ください。

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