コーヒーが本来持っている健康機能を引き出す技術

近年の数万人規模の疫学調査によって、糖尿病や動脈硬化性疾患などに対するコーヒーの有効性が数多く報告されています。そこで花王は、コーヒー中のポリフェノールであるクロロゲン酸類に着目し健康機能に対する検証を行い、クロロゲン酸類による血管内皮機能の改善を介した血圧の低下作用を見いだしました。しかし同時に、コーヒー豆の焙煎により生じる酸化成分ヒドロキシヒドロキノン（HHQ）によってこの効果が減弱することもわかりました。
コーヒー独特の味と香りは、コーヒー豆の焙煎により生み出されますが、この時に香気成分を含む数多くの成分が発生し、雑味成分としても知られる酸化成分HHQが増加し、クロロゲン酸類は減少します。
花王は、クロロゲン酸類を高濃度に保ったまま酸化成分HHQを顕著に低減する方法を検討し、コーヒー成分の分子サイズ、構造、性質を検証した結果、コーヒー成分の分子サイズの違いに着目した吸着ろ過による方法を見いだしました。この方法を用いることで、焙煎コーヒーでも血圧に対する有効性が確認されました。
さらに、花王ではクロロゲン酸類による脂質燃焼機能を作用機序とした体脂肪低減効果を確認。血圧に次いで体脂肪が気になる方を対象とした特定保健用食品としての表示を許可されました。