蚊の吸血行動に着目した忌避研究

蚊の嫌う肌表面をつくる発想

蚊の嫌う肌表面をつくり蚊に刺されることを防ぐ、
従来品とは違う忌避技術について紹介します。

ヒトの肌上での蚊の降着試験

疎水性液体が塗布された表面に蚊が留まれない状態が、ヒト肌上でも生じるかどうかについても確認しています。露出部にシリコーンオイル(0.25mg/cm2)を塗布し、50匹のメス蚊が放たれたボックス内に腕を挿入し、蚊の降着試験を行ないました。結果、露出部に脚が触れた蚊のうち、1秒滞在した蚊は4%以下でした。(未塗布の場合85%)
化粧品用途としても幅広く利用されているシリコーンオイルに、蚊が止まりにくくなる効果があることは新しい発見であり、DEETなどの蚊が嫌う匂いによって忌避するメカニズムの忌避剤とは異なる忌避技術につながると考えられます。

図 ヒト腕を用いた蚊の降着試験

(Iikura et al., Sci Rep 10, 14480(2020)を改変して引用)

動画 シリコーンオイル塗膜により、蚊が肌に留まれない現象

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