機能性素材の粒子化技術

製剤化技術

材料に付加価値を与える手法として、機能性素材をカプセル化する技術への関心が高まっています。カプセル化には、皮膜による素材の保護機能のほか、素材の高濃度化、配合困難物質の安定化などのメリットがあります。
一般にカプセルとは、素材を皮膜で内包した単核状のものをさしますが、素材を乳化・分散させた水性ゾルを粒子状にゲル化させたものを、特にハイドロゲル粒子と呼んでいます。花王では、粒子化技術開発の一環として、多孔ノズルを用いた液滴製造装置の開発に取り組んできました。新たに開発された装置は、流体振動機を装着した多数の開口部を有するノズルから分散液ゾルを冷却用のオイル中に液滴状に吐出し、これを速やかに冷却・ゲル化することで直径0.5mmから5mmの粒径のそろった粒子を連続的に製造します。
花王独自の機能性素材「スフィンゴリピッドE」(SLE)は、皮膚の細胞間脂質セラミドの類似物質ですが、この技術により、粒子化することが可能となりました。油性成分であるセラミドは、通常、他の油性成分や界面活性剤とともに乳液などに配合されますが、粒子化によって高濃度な状態が安定して保たれるため、従来は困難だった化粧水や水性ジェルにも配合できるようになりました。
液体状や固体状の多様な素材を内包できるハイドロゲル粒子は、素材の持つ機能の向上や新たな形態での発現などにつながる可能性を秘めており、その応用技術のさらなる拡大が期待されています。

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