バイオ反応によるジヒドロキシインドールの量産化技術

バイオプロセス

花王では、温和で選択性の高いバイオ反応の特徴を生かし、独自の洗剤用酵素や化粧品基剤等を生産しています。近年、その新たな取組みとして、100%天然由来の着色成分だけで染める白髪ケアブランド「リライズ 白髪用髪色サーバー」の着色成分である、「黒髪メラニンのもと」ジヒドロキシインドール(DHI)の量産化に成功しました。
麹菌チロシナーゼを用いたDHIの製造法は、創業400年の老舗酒造メーカーである月桂冠株式会社により開発されたもので、当初は月桂冠で手作りに近い方法で少量生産されていましたが、リライズの発売に伴い、大量生産が必要となりました。しかし、DHIを選択的に安定に製造するためには、反応中で刻々と変わる操作因子(酸素濃度やpH等)を精密に制御することが必要となります。従来は人が長年の経験を基に反応挙動を先読みすることで、精密制御を可能としていましたが、量産化にあたってはいかに大規模なスケールで、しかも人の手を介さずに精密制御するかが、大きな課題となりました。これを受けて、各スケールで得られた実験データとシミュレーション技術を活用することで、独自のシステムを開発。量産化に成功しました。
こうした、月桂冠が日本酒製造で培った匠の技と、花王が洗剤用酵素等で培ってきたバイオ生産技術の融合により、DHIの量産化が初めて可能となりました。

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