高速原子間力顕微鏡による固/液界面のダイナミクス研究

表面科学

原子間力顕微鏡(atomic force microscope:AFM)は、物質の表面形状を大気中や水中など任意の環境下で、しかもナノメートルスケール(1ナノメートルは1メートルの10億分の1)の高空間分解能で形態観察を行うことが可能な技術です。しかし、通常のAFMでは1画像の取得に5~10分の時間が必要なため、実時間で形状が変化する対象を観察することは困難でした。花王は産学連携により、最高数十ミリ秒で1画像の取得が可能な高速AFMの技術を導入し、形状変化をナノメートルスケールで動的にとらえることで固液界面のダイナミクス研究に取り組んでいます。これまで、水中のある塩濃度においては球状ミセルで安定な界面活性剤が、マイカ表面に吸着することで電気的な相互作用の影響を受けてひも状ミセルに構造変化すると報告されていました。我々は、高速AFMの技術を用いることでその過程を初めて観察することに成功しました(Chem. Commun. 47 (2011) 4974)。
このように、本解析技術は固液界面での形状変化を直接可視化できるため、界面での機能発現の本質解明に寄与することを期待し、幅広い研究対象への応用展開を進めています。

高速AFMによる吸着構造の経時変化観察

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界面活性剤集合体の吸着構造変化の模式図

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持続可能な開発目標(SDGs)

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