皮膚角層中のセラミド分子種の網羅解析

皮膚科学

セラミドは、皮膚のうるおいを保つ保湿や、外からの異物の侵入を防ぐバリア機能に大変重要な役割を果たしています。ヒト皮膚角層には12タイプのセラミドが存在します。さらに脂肪酸とスフィンゴイドの炭素鎖の長さの違いを考えると、350種類以上ものセラミド分子種が存在していることになります。花王では、順相液体クロマトグラフィーとエレクトロスプレーイオン化質量分析法を用いることで、ヒト皮膚角層中のセラミド分子種を網羅的に、迅速かつ高感度に定量できる測定法を開発しました。1平方センチメートルの角層剝離テープ1枚での分析を実現し、肌性状の違いや身体部位の違いによって、セラミド分子種のパターンがどのように変わるかを明らかにすることが可能になりました。本法による健常者とアトピー性皮膚炎患者の皮膚角層中のセラミド解析結果を以下に示します。ひとつひとつのピークがセラミド分子種とその量を示しています。アトピー性皮膚炎患者の角層には、高分子量のセラミドの割合が少なく、低分子量のセラミドが多いことがわかります。また、極性の高いセラミドが少ない傾向が認められました(J Invest Dermatol 130 (2010) 2511)。
このように、本技術により、肌性状に深く関連するセラミド分子種をより詳細に把握できるようになりました。

健常者とアトピー性皮膚炎患者の皮膚各層セラミドの分析結果

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