ASE-SEMによる毛髪内在脂質の可視化

解析技術

毛髪の細胞膜複合体(cell membrane complex; CMC)の脂質は、毛髪における物質の浸透や拡散、細胞の接着、機械的な強度の発現に関わっています。しかし、CMCにおける脂質を可視化する方法はこれまで存在しませんでした。毛髪の平滑な断面を調製し、その表面をアルゴンイオンでエッチング(Argon sputter etching; ASE)し、走査型電子顕微鏡観察(scanning electron microscopy; SEM)することで、毛髪断面に筋状の模様(特徴的なパターン)が生じることがわかりました。さらに、この模様がCMCにおける脂質に関連することを明らかにしました(J Cosmet Sci 56 (2005) 297)。ASE-SEMによる毛髪脂質の可視化によって、毛髪脂質の微細構造の特性やCMCの役割・機能が明らかになることが期待されます。

なお、この研究論文は、2005年にJournal of Cosmetic Science誌に投稿されたヘアケア技術に関する論文の中で、最も優れた論文に送られるJOSEPH P. CIAUDELLI AWARDを受賞しました。

アルゴンスパッタエッチングSEMによる毛髪内脂質の可視化

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(毛髪脂質が毛髪横断面にて筋状の模様として観察される)

<関連するテーマ>

持続可能な開発目標(SDGs)

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