動物を用いない感作性評価技術の世界標準化

安全性科学

消費者に安全で安心な商品を届けるためには、安全性を精緻に評価する必要があります。花王の商品はその多くが皮膚に触れるため、配合する原料の皮膚アレルギー性(感作性)の評価は特に重要です。そこで、花王では2000年から現在まで、動物を用いない精緻な感作性評価技術の開発と普及を進めています。
2016年には、皮膚免疫細胞の働きに着目して(株)資生堂と共同開発した代替試験法「h-CLAT」が、高い信頼性を証明する世界標準法(OECDテストガイドライン)として承認されました。しかし、「h-CLAT」だけでは、感作という複雑な生体現象を正確に捉えるには不十分です。そこで花王では、他の重要な現象に着目した代替法と「h-CLAT」、および機械学習モデルを組み合わせた評価体系「Integrated Testing Strategy(ITS)」を開発しました。「ITS」は現在、動物試験を代替できる初めての世界標準法としてOECDで審査中です。
さらに花王では新たに、皮膚の大部分を占める角化細胞で感作成立に関与するマーカー遺伝子を見いだし、皮膚の代替として人工皮膚モデルを用いる次世代型の代替試験法「EpiSensA」を開発しました。人工皮膚モデルは実際の皮膚と類似構造を有し、既存代替試験法で課題であった油溶性原料を動物実験のように塗布、評価できます。「EpiSensA」は高い適用性と予測性を有することから現在、世界標準法を目指して国際的共同研究を進めています。

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