メラニン制御技術と新規素材探索の研究

皮膚科学

シミは、シワ、たるみなどと並んで、グローバルに見て大きな肌悩みのひとつです。シミが肌に残るメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、紫外線による色素沈着が原因のひとつと考えられています。
皮膚科学の研究は、生体における機構を根本的に解明することから始まります。シミの生成を抑える美白剤の開発も、紫外線による色素沈着には、表皮から産生されるエンドセリン(21個のアミノ酸からなる生理活性タンパク質)が関与しているという事実の発見からスタートしました。さらに、表皮の「幹細胞増殖因子」(SCF)もシミの形成に大きな役割を果たすことを解明し、皮膚に紫外線が当たると、初期にはSCFが、後期にはエンドセリンがそれぞれ色素細胞を活性化させ、メラニン生成を促進することを明らかにしました。これらの研究をもとに、エンドセリンの働きを抑える有効成分「カモミラET」を開発、さらにSCFの働きを抑制する剤も開発しました。
生体では、多くの因子が複雑に影響し合い、それらが精巧に統合されています。生体に起こるトラブルを解決するため、生命現象の根本的なメカニズムを解明しようという姿勢が、花王の生物科学研究には貫かれています。生体が本来備えている働きを補う剤を科学的知見に基づき開発するというアプローチが、健康で美しい肌や髪を実現する「真に価値ある商品」を開発するための基盤となっています。

ヒト皮膚3次元モデルでのSCF阻害による色素沈着抑制作用

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