全ゲノム変異解析による発がん性予測

安全性科学

がんは日本人の二人に一人が罹患し、三人に一人が死亡する病気であり、その克服は大きな社会的課題となっています。そのため、製品に使用される原料について発がん性を十分確認することは、安全で安心な製品を消費者に届ける上で極めて重要です。がんは正常なゲノムDNAに変異が蓄積し、遺伝子(がん遺伝子等)の機能が異常をきたすことで引き起こされることが知られています。しかし、がん発生以前の正常組織や、化学物質等の暴露直後の初期ゲノム変異は、極めて低頻度で解析が難しく、DNA変異蓄積過程の多くは解明されていません。花王では、早くからこの課題に着目し、初期ゲノム変異を次世代シーケンサー(NGS)を用いて解析可能とする新しい技術(Hawk-Seq™)を開発しました。
本技術は、ヒト全ゲノムにおける初期ゲノム変異を網羅的に検出することができます。この大規模なデータ(ビッグデータ)からゲノム変異の特徴を見いだし、その蓄積過程を可視化することで、化学物質の発がん性の高精度な予測のみならず、ヒト発がんの原因理解、さらには将来のがん発症予測を可能にするものと期待されています。
今後は国内外の研究機関とも連携し、世界中の消費者に科学的知見に基づく安全・安心な製品を届けるとともに、がんの早期診断や治療薬・予防薬の開発など、診断・創薬分野へも活用していきます。

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